【立腰】肩甲骨を立たせる立甲だけじゃなく、腰も立たせて体の機能を高めよう

骨盤のイメージ 肩・上肢

以前、肩甲骨を立たせる「立甲(りっこう)」が、一般生活での動きやアスリートの競技中の動きをより向上させるという記事をまとめました。

今回はそれにあわせて、腰を立たせると書く「立腰(りつよう)」についてまとめてみます。立腰を意識することで、慢性的な腰痛や姿勢の崩れが改善されます。また、立甲と同じくらいアスリートのパフォーマンスにも影響してきます。

僕の感覚ですが、美しい良い姿勢は、無駄な力の入らない良い動きを生みます。立腰を意識することで、座り姿や立ち姿も綺麗になり、所作も美しくなります。

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【立腰】とは骨盤を後傾させないこと

立腰に関する定義や、大まかな考え方、メリットなどをまとめていきます。既にご存知の人は次項に移ってください。

立腰の定義の確認

「立腰」と書いて、「タテゴシ」や「リツヨウ」と読みます。読んで字のごとく、腰を立てることですが、この腰とは、骨盤だと考えるとイメージしやすいと思います。

骨盤の前傾と後傾と背骨

立腰において、骨盤はやや前傾した状態になります。

背骨はS字に湾曲して、骨盤の一部である仙骨に移行します。その際、背骨のS字を保とうとすると、骨盤は前傾しなければなりません。反対に、背中が丸まるように姿勢が崩れてしまうと、骨盤は倒れて後傾してしまいます。これでは、立腰にはなりません。

  • ソファや座椅子に座る。
  • 椅子に浅く腰掛けて背もたれに寄りかかる。

上記の姿勢では、骨盤が倒れて(後傾して)しまい、背中が丸まってしまいます。

骨盤を立てて立腰することは、腰より上の姿勢にも関わることがわかります。

骨盤を前傾させすぎても良くない

では骨盤を前傾すれば良いかというと、単純にそう言い切れるわけではありません。

骨盤の前傾もいきすぎれば、「反り腰(そりごし)」となり、体への負担は大きくなります。

このことから、立腰とは「座位・立位ともに、体を支えた時に体重が下に真っ直ぐ伝わる位置」だと考えられます。

反り腰では背骨のS字の湾曲が強まる傾向にあります。すると、S字のカーブの部分への負荷が高まり、それを支える筋肉にも負担がかかります。骨盤後傾でも、あわせて丸まってしまう背骨のうちの、最もカーブが強いあたりへの負荷が高まります。

「立腰=骨盤前傾」と捉え、反り腰になってしまう人が多くいます。大切なのは、腰を立ててまっすぐ体重を下に伝えることです。

立腰のメリット

立腰のメリットは、調べれば色々とでてきます。「立腰教育」というものがあるくらいで、教育の現場にも取り入れられています。

  • 姿勢が良くなる(ストレートネック、猫背、ぽっこりお腹などの解消)。
  • 内臓の位置が適正になるため、消化・吸収効率が上がる。
  • 集中力の向上。

基本的に、反り腰にならなければ悪いことはあまりないと考えられます。

立甲の記事でも触れましたが、「無駄な筋緊張がなく脱力した状態」のために、立腰をオススメしています。そのため、関節構造に負荷が少なく、疲れにくい特徴があります。

また、競技に挑むアスリートにおいても、無駄な筋緊張がない状態からの動きが可能になります。怪我の予防やパフォーマンスの向上には、必要不可欠です。

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立腰の方法

立腰の状態を獲得する方法をご紹介します。

「腰を立てて座る・立つ」と、言葉にすると簡単そうですが、「ではどの状態がそうなのか」という点が曖昧です。立甲のように肩甲骨が浮かび上がるとわかりやすいのですが、立腰にそうした指標はありません。「骨盤の角度が○○度に」というものもありません。ここでは、立腰する際に意識してほしい注意点などを中心にまとめてみます。

骨盤の過前傾・腰椎の過前弯に注意

先ほども少し触れましたが、「立腰 = 骨盤前傾」ではありません。

人それぞれ、骨盤を立たせた時の収まりの良い角度があります。大切なのは、「無駄な筋緊張なく脱力できているか」の感覚を得ることです。

腰から上の重みが、まっすぐ下に落ちてきているかを探してみてください。注意してみると、収まりの良い腰の角度が毎日違うこともあります。その日、その時のベストな「収まりの良いところ」を見つける意識をもってみてください。

