魚の目(うおのめ)に関する考え方とお灸での治療の流れ【鍼灸治療実例】

治療
足にできる「魚の目(うおのめ)」をお灸で治療する方法をご紹介します。魚の目は足裏・足指に偏った負荷がかかることで、角質層の芯が内側に形成されていきます。芯は内側に伸びていくため、最終的には神経を刺激して痛みが起こります。
お灸での治療においては、この芯と周囲にお灸の熱刺激を加えることで、皮膚の代謝を促していきます。結果、内側に伸びていた芯も表面に出てきて、かさぶたのように剥がすことができます。角質層への刺激なので、強い熱さや痛みを感じることはない上、お灸には消毒・殺菌の効果もあるので安心です。

 

「魚の目」のお灸治療をご紹介します。

「体を温める」、「やけどができる」そんなイメージの多いお灸が、魚の目を治すことができるなんてと、信じられない患者さんが多くいました。

しかし、実際の治療効果を感じた時、まるで魔法にかかったように痛みがなくなることも多くあります。今後も色々な治療をご紹介し、なるべく養生のアドバイスも盛り込みますので、参考にしていただければと思います。

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「魚の目」はタコと違うのか。なぜ痛むのか。

魚の目は足の裏にできる人が多いようですが、他にも足の指の側面にできた人を見たことがあります。発症原因としては、下記の2点が多い印象です。

  • 足に合わない靴を履いている。
  • 歩き方、立ち方など負荷のかかり方の偏りがある。

結果的に、靴との擦れや、変に荷重がかかり、角質が皮膚の内側に向かって形成されてしまいます。

皮膚は内側から、皮下組織、真皮、表皮の層で出来上がっています。偏った負荷のかかり方によって、角質の芯が皮下組織まで達することで、神経を刺激して痛みを生みます。

魚の目とたこの違い

ちなみに「タコ」は、角質が外側に向かって形成されていくので、似ていますが逆の発症機序をたどります。そのため、タコは押しても痛みがありませんが、魚の目は押すと痛みが起こります。

 

「魚の目」のお灸治療の流れ

魚の目お灸イメージ

魚の目の灸治療を確認すると、下記の流れになります。

  1. 魚の目への施灸
  2. 魚の目(角質層)のかさぶた化(炭化)
  3. 爪切りでかさぶた化した魚の目を剥がす
  4. 剥がした痕にお灸をすえる(熱消毒・代謝活性化)
  5. 普通に歩く
  6. 1〜5を繰り返す

実際に魚の目の灸治療をしている場面を、いくつか撮りました。

魚の目の芯をお灸で焼いていく

魚の目イメージ

二趾の付け根の白い点が魚の目の芯

すでに2回ほど治療しているため、魚の目の芯の部分が見えてきていますね(二趾付け根、白い部分)。これくらい芯が出てくると小さなお灸で良くなります。

しかし最初の頃は、角質層の範囲が広く、1センチ底面くらいのお灸をすえていました。

魚の目は角質層なので、痛み・熱さはほとんどありません

魚の目お灸イメージ

魚の目の芯に直接お灸していきます

実際に施灸(お灸をすえること)しているところです。角質層自体に神経はないので、やり始めの頃にお灸の熱さを感じることはありません。

しかし、お灸の面白いところで(施術者目線ですが)、お灸を続けてすえていると、下記のような変化が起こります。

  • だんだんお灸の燃えるスピードが遅くなる。
  • だんだんお灸の熱を感じるようになる。

お灸の熱を感じるようになるのは、魚の目全体に熱が通ったサイン

魚の目治療イメージ

魚の目を「かさぶた」化して、はがします

こうしたお灸や感覚の変化は、熱が角質層の芯を通過して神経の方まで届いていると考えられます。そうした熱感の変化がわかるまで、お灸を続けてすえていきます。

熱感が届く頃には、ここまで真っ黒に焼け跡が残ります。この後、黒く焦げた部分を、爪切りなどでえぐります。うまく施灸ができていると、指紋に沿って綺麗にはがれます。はがれた部分にまた施灸して、治療はまたひと段落となります。

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なぜ「魚の目」に灸治療が効果的なのか。そのメリット

魚の目を焼くことで「かさぶた化」し、代謝させる

 

足の裏は代謝が激しく、すぐに新しい皮膚が形成されます。そのため、繰り返しの刺激で魚の目やタコができやすいのですが、お灸による焼け跡の回復も早いです。

角質層の芯に至るまでの表層を施灸によって「かさぶた」の状態にして、それを爪切りで剥がすイメージです。施灸して剥がした部分は周りの皮膚より凹んだ状態になるので、接地による痛みも柔らかくなります。

そして、凹んだ部分が表皮の方に出てきて、芯が見えるようになります。日を置きますが、数回これを繰り返せば芯が出てきて、きれいにとれます。

病院での魚の目治療との違い

基本的には病院でされる治療と考え方は同じです。魚の目は芯を取り除けば痛みはなくなります。

病院では、下記のような方法があるようです。

  • 薬品で周りの角質層を柔らかくして、削っていき芯を抜き取る方法
  • 液体窒素で角質層を壊死させて芯をとる方法

病院でも似たようなことをしてくれるなら、わざわざお灸をしなくても、と言いたいところですよね。

お灸の場合、熱消毒の効果もあるので足裏でも安心です。また、魚の目の角質層以外を傷つける心配がないというところは、お灸ならではと思います。

魚の目から学ぶ足の養生

女性は特にヒールの高い靴やブーツを履く習慣から、外反母趾や、足趾の変形などが身近だと思います。魚の目は骨の変形さえ有りませんが、接地時の痛みはなかなかのものですよね。

魚の目ができて、その足の痛みをかばうように、歩行や立ち振る舞いが変わってしまう方もいます。そのため、早めの治療をオススメします。

「こんなこともやるんだね」と思ってもらえればと思い、鍼灸治療の中でも珍しい治療をご紹介しました。鍼灸治療は本当に奥深く、面白いものばかりです。

また機会があればご紹介しますね。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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