足指・足裏の機能を取り戻す跪座(きざ)のメリットのまとめ

跪座イメージ 股関節・下肢
足の指を立てた状態で正座をする「跪座」を取り入れることで、足指の可動域が広がります。特に足指の背屈力は土踏まずなどの足裏のアーチと関係し、扁平足や外反母趾の予防・改善にもつながります。また跪座で足指や足裏のアーチの機能を高めることで、運動時の膝や腰などへの負担も軽減し、怪我や痛みの予防になります。余計な筋緊張も低下するため、足が引き締まり細くなるとも考えられます。

 

今回は、「座り方」からつながる体の仕組みをご紹介します。

「跪座(きざ)」という、正座に似た座り方なので、膝関節や、足の指の動きに不安がある方は、気をつけながらお試しください。

期待できる効果として、下記が挙げられます。

  1. 足指の機能回復・向上。
  2. 足裏の機能回復・向上。
  3. ふくらはぎを引き締める。
  4. からだ全体の負担が軽減する。

順を追って書きました。跪座によって、足の指、足の裏の機能が高まり、足だけでなく、体全体の負担が軽減します。

「ふくらはぎを引き締める」と書くととても魅力的に感じる方は多いと思います。しかし、それは最後の最後に得られる結果だということだと、ご理解ください。

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跪座(きざ)位姿勢とは「足指を立てた正座」

跪座位の姿勢とは、簡単に言えば、「足指を立てた正座」です。

跪座位姿勢を横から見たイメージ

跪座位姿勢を後ろから見たイメージ

後ろから見るとこんな感じですが、私は小指(ソックス赤色部分)が曲がりきっていません。小指が少し変形していることと、他の足指がかたいことが原因だと考えています。

「足指を立てた正座」と言葉にすると簡単そうですが、実際にやってみると、足の指、足裏、足首あたりに、普通の正座とは違った負荷がかかります。

跪座は元々、武道、弓道の控えの姿勢に見られます。足指を立て、少しだけ前傾の姿勢で正座することで、次の動作に淀みなく移ることができます。武道の場だけでなく、旅館や料亭でお世話をしてくださる仲居さん方の、所作が美しいと感じたことがあります。皆さん接客中にすぐに対応できるよう、跪座や膝行といった動きを覚えるようです。

このように、跪座は、日常から運動・武道まで幅広く見られる姿勢の一つです。

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跪座位姿勢と歩行時の足指の関係

跪座時の足の構造は歩行時の後ろ足に近い

跪座にある時、足の指は立ててあります。解剖学的には、「足趾が背屈している状態」と言います。本来、跪座でない状態でも、こうして足の指が背屈する状況があります。

それが、歩行時の、特に後ろ足です。

歩行時の後ろ足では、足指だけで体を支える瞬間がある

こうして指が背屈することで、歩行の際に足全体(足の指+足裏)の機能を100%使い切ることができます。足全体の機能を、細かく確認してみましょう。

ウィンドラス機構:足指の背屈を前へ進む推進力に変える

ここからは、少し専門的な足の話になります。

足の指(足趾)が背屈することで、足底(足裏)のアーチが挙上します。足裏のアーチは、足底腱膜によって構成されています。普段、足底のアーチは歩行時の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。

ウィンドラス機構は、そうしたクッションとしての役割の他に、「足裏は歩行時のバネの役割を果たす」というものです。

  1. 足趾が立ち上がり背屈する。
  2. 足底腱膜が伸展される。
  3. 反射的な足底腱膜の収縮が起こる。
  4. 前方へ進む推進力が生まれる。

つまり、足の指の背屈力が、そのままウィンドラス機構の働きの強さ、ひいては前方への推進力につながります。

トラス機構:足裏のアーチがクッションの役割を果たす

そもそも、「足裏のアーチがクッションの役割を果たしていること」を、トラス機構と呼びます。扁平足などで足裏のアーチが潰れてしまっていると、アーチが衝撃吸収のクッションの役割を果たせません。

