東洋医学における五臓の肺の働き「呼吸」「宣発」「粛降」についてまとめる

肺の働きイメージ 五臓六腑

この記事では、東洋医学における五臓の肺の働きについてまとめます。

五臓の肺の働きには、「呼吸」「宣発(せんぱつ)」「粛降(しゅくこう)」の3つがあります。呼吸については、一般的な肺の機能と同じです。東洋医学の肺に独特な宣発は、体内の気や津液(水分)を外に発散する働きです。また、粛降は反対に、気や津液を内に、下に降ろす働きを指します。呼吸の他にも働きがあるだけでなく、呼吸によって得る「気」を取り込むための重要な働きです。

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東洋医学における五臓の肺の働き

呼吸の働き

一般的な肺のイメージと同様、東洋医学における五臓の肺にも、呼吸の働きがあります。また、器官としても、私たちの胸の中にある肺という臓器だけでなく、鼻や気管、気管支などの構造・働きも肺の一部です。

また、五臓の肺は、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する働きだけではありません。東洋医学における呼吸とは、大気中の新鮮な気(清気)を吸い込み、体内から汚れた気(濁気)を出すことを言います。酸素や二酸化炭素だけでなく、あらゆる良いもの、悪いものの、外気とのやり取りを指しています。

宣発(せんぱつ)の働き

五臓の肺の「宣発」とは、気や水を上・外に向け拡散させる働きです。体の中の濁気を外に吐き出すのも、宣発の働きによって行われています。また、体内の水分を体表に分配し、皮膚に潤いを与えるのも、肺の働きです。この働きのおかげで、必要におうじて汗をかくことができます。

また、呼吸によって取り入れた気を体表に張り巡らせ、外からの邪気を防ぐ「衛気(えき)」というバリアを張るのも、肺の宣発の働きによるものです。

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宣発の働きの低下は皮膚の乾燥や易感冒につながる

肺は宣発の働きによって、体表に気や水を張り巡らせることで、皮膚の乾燥や荒れ、そして外部から侵入しようとする外邪から身を守っています。乾燥肌や、風邪をひきやすい人、汗の出に異常がある場合は、肺の宣発の働きが低下しています。

東洋医学において、体内の水分に関わる臓は脾・肺・腎の3つがあります。

  • 脾:運化による水分運搬。
  • 肺:昇清や粛降による水分の発散、運搬。
  • 腎:主水によって水分を尿として排泄。

粛降(しゅくこう)の働き

五臓の肺の「粛降」は、気や水を下・内に向ける働きで、宣発の反対の働きです。

外気から呼吸によって清気を体内に取り込み、水や栄養を体の下の方・奥の方まで運び下ろします。深呼吸をして、清気を体の深くに届けるのも粛降の働きです。そうして降りてきた気を五臓の腎に留めることを、腎の「納気(のうき)」の働きと言います。呼吸の際に「丹田(たんでん)」を意識するのは、こうした肺の粛降と腎の納気の両方を働かせることになります。

粛降の働きの低下は喘息につながる

肺の粛降の働きが低下し、呼吸によって得た気が五臓の腎まで届かないと、喘息のような症状につながります。また、宣発の働きで体表を潤し、不要になった水を下におろすのも粛侯の働きです。うまく腎や膀胱に届けられなかった不要な水分は、「湿・痰(しつ・たん)」となって浮腫(むくみ)につながります。

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おわりに

今回は、東洋医学における五臓の肺の働きについてまとめました。肺には一般的な「呼吸」の働きの他に、水や気を外に向ける「宣発」という働き、反対に水や気を内・下に向ける「粛降」の働きがあります。五臓の肺は、単純に呼吸のための器官ではなく、汗や体の抵抗力(免疫)、水分代謝など広く関与します。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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