【膏肓】バネ指だけじゃなく様々な慢性疾患を改善する経穴(ツボ)の紹介

膏肓の位置 経穴(ツボ)

今回は、【膏肓(こうこう)】というツボについて、場所や、刺激することで期待できる効果などをまとめていきます。

「病膏肓に入る」と聞いたことかありますか?

膏肓まで病気が入り込んでしまうと、治療が困難なことから、物事に熱中し過ぎて抜け出せない様子を表す故事成語です。

それほどまで重要なツボである膏肓について、ご紹介していきます。

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膏肓(こうこう)の位置と所属経絡

膏肓というツボの位置や、所属する経絡について確認していきます。

膏肓の位置

上背部、第4胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

新版経絡経穴概論

膏肓は背中にあるツボです。肩甲骨の内側にあり、筋肉としては、表層から僧帽筋・大菱形筋・脊柱起立筋の一部(腸肋筋)が重なる部位にあります。

(右側は僧帽筋を除いています)

膏肓の所属経絡と特徴

膏肓は足の太陽膀胱経に属するツボです。膀胱経は顔面部の目の内側から始まり、頭を巡って背中から下半身の後面を通って足の小指に伸びる、とても長い経絡です。

  • 病膏肓に入る

「膏」は心臓の下部にあり脾から生まれ、「肓」は横隔膜の上部にあり腎より生まれます。2つがあわさった膏肓は、「体の奥底の深い部分」を指します。そうした膏肓のツボの特徴を捉え、「病膏肓に入る」というと、病気が不治の域に達してしまったことを表します。

反対に言えば、この膏肓というツボを刺激することで、奥底の病に対して何か影響を与えられないかとも考えられます。気付かずに体の奥底で病に蝕まれている場合、膏肓のツボに反応として現れると言えます。

こうした難治的な側面を元に、「病膏肓に入る」とは物事に熱中しすぎ、抜き差しならぬ状態を指します。
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膏肓の治療効果

膏肓を刺激することで期待できる効果についてご紹介します。膏肓は背中にあるツボなので、自分で刺激するのは難しいです。テニスボールをあてがったり、柱に押し付けたり、などの方法を患者さんはしていることが多いですが、ご無理のない方法で刺激してみてください。

バネ指の特効穴

膏肓はバネ指の治療に常用する特効穴です。鍼灸師なら、誰しもが知っていると言っても過言ではありません。

他にも、四十肩・五十肩や手首の腱鞘炎など、上肢の失調のほとんどに効果を発揮します。

最近テレビでも、「肩甲骨から動かす」ことの大切さを取り上げるようになりましたね。膏肓は脊柱(背骨)と肩甲骨をつなぐ筋肉にあるツボです。膏肓を刺激することで、肩甲骨の動きが改善します。

慢性疾患の特効穴

「病膏肓に入る」の項で触れたように、難治・長引く病の治療に使われるツボに「膏肓」と名前がついたとも考えられます。代表的なものを下にまとめます。

  • 呼吸器系の疾患

肩甲骨・脊椎・肋骨の動きが改善するため、呼吸器の働きをサポートします。

  • 精神疾患

心包の働きが整うため、メンタルの問題が改善します。

  • 循環器疾患

心包は五臓の心の働きをサポートしています。そのため、膏肓への刺激は心包を通して、心の働きも整えます。心の血を送るポンプとしての働きが整えば、循環器の不調が改善されます。

  • 肋間神経痛
  • 肩関節疾患

これら2点は局所的な効果です。特に膏肓のツボの位置では筋肉が多く重なっています。運動量の低下や、偏った運動によって、筋肉の動きが悪くなりやすい場所です。

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膏肓とあわせて刺激したいツボ

膏肓とあわせて刺激をすると、より効果を期待できるツボをご紹介します。

足三里(あしさんり)

下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方3寸。

新版経絡経穴概論

足三里はすねの骨の外側、膝のお皿の3寸下にあるツボです。胃の経絡は、すねの外側を通って足首に伸びていきます。

  • 結核に

呼吸器、特に結核の治療に、膏肓と足三里を組み合わせていたと記載があります。

今とは違い、昔は結核にかかると命に関わる問題でした。膏肓は、当時の難病であった結核を治療することができたため、その名がついたのかもしれません。

関元(かんげん)

下腹部、前正中線上、臍中央の下方3寸。

新版経絡経穴概論

関元は下腹部の正中線上、おへその下3寸のところにあるツボです。

  • 慢性的な疲れに

精神的にも、肉体的にも疲れてしまった時には、膏肓に関元を加えて刺激してみてください。関元のツボは丹田として元気を貯めておく場所でもあります。

おわりに

今回まとめた膏肓には、まだまだはっきりとしない治療効果を秘めているようなツボです。特に現代人の生活習慣や環境から来る病には、膏肓はてきめん効果があるように感じます。

治療をしていても、「とにかく肩甲骨の間が辛い」という患者さんは少なくありません。膏肓への刺激はもちろん必要ですが、奥底に隠れた病のサインかもしれません。

少し体の全体を細かく観察して、不調や違和感があれば、早めに対処していきましょう。

 

大丈夫、大丈夫。

鍼灸指圧治療院あたしんち

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