【気象病や天気痛の基礎】気圧の高低と天気に負けない体質作りを目指す

予防・未病治

体調の良し悪しが天気に左右される人、多いと思います。最近ではこうした不調を、「気象病」とか「天気痛」と呼ぶようになったほど。

症状としては上に挙げた例の他、

  • 頭が重たくなる
  • 膝が痛む
  • めまいや耳鳴りが起こる
  • 古傷が痛む
  • ひどくむくむ
  • イライラする
  • 喘息がでる
  • アレルギーがでる

といったような不定愁訴に近い症状が多いです。

自然界に生きる身として、体調が天気に左右されるのはある程度仕方ありません。しかし、「なんでこんな辛い思いをしなきゃいけないの」と嘆かれる人が多い印象です。

こうした気圧と天気の仕組みと、それに合わせて体調はどう変化するのか、どんな対策があるのかをみていきましょう。

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高気圧・低気圧と天気の関係を簡単に復習

まずは気圧、天気がそれぞれどのように関係しあっているかを確認していきます。

気圧に押しつぶされる高気圧と、それが弱まる低気圧

画像のように、登山にポテチの袋を持っていき、山頂で食べようとしたら袋がパンパンに膨れていた経験がある人も多いのではないでしょうか。また、飛行機などで同じように袋菓子がパンパンになったという人もいるでしょう。

こうした現象が、やはり気圧を説明するのに1番簡単です。

  • 低気圧:気圧が低い=空気(大気)に押しつぶされる力が弱い
  • 高気圧:気圧が高い=空気(大気)に押しつぶされる力が強い

平地と山だと、高低差の分、下記のように気圧は異なります。

  • 平地 = 高気圧
  • 山 = 低気圧

平地で用意した袋菓子が、山を登っている間に高気圧から低気圧に変わり、次第に膨らみだす、ということになります。

海やプールで深く潜ると水圧が強くかかっていくのと同じで、空気にも圧力があります。

気圧の高低と天気の関係

天気図イメージ

天気図を見てみると、「高」や「低」の文字がかいてあります。これが気圧のことなので、天気は気圧に影響されると理解しやすいですね。

何となく関係あることはわかっていた、気圧と天気の関係。少し詳しくみていきましょう。

下降気流の起こる高気圧のエリア

高気圧では、空気が上から下に流れます。

高気圧になっているエリアの地表は、周囲との気圧差で風が吹き出し、それを補充するように上から下降気流が発生します。とめどなく気圧(大気)が流入しているイメージです。

上昇気流を生む低気圧のエリア

低気圧では、空気が下から上に流れます。低気圧のエリアは高気圧とは反対に、気圧差によって風が吹き込み、上昇気流を発生させます。

高気圧は晴れ寄り、低気圧は雨寄りになる

高気圧でも低気圧でも、周囲との気圧差が大きいほど、下降気流・上昇気流は強まります。

天気と気圧の関係をみると、

  1. 低気圧の場合、下から上に流れる上昇気流が発生。
  2. 海水などの水分を多く含んだ空気が上昇し、雲を形成。
  3. 上空で冷やされ、雨が降る。

まとめると、下記のような仕組みになります。

  • 雨が降る前日・当日は低気圧気味
  • 晴れている日は高気圧気味
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【気象病・天気痛】高気圧・低気圧と体調の良し悪しの関係

では、そうした気圧と体調の関係を考えましょう。

しゅん
しゅん

低気圧なら、空気におしつぶされる圧が低いはず…これって、体が軽くなりそうですよね?

低気圧になり、外からの圧が減るのは良いことのように感じます。しかし、普段僕たちの体は気圧におしつぶされないように、身体の中から押し返すように内圧を調整しています。

つまり、外圧(気圧)と内圧(体の中の圧)のバランスの変化が不調を呼んでいる、と言えます。

気圧の変化で関節腔の膨張・収縮が起こる

膝や肩など、関節と言われる構造は、関節包に包まれた関節腔を持ちます。関節腔の中は滑液という順滑液で満たされ、真空に近い状態です。普段から、大気に押しつぶされる気圧に対抗するように、関節腔はある程度の内圧を保っています。そのおかげで、関節のスムーズな動きが可能になります。

