【少沢】母乳の出が悪い時に刺激したい経験的な経穴(ツボ)の紹介

少沢ツボ 経穴(ツボ)

今回は、【少沢(しょうたく)】というツボについて、場所や、刺激することで期待できる効果などをまとめていきます。

少沢は乳児を育てているお母さんに知っていただきたい、母乳の出を良くするツボだと言われます。経験的に効果が判明してきたであろう少沢が、どのような機序で母乳分泌につながるかもあわせて考えてみます。

我が家も経験しましたが、母乳の出はその後の育児に関わる大きな問題です。少しでも母子にかかる負担が減ることを願いつつ、まとめていきます。

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少沢(しょうたく)の位置と所属経絡

少沢というツボの位置や所属する経絡をみていきましょう。

少沢の位置

小指、末節骨尺側、爪甲角の近位内方1分(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線との交点。

新版経絡経穴概論

少沢は手の小指の爪の付け根、脇にあるツボです。「内方」1分というと、爪の親指側だと思いがちですが、小指の爪の付け根の、小指側の脇に少沢はあります。

少沢の所属経絡と特徴

少沢は手の太陽小腸経に所属するツボです。小腸経は小指の先にある少沢から始まり、肩甲骨をめぐるように通り、耳の横に終わる経絡です。

  • 小腸経の井穴

まず少沢には、小腸経の井穴(せいきんけつ)というツボとしての特徴があります。

四肢(手足)の末端にある井穴は、救急症状や解熱などに用いられることが多いツボです。少沢の場合、頭痛や発熱、のどの痛み・失神などに効果があると言われています。

  • 経験的なツボの効果

少沢には「開竅利乳」と言い、乳腺を開き、母乳の出を良くする働きがあります。

「少沢が母乳分泌に良い」というのは、学生の頃の講義レベルからも知ることができていましたが、調べてみても古典の表記が少ないようです。夏桂成先生の『实用中医妇科学 』という本にて、少沢に触れているようですが…調べてもうまく見つけることができませんでした。

経験的に母乳分泌に良い結果が出ることが多く、特効穴として周知されたのかもしれません。

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少沢の治療効果

少沢には、母乳の出を良くする効果があります。その効果の理由や、機序について考えてみます。

少沢は小指の先端にあるツボなので、悩めるお母さんでも小指をクリクリ…と揉み込むだけで簡単かな、と考えてまとめています。お灸とかするの、大変ですもんね。

母乳分泌に

まずはおさらいですが、母乳はお母さんの血液をもとに生成されています。

そのため、お母さんの全身の衰弱、栄養障害、ストレスによって母乳の生成がうまくいかない場合が1つ考えられます。

またもう1つ、お母さんの肩・胸周りの強い緊張によって、母乳の生成や分泌が悪くなっている場合があります。

  • お母さんの栄養を補う

小腸経のツボである少沢を刺激することで、六腑の1つである小腸の働きを整えることができます。

小腸は胃が消化したものを、栄養と不要物に分け、吸収する働きがあります。そして、吸収した栄養を脾が運び、不要物は大腸や膀胱に送られます。小腸のこうした働きを、「清濁の泌別(ひつべつ)」と言います。

小腸の働きが整うと、清濁の泌別もよりスムーズに行うことができます。少沢の刺激は、産後、何をするにも気血が足りないお母さんの体を栄養する、良いサポートになるのかもしれません。

  • 肩周りの緊張をほぐす

小腸経の経絡は手先から肩甲骨を巡るように伸びています。少沢への刺激は、経絡を通じて肩周りの緊張をほぐすことが考えられます。

またツボの特性上、井穴である少沢は経絡上の熱や炎症をとり去る働きがあります。乳腺のつまりや炎症を解消する効果も期待できます。

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少沢とあわせて刺激したいツボ

母乳の出を良くする少沢と、あわせて刺激をすると効果的なツボをまとめます。

膏肓(こうこう)

上背部、第4胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

新版経絡経穴概論

膏肓は背中にあるツボです。肩甲骨の内側(背骨寄り)にあるので、自分で刺激するのは難しいですが、治療効果の高いツボです。

  • 心包の背部兪穴

膏肓は足の太陽膀胱経に属するツボです。ツボの特徴としては、心包の背部兪穴である点が挙げられます。

兪穴は臓の状態が現れ、治療にも適したツボです。五臓六腑がそれぞれの兪穴を持ちます

東洋医学でいう心包は、五臓の心をまとうように存在する、実態のない臓器として扱われています。働きとしては、心と似ている部分が多く、メンタルの状態や精神活動、意識のサポートをしています。

  • 肩のこりに

膏肓のツボは肩甲骨の内側にあり、肩のこりに常用するツボです。

また、手の指に起こるバネ指や腱鞘炎などを、膏肓に刺激を入れて治療することもあります。それほど、手先から肩にかけてのこりに効果的なツボです。

 

おわりに

今回は母乳の分泌を助ける少沢というツボについてまとめました。妊娠・出産・育児と、体の全エネルギーを使って赤ちゃんを支えるお母さんの体は疲れきって当たり前。母乳はそんなお母さんが、自分の血を元に作り出す赤ちゃんのための栄養です。

どうかお母さんは、母乳の出が悪くても自分を責めないでください。体が疲れていれば、出るものも出ません。胸が張れば、助産師さんなど専門のマッサージに頼りましょう。寄り添うご主人は、手が空く時に奥様の肩や腕をマッサージしてあげてください。少沢のツボは、その時にあわせてそっと、握りこむように。

 

大丈夫、大丈夫。

鍼灸指圧治療院あたしんち

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