梅雨を東洋医学のアイディアで乗り切り、その先の夏や秋も快適に過ごす養生法

梅雨 予防・未病治

今回は、梅雨の時期に起こる体の不調を、東洋医学的に考えて対策をご紹介していきます。

  • 体がむくむ
  • 重だるさを感じる
  • やる気が起きない
  • 汗をかけない
  • のぼせる

こうした梅雨の時期に出る不調に対応し、梅雨の時期を快適に過ごすことは、その先にくる夏をより健康的に過ごすための体作りにもつながります。反対に、梅雨の時期の養生や過ごし方に問題があると、夏の暑さに体が負けて体調を崩してしまいます。

季節ごとの変化は、私たちの体が次の季節を乗り切るためのサポートでもあります。梅雨の時期に体を整え、気持ちよく夏を迎えましょう。

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梅雨の時期の「蒸し暑さ」は外邪という病気の原因になります

5月から、長いと7月にかけてが梅雨の時期にあたり、気温も湿度が高くなっていきます。この時期は、自然界の「湿」や「熱」が高まり、いわゆる「蒸し暑い」状態になります。

東洋医学において、こうした「蒸し暑さ」は「湿邪(しつじゃ)」、「暑邪(しょじゃ)」という外邪の一つであり、私たちの体に負担をかけます。

▶︎外邪など、東洋医学的における病気の原因をまとめた記事へ

多湿環境は「湿邪」によって、粘る・濁る・下す

梅雨の時期の多湿は、外邪の中でも「湿邪」と呼ばれ、下記の3つの特徴を持ちます。

  • 粘滞性(ねんたいせい)
  • 重濁性(じゅうだくせい)
  • 下注性(かちゅうせい)

梅雨の時期に起こる、体のむくみ、重だるさ、下痢などの症状は、こうした湿邪の性質が影響します。他にも、頭重感から来る頭痛や倦怠感、耳鳴りなど、いわゆる不定愁訴が目立ち、「梅雨の時期は体調が悪い」という人が多くいます。

夏に向かい「暑邪」も増して体の熱を高めてしまう

春から夏に向けての転換期でもある梅雨の時期は、気温も日々高まり、そうした外気温の高さは「暑邪」となって体を消耗させます。暑邪の特徴は下記の通りです。

  • 熱性の邪
  • 炎上性と開泄性(燃え上り、開かせる)
  • 気や津液を消耗
  • 湿邪を伴う

本来、暑邪が単体で起こる場合は、特徴である「開泄性」から汗が出ます。発汗しその汗が体温を下げてくれるため、結果的には良い方向に働くはずです。しかし梅雨の時期の場合、外気温に加え外湿度も高い(湿邪+暑邪)ため、うまく汗をかくことができません。

体の中に熱がこもりやすくなり、その熱は上部にあがる性質を持ちます。頭痛やめまい、耳鳴り、ほてりやのぼせが起こるのはそのためです。

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五臓六腑が協調し、梅雨の時期に対応する

梅雨の時期のように外湿度が高いと、体内の湿(水分)をうまく発散できません。湿をうまく発散できないと、熱も発散しにくくなります。

体から水分を排泄する仕組みとして、呼吸・尿や便・汗があります。これらが、外の気温や湿度に影響されて変化します。こうした水分代謝に関わる五臓六腑を確認していきましょう。

脾は飲食物から水分を抜き取る臓器

五臓の脾は飲食物の中から、水分を肺や腎に振り分ける働きを持ちます。そうして食事から得られる水分は、肺が呼吸・汗によって、腎が尿として代謝します。また消化の過程において、大腸で便から水分を再吸収する働きも、脾のサポートから成り立ちます。

脾はこうした働きがある一方で、余分な水分(湿)に弱い性質も持ちます。外湿度が高い梅雨の時期や、水分摂取の過多などで、体内の水分のバランスが崩れると、脾の働きも低下してしまいます。結果、水分代謝はより悪くなってしまいます。

むくみ、下痢、梅雨の時期のだるさなどは、五臓の脾が消耗して起こると考えられます。

▶︎東洋医学における五臓の脾の働きと養生についてまとめた記事へ

腎が尿をコントロールし、体内の水分代謝に関わる

五臓の腎は体内の水分を尿として排泄する働きを持ちます。

本来、梅雨の時期は外湿度が高く、汗や呼吸で水分が代謝する量は落ち気味です。そのため、尿の量や回数は増え、水分代謝を調整するはずです。梅雨の時期のトイレは我慢せずに行きましょう。