坐骨で座る感覚を獲得する

特に座る場合は、お尻を床につく接地面に「坐骨」を意識してみてください。坐骨は骨盤の一部で、お尻と太ももの境目のあたりにあります。

坐骨に上半身の重みを乗せる感覚で座れると、立腰できています。反対に、背もたれに寄りかかるような崩れた姿勢をとると、坐骨ではなく仙骨のあたりが接地面になります。これでは、背中が丸まってしまい姿勢が崩れてしまいます。

「垂直感」と「脱力感」

立甲の記事でも触れましたが、体を動かしたり、姿勢を整える時には「真っ直ぐ重みを伝えられているか(垂直感)」と、「無駄な力みがないか(脱力感)」が大切です。

特に座位では、立腰できていると体重が坐骨にしっかりと乗る感覚があります。背もたれによりかかるように座っている時も脱力しているように感じますが、その場合は垂直を保てていません。体の重みと、接地面からの反力を一致させることで、「無駄な力みなく立つ・座る」ことが可能になります。

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立腰と立甲はワンセット

一度、腰を立てずにダラっと座ってみてください。

背中が丸まり、肩甲骨も脇に開いてしまいませんか? これでは、肩甲骨を立たせる立甲も難しくなります。このように、立甲と立腰はワンセットで、姿勢を美しく仕上げます。

「骨盤と肩甲骨は連動している」

これはスポーツトレーナーなど、競技中の動きの向上を目指す上では有名な話です。

骨盤と肩甲骨は骨のレベルでは脊椎(背骨)を介して連動しています。また、筋肉のレベルでは、広背筋という背中の大きな筋肉が肩甲骨と骨盤に付着します。

スポーツなどで大きな力を発揮する時、手先や足先の筋力だけで行おうとすると負荷が高すぎ、思ったような結果が出なかったり、負傷につながったりします。力を発揮する大元は体幹部で、手先や足先の細かい筋肉が動くのは最後の微調整くらいが理想的です。

立甲・立腰により、肩甲骨や股関節(骨盤と大腿骨の関節)の自由度は高くなります。そして肩甲骨と骨盤が連動して動くことで、体幹部で大きなうねりを生み、そのうねりを手先・足先に伝えることで大きな力を発揮します。スポーツ選手が体幹トレーニングなどを重視するのも、「無駄な力みなく、最大出力」を獲得するためだと考えられます。そのベースに、立甲や立腰はあります。

四つ這い・ハイハイで連動の意識を高めることも

こうした立甲・立腰を獲得するため、四つ這いをトレーニングに組み込むことが多くあります。手足を垂直について脱力をすると、ついた手の重みは肩甲骨に抜け、足の重みは骨盤の方に抜けてきます。すると、肩甲骨・骨盤の角度に合わせて、背骨が綺麗なS字を描くようになります。

ハイハイと立甲や骨盤前傾の関係について、動画もあわせてわかりやすく紹介している「ナチュラリゼーション」創始者の松本淳(まつじゅん)先生です。異次元の動きをみせていますが、数年単位で行うことで徐々に立甲・立腰を獲得できるようです。

僕も先生のブログなどを参考に修行中なので…自分の映像ではなく、先生の映像を紹介させていただくことにしました。すごい。

 

おわりに

肩甲骨を立たせる「立甲」が注目され始めましたが、腰を立たせる「立腰」も昔から重視され、教育現場では「立腰教育」として取り入れられてきました。

立甲を獲得すると肩甲骨が浮き出し、見た目にも効果的な印象ですが、立腰はそうした特徴がありません。しかし、立腰によって骨盤の角度を正すことで、上半身・下半身の位置取りが決まり、姿勢が美しくなります。そうした見た目の美しさは、動きの美しさとも直結しています。アスリートの立ち振る舞いや、モデルさんの歩き方などに注目してみると、綺麗に動ける人の姿勢の良さに気づくことが多くあります。

立甲も立腰も、アスリートだけでなく一般レベルの生活でも必要な体の扱い方です。慢性的な肩こりや腰痛は、姿勢の崩れからくる無理な動きの連続によって起こります。デスクワークなどで座位時間が長いとなおさら、立腰の重要性が高まります。

その日、その時の骨盤の角度、肩甲骨の位置を探し、収まりの良いところにもっていきましょう。大切なのは、自分の体を観察し、理想のイメージに近づけることです。すっと伸びる姿勢の土台に、立腰を意識してみてください。

 

大丈夫、大丈夫。

鍼灸指圧治療院あたしんち

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