東洋医学における五臓の脾の働き「運化」「昇清」「統血」についてまとめ

脾の働きのイメージ 五臓六腑

この記事では、東洋医学における五臓の脾の働きについてまとめます。

五臓の脾には、「運化」「昇清」「統血」の3つがあります。簡単にまとめると、運化は消化、吸収、全身への運搬などの働きを指します。昇清は臓器の位置を保ったり、栄養や気・血を上に送る働きです。統血は血が漏れないようにする働きを指します。

また、そうした働きをあわせ、脾は飲食物から「後天の精」という生命力の源を作り出す大切な臓器です。正しく食べ、消化が行われ、栄養が行き渡り、不要物が排出される、その一連の流れに、脾の働きが関わります。

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東洋医学における五臓の脾の働き

運化(うんか)の働き

脾の働き運化イメージ

五臓の脾は主に飲食物の消化・吸収を担い、そこから得る栄養や水分、不要物を各器官に運搬しています。この一連の働きを、「運化」と言います。具体的には、食べ物を胃から小腸、大腸に送り、そして排泄するまでの消化活動と、そこから水分を抜き取り、肺や腎に送り届ける働きを指します。

運化の働きの低下は消化不良や浮腫(むくみ)につながる

脾の働きが低下し、運化の働きがうまくいかないと、飲食物の消化・吸収がうまく行えなくなります。食欲不振や消化不良など、消化器に起こる不調につながります。また、水分を肺や腎に送り届けることができないと、余分な水分は下痢や浮腫(むくみ)の原因となってしまいます。

体内に蓄積された余分な水分を、東洋医学では「湿・痰(しつ・たん)」と呼びます。

東洋医学において、体内の水分に関わる臓は脾・肺・腎の3つがあります。

  • 脾:運化による水分運搬。
  • 肺:昇清や粛降による水分の発散、運搬。
  • 腎:主水によって水分を尿として排泄。

昇清(しょうせい)の働き

脾の働き昇清イメージ

脾の働きの昇清は、物質を上にあげる機能を指します。臓器の位置を保ったり、栄養や気・血・水を上に上げる働きです。

胃下垂のような内臓下垂症状や脱肛のように、臓器の位置を正常に保てないような物理的な症状も、脾の昇清の働きが低下して起こります。また、食後に強い眠気がある人も、脾の昇清の働きが低下しています。これは、飲食物の消化に気や血をとられ、頭に気・血をあげる(昇清する)力がなくなるからです。

統血(とうけつ)の働き

脾の働き統血イメージ

血が漏れないようにする働きを脾の統血の働きといいます。統血の働きによって、私たちの血は血管から漏れずに必要なところに届き、各器官を栄養しています。

少しぶつけただけで内出血になってしまう方は、脾の統血の働きが弱っています。また、血尿や血便、女性の月経時の血量の変化にも、脾の統血の働きは関わります。

血を貯めておき、どこに、どれだけ届けるか分配量を決めるのは肝です。また、実際に血を送り出すのは心の働きです。東洋医学では、血に関して肝・心・脾の3つの臓器が関わります。

  • 肝:血を貯めておき、分配量を決める。
  • 心:物理的に血を送り出す。
  • 脾:血を漏らさないようにする。
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おわりに

今回は、東洋医学における五臓の脾の働きについてまとめました。脾には運化・昇清・統血の働きがあり、それぞれの働きによって飲食物を消化・吸収し、気・血・水を体の各所に届けています。

私たちの体は、日々飲食しているもので出来上がります。食べるもの、飲むものが体に良いものであることも重要ですが、それをしっかりと消化・吸収できる体でいることも大切です。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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