腎は生命力の源である精を貯蔵している臓器です。梅雨の時期に過労、性交渉の過多があると、腎を消耗してしまい、むくみや耳鳴りにつながります。

▶︎東洋医学における五臓の腎の働きと養生についてまとめた記事へ

肺は呼吸と汗で水分代謝を行う

肺と体内の水分、一見関係なさそうですが、東洋医学では密な関係があります。まず第一に、呼吸によって体内の水分は外へ排出されます。これは、東洋医学も西洋医学も同じです。

東洋医学では、飲食物から得る水分が脾から肺に送り込まれ、肺の働きによって全身に分配され、不要な分が皮膚から汗として出ていきます。

つまり肺の働きが低下していると、下記の水分代謝が全てうまくいかなくなります。

  • 水分の全身への分配
  • 皮膚から汗として排出する機能
  • 呼吸から水分を排出する機能

外湿度の高い梅雨の時期、ますます汗としての排泄は難しくなります。肺の働きを整え、上手に水分代謝できるような体を目指しましょう。

▶︎東洋医学における五臓の肺の働きと養生についてまとめた記事へ

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梅雨の時期の東洋医学的な養生・セルフケア

体内の余分な水分(湿)を解消するツボ

体のむくみや下痢など、余分な水分(湿)による症状が気になる時は刺激してみてください。症状が出る前に、予防として刺激しても問題ありません。

豊隆(ほうりゅう)

豊隆イメージ

すねの外側にあるツボで、膝のお皿の下と、外くるぶしのちょうど真ん中の高さにあります。すねの骨から、ちょっと外側にあります。

豊隆は体内の湿痰を除去する特効穴といわれるツボです。

陰陵泉(いんりょうせん)

陰陵泉イメージ

陰陵泉は、すねの骨の内側にあるツボです。すねの骨の内側沿いを、五臓の脾に関する経絡(ツボの線路)が走ります。その中でも、すね沿いの一番膝に近い高さの陰陵泉というツボは、湿に関するコントロールによく効くツボです。

陰陵泉は、ツボの特性としても、五臓の脾を回復する意味でも、梅雨の時期に重宝するツボと言えます。

梅雨こそ軽い運動で汗をかく

梅雨の長雨の中や、湿度の高い屋内で運動というと、億劫に感じる人が多いのは当然です。しかし梅雨の時期ほど、意識して運動して汗をかきましょう。

梅雨の時期にしっかりと汗をかき、汗腺を開いておくと、夏にうまく汗をかくことができます。反対に、梅雨の時期に汗をかかないと、夏に上手く汗をかけません。夏に汗をかけないと、体温調整がうまくいかず、熱中症のリスクも上がります。

夏に上手に汗をかけないと、夏の間に体内にこもった熱が体内を乾燥させ、秋の時期に風邪をひきやすくなります。また、体内の熱や感想は肌・皮膚の乾燥などにもつながります。

梅雨の時期を上手に過ごすことで、その先の季節ごとの悩みも解決できます。

梅雨の時期の食事の注意点

飲食物の消化に関わる五臓の脾を消耗しないよう、食生活に気をつけるのは大前提です。その上で、体内の水分(湿)に関わる食材についてまとめてみます。

水分を出す働きを持つ食材

体内の湿を減らす食材として、はとむぎ、あずき、大豆、そら豆、きゅうりなどがあります。

また、梅雨の時期から少しずつ夏野菜も手に入るようになります。夏野菜には体の熱を冷まし、余分な水分を出す働きを持つものが多くあります。しかし、同時に体を冷やす性質もあるため、食べ過ぎには注意が必要です。そうした夏野菜は、加熱するか、なるべく常温で食べるようにしましょう。

水分をためこむ働きを持つ食事

先述した通り、五臓の脾は湿が停滞すると働きが低下する臓器です。脾を消耗させる食事として、注意が必要なのが下記の数点です。

  • 暴飲暴食
  • 偏食
  • 味の濃いもの、甘いもの
  • 冷たいもの

脾胃に負担をかけすぎると、体内に余分な水分(湿痰)がたまりやすくなります。

梅雨の蒸し暑さでも、冷やしすぎない

梅雨の時期は、微妙な高温と多湿により不快感が高くなります。しかし、そこで薄着をしすぎたり、早めに冷房をいれてしまうと、体は感じるより強く冷えてしまいます。

五臓の脾は、冷えにも弱い特徴があります。冷えて脾の働きが低下すれば、やはりむくみにつながってしまいます。

 

おわりに

梅雨の時期は、五臓の脾・肺・腎の働きを低下させないように気をつけましょう。

生活習慣としては、下記の数点を注意して過ごすと、梅雨の時期だけでなく、その先にくる夏や秋も快適に過ごせます。

  • 適度な運動で汗をかく
  • 飲食に気をつける
  • 冷やさない

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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