東洋医学における、ストレスが五臓の肝を傷め気滞につながる流れを確認

ストレスイメージ 予防・未病治

 

いつ頃からか、「ストレス」という言葉が定着し、嫌なことがあると何でもストレスだと言うようになりました。しかし、もはや今はストレスで人が亡くなったり、事故が起こるとんでもない時代になりました。

学校や仕事、人間関係など、気付けば周りはストレスだらけ。心が休まる場所、時間もなく、どんどん疲弊してしまう、そんな時代になってしまいました。

NHKでは「キラーストレス」と名打って、ストレスと脳や血流の関係を題材にいかにストレスが体に悪いかを紹介していました。

今回は、そんなストレスによって起こる症状を、東洋医学ではどう診るのか、まとめていきましょう。

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ストレスが原因で起こる症状を東洋医学的に分類

ストレスで起こる症状を、グループ分けしてまとめてみました。気鬱・熱・滞りの3つの代表症状から、それぞれ細かい症状に分岐していくイメージです。

気鬱(きうつ)症状

ストレスによって、気持ちがふさいでしまうよう状態です。

  • うつ
  • 気がふさぐ
  • 落ち込みやすい

熱症状

血がのぼる、逆上すると言うように、ストレスが熱を生み、上昇・爆発するような状態です。

  • 不眠など睡眠障害
  • 胃の痛みやムカつき
  • 食欲の過剰(どか食い)
  • イライラ、怒りっぽい

滞り症状

体の気血の巡りが悪くなり、循環や代謝が停滞した状態です。

  • 体が凝りやすい
  • 食欲不振
  • 便秘、下痢
  • 生理のトラブル

ストレスによる症状と肝・気滞の関係

ここからは、先述した症状と、

  • 五臓の肝の調子
  • 「気滞(きたい)」という状態

それぞれとの関係を確認していきます。

ストレスは五臓の肝を傷める

東洋医学では、「五志」という五臓に対応する感情があり、肝に対応する感情は「怒」です。ストレスを感じたり、何かにイライラしたりすると、肝に負担がかかり、調子が悪くなってしまいます。

肝は全身の気の巡りをつかさどる「疏泄(そせつ)」という働きと、血をたくわえておく「蔵血(ぞうけつ)」という働きを持ちます。

ストレスがたまり、肝にダメージが蓄積していくと、こうした疏説や蔵血の働きも低下します。気や血に関わる働きなだけに、全身に出る影響は大きくなります。

また、肝は熱を生み出す性質もあります。肝の生む熱は、過剰になれば上にあがり爆発するような症状を呈します。

  • 逆上するようなイライラ
  • 目の充血、眼精疲労
  • 筋肉のこわばり

どれも、肝が疲れてきているサインです。ストレスにやられる前に、早めの対策を練りましょう。

ストレスは気の滞り(気滞)を産む

五臓の肝の働きが低下し、気の巡りが悪くなり停滞すると「気滞(きたい)」という状態になります。

気滞の特徴としては、下記の項目があります。

  • 脹痛、膨満感がある
  • のどのつまり(梅核気)
  • 情緒が不安定
  • 感情の変化で悪化する

上記の症状の他にも、げっぷやおならをするとすっきりする感じがあったり、イライラが継続したり、そんな状態が気滞の特徴です。

ストレスを感じ、モヤモヤした気持ちになっている時、気が滞る気滞の状態に陥っています。

こんな症状も、ベースには肝の不調と気滞が

肝の不調や気滞によって起こりうる、一般的な病名・症状名を羅列します。

  • 循環器の不調:高血圧、不整脈など。
  • 呼吸器の不調:喘息、息が吸いづらい。
  • 消化器の不調:過敏性腸症候群、逆流性食道炎、食滞など。
  • 神経系の不調:睡眠障害、頭痛など。
  • 皮膚の不調:アトピー性皮膚炎、多汗症、蕁麻疹など。
  • 耳鼻科の不調:耳鳴り、鼻閉など。
  • 眼科の不調:眼精疲労、かすみ目、ドライアイなど。
  • 婦人科の不調:更年期障害、月経異常など。

こうしてみても、肝の不調と気滞症状によって、多くの不調が引き起こされることがわかります。

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肝・気滞を改善し、ストレスを解消する

肝の養生の基本と気滞の改善

気滞の症状は、肝の働きが低下し、疏泄がうまくいかなくなることで起こります。そのため、治療では、出ている気滞の症状だけでなく、五臓の肝の治療も不可欠です。

  • 肝の働きを取り戻す。
  • 気滞の症状を改善する。

ストレスによって肝が病む時の多くは、

「ストレス→肝が病む→ストレス耐性低下→ストレスを過剰に感じる→肝が病む」と言ったように、悪循環が生まれている場合が多いです。

大元にある肝の働きを取り戻すことが、何より大切です。

肝の働きを取り戻すには、

  • 酸味をとる
  • 香りを楽しむ
  • 夜更かしを避ける
  • 過度な飲酒を避ける

などが挙げられます。それぞれの詳細は別途まとめたページをご覧ください。

肝と気滞を改善する経穴(ツボ)

五臓の肝の治療や、気滞を改善するツボをまとめた記事をご参照ください。ツボを簡単に紹介すると、下記の通りです。

  • 太衝(たいしょう):肝の働きを取り戻し気滞を改善。
  • 行間(こうかん):肝の熱をとる。
  • 内関(ないかん):自律神経を整え肝を助ける。

 

 

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おわりに

ストレスに対する体の反応には段階があります。

  • 警告反応期:「ストレスだ!」 と体が反応し、交感神経を高め、緊張が増す時期。
  • 抵抗期:ストレスと戦い、抵抗している時期。緊張感マックス。
  • 疲憊期:ストレスの強さや長さに負け、体が弱まっている時期。

あまりにストレスを感じすぎると、体はそのストレスを認知しないように働くこともあります。いわゆる、感覚を麻痺させている状態です。それでも、ストレスは確実に体を蝕んでいます。

大切なのは、

  • ストレスを避ける。まずはストレスになりそうかものに近づかない、頑張って向き合わない。
  • ストレスを抱えない。嫌だな、と思うことは、なるべく手放す、離れる。
  • ストレスを溜めない。ストレスを感じることがあってモヤモヤしたら、とにかく発散する。
  • ストレスと戦わない。人生に関わるほどのストレスなんて、本来あり得ないはず。

笑顔でいられれば長寿になるとも言われる時代に、ストレスと向き合って身を削る必要ありません。楽しいこと、嬉しいことが、たくさん起こりますように。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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