しかし、低気圧の時はこの関節腔の内圧が、相対的に高い状態になります。ちょうど、先ほどの画像のお菓子の袋のようにパンパンに膨れ上がった状態に近くなります。関節を内側から圧迫されていることになるので、曲げ伸ばしや荷重でさらに負荷がかかると痛く感じます。

気圧の高低は自律神経を通して全身に影響する

気圧が下がると外からの圧力が減り、身体の血管やリンパ管が広がり、血圧も下がります。弾力のあるゴムホース(血管)が、外気圧の低下によって弾力を失ったホースになったと考えてみましょう。

血を送る力は余計に必要になり、循環が悪くなり、血行不良による不調があらわれます。血流の勢いを借りて流れるリンパも滞るので、むくみのような症状にもつながります。

こうした循環器の働きは自律神経のコントロールのもと動いています。こうして気圧が変化して自律神経が乱れることで現れる不調は多岐に渡ります。

自律神経については、別途まとめたものがありますのでご参照ください。

内耳のリンパ液が気圧の変化で波立つ

飛行機が離陸すると耳が痛くなるのも、気圧の変化によって鼓膜の中(内耳)の圧が変化するからです。このように、耳は気圧の影響を強く受けます。

私たちの耳の中には内耳という構造があり、中にリンパ液が溜まっています。ここのリンパ液が気圧の変化で動いたり、波立つことで、不調があらわれることもあります。内耳には平衡感覚をつかさどる器官もあるため、めまいや耳鳴りなどの不調は内耳由来だと言えます。

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天気・気圧の高低に左右されない体質を目指す

地球上で生活している以上、気圧の影響を受けずに過ごすことは不可能です。気圧の変化とうまく付き合っていくために、ご自身で取り組めるセルフケアをいくつかご紹介します。

1日の生活リズムを整える「メシ。フロ。ネル。」

昭和のお父さんの口癖、というのは鍼灸師である若林理砂先生の本からの引用です。

  • 三食決まった時間にしっかりご飯を食べる
  • 毎日お風呂で温まる
  • 夜はなるべく早く寝る

栄養面からも、1日の生活リズムを作る面からも、やはり食事は大事。

しっかり起きてご飯を食べて、陽の光を浴びるとさらに脳が生活リズムを作ろうとします。逆に暗くなってきたら、お風呂でリラックスして寝ると質の良い睡眠がとれます。

当たり前のことですが、なかなか当たり前にできませんよね。

適度な運動で身も心もリフレッシュする

体にコリがあったり、思うように動かない部位があると、気圧の変化で自律神経が乱れた時にそれらの部位の不調を強く感じることがあります。

心と体は強く関係しあっているので、「ストレスを感じて肩がこる」ことも、「肩がこってストレスを感じる」こともあります。

ストレッチやウォーキングなど、日頃からなるべく体を動かす習慣をつけ、コリの少ない体を保ちましょう。

気圧の変化に合わせて酔い止め薬を飲む

低気圧による不調への対応を、名古屋大学医学部の佐藤純先生が紹介しています。佐藤先生は、「天気痛外来」を開設したことで有名な先生です。

気圧の上下の変化のタイミングで、酔い止め薬を服用する方法をおすすめしています。酔い止め薬は、「内耳に作用する」と書かれているものが良いようです。

薬剤師さんにたずねて探してみてください。

ツボ刺激は内関がオススメ

「内関(ないかん)」という経穴(ツボ)は、手首のシワから指三本分肘に向かったあたりにあるツボです。

  • 乗り物酔い
  • 精神疾患

などに有効なツボですが、自律神経を整える働きもあります。気圧の変化による不調にも有効です。

いざ不調が現れた! という時には、ボールペンの頭の方でも、爪楊枝の尖っていない方でも、何もなければ指でも大丈夫です。グーっと押し込んで刺激してみてください。

まとめ

地上で生きている以上、避けられない気圧や天気。上手に付き合えば、悪影響ばかりではありません。

大切なのは、日々の生活のちょっとした改善と、気圧の変化で「ダメだー」という日は、思い切って諦めちゃう心も、時には大切です。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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