【芍薬甘草湯】足がつる・こむら返りの漢方の特徴や注意点まとめ

芍薬甘草湯の詳細 東洋医学

「足がつった」

そんな時、皆さんどうしていますか?

患者さんから、ドラッグストアで買った漢方【芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)】を飲んだと聞き、気になったのでまとめてみました。

長期的に服用することで、ゆっくりと体質を改善していくのが漢方のイメージだと思います。しかし芍薬甘草湯のように、その場その時の症状に対して有効な漢方もあります。

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足のつりに【芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)】

「芍薬甘草湯」は、急激に起こる筋肉のけいれんをともなう痛みに対してよく用いられ、こむら返りの薬として知られていまます。急性の腰痛・腹痛などにも使われます。

漢方のツムラ

漢方というと、体質改善を目的として、一定期間飲み続けることで効果を得るものだというイメージがあると思います。私自身もそう考えていました。

しかしこの芍薬甘草湯に関しては、中国の古典『傷寒論(しょうかんろん)』にも、即効性があると記載されています。芍薬甘草湯の服用により、効果発現時間で平均6分と言われています。

ツムラのホームページによると、他にも内臓の筋肉のけいれんにともなう痛みにも広く用いられるようです。

  • 胃痛
  • 胆石・尿路結石の疝痛
  • 月経痛
  • 肝硬変の人や腎不全で透析中の人などの筋けいれん

この辺りについては、漢方薬医さんや薬剤師さんに相談して服用しましょう。

横紋筋(骨格筋)にも平滑筋にも有効?

「ふくらはぎや足の裏がつった」時の「つった」筋肉は、関節構造を動かすための【横紋筋(骨格筋)】です。一方、その他で有効とされている「内臓の筋肉のけいれんに伴う痛み」の筋肉は、【平滑筋】と言います。

芍薬甘草湯は横紋筋・平滑筋のどちらの筋繊維にも有効だ、ということになります。

町田市医師会によると、

西洋薬理学の筋弛緩剤(ミオナールなど)や抗コリン剤(ブスコパンなど)とは、全く違った範疇になります。その効果は、横紋筋(骨格筋など)に限らず、平滑筋(消化器、泌尿器などの壁と血管壁の筋肉)いずれにも有効である(以下略)

町田市医師会

しゃっくりも、横隔膜のけいれんなので、芍薬甘草湯で寛解するようです。横隔膜も筋構造ですからね。

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芍薬甘草湯の成分

芍薬甘草湯は、芍薬と甘草の2つのみからなるシンプルな漢方です。

芍薬(しゃくやく)

配合生薬の芍薬は、補血虚の働きがあります。その他の特徴をまとめると、下記の通りです。

  • 寒熱:涼
  • 五味:苦
  • 帰経:肝

肝の機能を高め、血を滋養する働きがあります。また、高まる肝の気や肝の火(熱)を鎮める効果もあります。

甘草(かんぞう)

配合生薬の甘草は、補気虚の働きがあります。その他の特徴をまとめると、下記の通りです。

  • 寒熱:平
  • 五味:甘
  • 帰経:脾胃、肺

五味である甘味は脾胃を養い、緊張を緩和したり、ほぐしたりする働きがあります。また、エネルギーを補充する強壮薬です。五臓六腑、寒熱、邪気を治療するバランスのとれた甘い味の生薬と言われます。

成分から考える「筋のつり」に効く理由

ここからは、芍薬と甘草の持つ特性から、「五臓・体にどのような影響を与え、症状を改善するか」をみていきます。

  • 筋をつかさどる肝、肌肉をつさどる脾を栄養

「足がつる」などの急激な筋肉の収縮・けいれんには、筋をつかさどる肝と肌肉をつかさどる脾が関わります。

芍薬甘草湯は五臓の肝と脾に働きかけることで、2つの臓がコントロールする筋肉を緩めることができます。

  • 肝の気を鎮め、気血・熱を落ち着かせる

芍薬の働きにより、高まっている肝の気を鎮めることができます。芍薬には肝機能障害を改善する働きもあるようです。

肝気の高まりは気血の上昇と熱を生み出します。気血の上昇と熱は風を生み、それがふるえやけいれんとなり、筋肉の不随意な収縮を起こします(「肝陽化風」と言います)。

芍薬甘草湯にはそうした肝気や熱をさます働きがあります。

  • 血を滋養し、筋肉をうるおす

芍薬にも甘草にも、血を滋養する働きがあります。芍薬の作用する肝は血を貯蔵する働きをつかさどります。甘草が作用する脾は、飲食物から血を作り、血を血管から漏らさないようにする働きがあります。

芍薬甘草湯は血に関わる臓器に働きかけることで、筋肉を栄養している血を滋養します。

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芍薬甘草湯の副作用

漢方は生薬由来で体に良いと思いがちですが、当然副作用もあります。

偽アルドステロン症

芍薬甘草湯に配合されている甘草には、グリチルリチン酸が多く含まれています。グリチルリチン酸の副作用として、偽アルドステロン症があります。

グリチルリチン酸により低カリウム血症を来たし、偽アルドステロン症やミオパチーを起こす副作用があります。

偽アルドステロン症の症状として、顔や手足のむくみ、体重増加、脱力感、嘔気などがあります。
ミオパチーとは、筋肉の萎縮による筋力低下症状です。
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漢方の飲み方

今はドラッグストアなどで、簡単に漢方が手に入るようになりました。そのため、「漢方は体に良い」、「副作用が少ない」と言って服用している人が多い印象ですが、大切なのは日々の生活習慣です。


日々の生活を正しく送った上で、それでも残る症状に対して漢方を用いるのが、理想の姿です。


漢方医さんの意見は、とてもためになるものばかりです。筋肉や関節の問題も同じです。生活、問題、問題解決、予防…その繰り返しです。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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