今回は、【帯脈(たいみゃく)】というツボについて、場所や、刺激することで期待できる効果などをまとめていきます。
帯脈はわき腹にあり、腰痛や腹痛などの腹部周りに効果的なツボです。特に腰を左右に倒したり、捻るように回旋させる筋肉を刺激することもできるため、複雑な動きを必要とされるアスリートにもオススメのツボです。またそのさらに奥深くにある、コルセットの働きをする筋肉を刺激することもできるので、アスリートじゃなくてもオススメです。
ぎっくり腰などのひどい腰痛時には、圧痛(押す痛み)も強く出ます。しかし、帯脈のツボのあたりが緩むと、腰の痛みも和らぐことが多くあります。慢性的な腰痛のセルフケアにも効果的なツボなので、試してみてください。
目次
帯脈(たいみゃく)の位置と所属経絡
帯脈というツボの位置や、所属する経絡について確認していきます。
帯脈の位置
側腹部、第11肋骨端下方、臍中央と同じ高さ。
帯脈はわき腹にあるツボです。おへそから両わきに手をスライドしていき、真横に到達したところが帯脈のツボです。
帯脈の所属経絡と特徴
帯脈は足の少陽胆経に所属するツボです。足の少陽胆経は目の外側から始まり、耳や側頭部を往復するように巡り、体の側面を伸びて足の小指に終わる経絡です。
- 奇経(きけい)の一穴
帯脈は胆経のツボであると同時に、「帯脈(たいみゃく)」という経絡のツボの一つでもあります。
- 章門(しょうもん)
- 帯脈
- 五枢(ごすう)
- 維道(いどう)
ややこしくなりますが、章門から始まり、腹部をぐるっと回って反対側の章門に終わる経絡を「帯脈」と言います。上記4つのツボは、それぞれ所属する経絡を持ちます。しかしその他に、「奇経である帯脈」にも所属するツボです。
帯脈のツボの治療効果まとめ
帯脈を刺激することで期待できる効果についてご紹介します。帯脈はわき腹のツボなので、自分で押圧するのも、温灸をするのも可能です。
押してみてくすぐったい感じがする場合は、温灸にしましょう。
腰痛に効果的
帯脈は腰痛を改善する特効穴です。ぎっくり腰などの急性なものから、慢性的な重い腰痛まで幅広く効果を発揮します。
帯脈のツボは、体を支える腹筋群である外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋を刺激することができます。特に腹横筋はお腹周りを囲むコルセットのような働きをする筋肉です。帯脈のツボを刺激し、これらの筋肉の働きを整えることで、腰痛が改善します。
腹部の冷えに
特に温灸による効果ですが、腹部・下腹部の冷え症状に帯脈を温めると効果的です。
帯脈はお腹をぐるっと周る奇経帯脈を構成するツボの1つです。帯脈への温熱刺激は、同様に腹部をぐるっと辿るように温めてくれます。
冷えによる腹痛や下痢、女性の月経トラブルに重宝するツボです。
帯脈とあわせて刺激したいツボ
帯脈とあわせて刺激することで、より治療効果が高まるツボをご紹介します。
腰痛点(ようつうてん)
手背、第2・第3および第4・第5中手骨底間の陥凹部の2点に取る。
腰痛点は手の甲、示指と中指の付け根、薬指と小指の付け根の2点に取るツボです。
- 腰痛のための奇穴
腰痛点は正経(経絡として認められているもの)には含まれないツボです。腰痛点のように所属する経絡がなく、それでも固有の疾病を治療することができるツボを「奇穴(きけつ)」と言います。
正経に属するツボは、治療をする際に下記のような流れが一般的です。
- 正経のツボ刺激
- ツボが所属する臓腑が反応
- 治癒反応
一方、奇穴においては臓腑に働きかけるものもありますが、より直接的に治癒反応を起こすイメージがあります。
- 奇穴のツボ刺激
- 治癒反応
まさに、「症状を治すためのツボ」だと言えます。経絡や臓腑を通じて治療する帯脈のツボと、腰の治療のための経験穴である腰痛点のツボを組み合わせることで、効果をより高めることができます。
おわりに
今回は帯脈というツボについてまとめてみました。両方のわき腹にある帯脈のツボは、腰痛改善の特効穴です。
あわせて、同名の帯脈という奇経についてもご紹介しました。帯脈という奇経が、まさにコルセットのように胴体を周るツボで構成されています。ややこしくなりますが、帯脈のツボも奇経帯脈の1つです。
冷えや過労による腰痛改善の手助けに、帯脈を覚えておいてください。
鍼灸指圧治療院あたしんち
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