扁平足が原因で膝や腰が痛むことがあるのは、こうした足裏のクッション(トラス機構)が機能していないため、衝撃が体の上部まで届いてしまうからです。

ウィンドラス機構、トラス機構、どちらの働きも、足裏のアーチがしっかりとあり、機能していることが大切です。

跪座 = ウィンドラス・トラス機構を高めるトレーニング

跪座の姿勢でいることはそれだけで、足底のアーチのストレッチに加え、足趾の背屈のトレーニングのどちらもしていることになります。

もし、跪座の姿勢をとってみて、足の指や足裏が突っ張って痛む方は、足の機能が低下しているかもしれません。痛くない範囲から、跪座の姿勢をとり、少しずつ体重をかけてみましょう。

足裏のケアは青竹踏みやマッサージでは物足りない

「足裏をほぐすなら、青竹踏みのように、足裏を刺激してほぐせば良い」と考える人もいるかもしれません。ここから先は、これまで治療をしてきた上での私の考えになりますが、まとめます。

「こりかたまった筋肉をほぐす」のと、「その筋肉を使える(動かせる)ようになる」のは、別問題だと考えています。

つまり、

  1. 固い足裏のアーチ
  2. 柔らかい足裏のアーチ
  3. 柔らかく、機能する足裏のアーチ

1が元々だとすると、2がマッサージや青竹踏みをしているレベル、3までくると、少し足の裏や足指のトレーニングをしているレベルです。足裏・足の指のトレーニングで有名な、タオルギャザーも同様です。

足指のトレーニングの代表である「タオルギャザー」

しかし、タオルギャザーで鍛えられるのは、足の指の屈曲(曲げて、掴む)力です。足の指の背屈力・足裏のアーチを鍛えるとなると、やはり跪座の姿勢の方が効果的です。

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跪座位姿勢を続けることによって高まる衝撃緩衝機能

跪座によって足の指の背屈力が増し、足裏のアーチが鍛えられた結果、得られる効果を考えます。

膝や体幹に伝わる衝撃を緩衝する機能が向上する

足底アーチのクッション(トラス機構)機能が向上するため、歩行時の衝撃をより小さくすることができます。衝撃が吸収されるということは、膝関節や腰などに介達する衝撃も減ることになります。

足部や足の裏、足指が原因で膝関節や腰、肩こりや頭痛の原因にまでなると考える治療家もいます。少しおおげさですが、それほど足部の衝撃緩衝機能は重要で、全身に影響します。

推進力アップによる、他の筋肉の負担減少

ウィンドラス機構(バネ)の機能の向上により、足底のアーチのバネの役割がより強まり、推進力を得ます。つまり、足の指や足底で、より前に進むための力を生み出せるということになります。

相対的に、ふくらはぎや太ももの筋肉を使わずに、前進することができます。アスリートの肉離れなど、筋肉に過度な負荷がかかった結果起こる症状は、足裏の機能を向上することで改善することが多くあります。

下半身痩せも足指・足裏の機能向上から

跪座によって足指・足裏の機能が向上することで、結果的に使わなくて済むふくらはぎ、太ももの筋肉は細くなります。

一流、と言われるアスリートの多くは、すらっとした脚をしている人が多い印象です。重心移動の巧拙など他の要素もありますが、こうした足指・足裏の機能が高い人ほど、無駄な力みは不要になり、脚は細くなっていきます。

 

おわりに

  • 跪座は足指・足裏のアーチのトレーニング。
  • 足裏のアーチは歩行時の衝撃吸収の働きがある(トラス機構)。
  • 足指の背屈・足裏のアーチは運動の補助も行う(ウィンドラス機構)。

まさに土台と言える足裏、しっかりと機能を取り戻してみてください。

過度な外反母趾や偏平足がある場合、跪座の姿勢はかえって足部を痛める原因となることもあります。跪座の姿勢はどちらかというと、そうした外反母趾や偏平足を予防するためのものと捉えてください。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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