【帰来】不妊だけでなく婦人科疾患を改善する経穴(ツボ)の紹介

帰来ツボ 経穴(ツボ)

今回は、【帰来(きらい)】というツボについて、場所や、刺激することで期待できる効果などをまとめていきます。

帰来は女性に知っておいて欲しいツボの1つで、婦人科疾患や不妊治療などに対して用いることが多いです。鼠径部から下腹部にかけての位置にあるツボなので、僕たち鍼灸師は奥にある子宮や卵巣をイメージしながら刺激します。その分、刺激量や強度にも注意が必要なツボなので、しっかり確認していきましょう。

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帰来(きらい)の位置と所属経絡

帰来というツボの位置や、所属する経絡について確認していきます。

帰来の位置

下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方2寸。

新版経絡経穴概論

帰来は下腹部から両方の鼠径部付近にあるツボです。お臍から恥骨の上端(恥骨結合)までが5寸なので、臍(へそ)の下4寸は、恥骨結合の上1寸と同じ距離になります。

1寸は手の親指の幅と同じ長さです。「指寸(しすん)」という測り方です。

帰来の所属経絡と特徴

帰来は足の陽明胃経に所属するツボです。胃経は顔面から始まり、足の指先まで伸びる長い経絡です。

  • 要穴ではない

有名なツボでは、足三里(あしさんり)や合谷(ごうこく)には、「四総穴(しそうけつ)」というツボの特徴があります。帰来にはそういったツボとしての特徴はありません。しかし、それでも治療効果が高いため、実際の治療で使われることの多いツボです。

要穴とは、ツボの二つ名のようなものです。そのツボが、経絡にとってどのような位置づけかを表します。
  • 骨盤内を調整するツボ

帰来はそのツボの位置の通り、下腹部・骨盤内の不調を改善するツボです。

帰来を刺激することで、骨盤内の気血を充実させ、冷えを改善することができます。主に大腸(消化器)・婦人生殖器・泌尿器に働きかけます。

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「生理痛に温めがオススメ」ー帰来の治療効果

帰来を刺激することで期待できる効果をまとめていきます。帰来は下腹部にあるので、温灸も押圧もしやすいツボです。しかし、グリグリと押圧刺激を入れるより、ゆっくりと温めるような刺激をオススメします。

泌尿器疾患の特効穴

帰来には泌尿器の働きを整える作用があります。

  • 膀胱炎
  • 尿道炎
  • 無尿・頻尿

こうした不調に対する効果には、男女差がありません。帰来は婦人科疾患によく用いられるツボですが、男性も症状にあわせて使って良いツボです。

生殖器疾患の特効穴

帰来は月経不順など、婦人科疾患に関する特効穴です。また、月経前後の便秘にも効果があると言われています。

  • 月経痛、月経不順
  • 卵巣炎、子宮内膜炎
  • 子宮筋腫

婦人科疾患や月経時の不調が強い人は、帰来のツボが敏感になっていることもあります。痛みを感じやすくなっているので、刺激量には注意してください。

男性にとっても、ED(インポテンツ)などの治療に用いることがあります。

不妊治療にも使われる

帰来は婦人生殖器を整えることで、不妊に対する効果もあります。名前の由来も「夫の帰り来たりを待ち子宝に恵まれる」ことを示唆すると言われています。

婦人科疾患や不妊には、骨盤内の冷えが関係していると考えられています。帰来のツボは、骨盤内に直接的に温熱刺激を届けることができるので、冷えを解消し、婦人科疾患を改善することができます。

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帰来とあわせて刺激したいツボ

婦人科疾患を改善する帰来とあわせて刺激すると、より高い効果を期待できるツボをご紹介します。

八髎穴(はちりょうけつ)

骨盤(仙骨)にある上髎・次髎・中髎・下髎、8つのツボを合わせて「八髎穴」といいます。

  • 骨盤内の不調に

仙骨にあいている孔それぞれに対応してツボがあります。八髎穴への刺激は仙骨の孔を通して骨盤内の臓器に直接的に働きかける作用があります。

八髎穴の中でも上から2つめの「次髎(じりょう)」は、婦人科疾患や泌尿・生殖器の不調に常用するツボです。体の前側は下腹部にある帰来を、裏側は仙骨にある八髎穴を温めると、骨盤内を前後から温めることができ、さらに効果は高まります。

  • 下半身を強く温める

足に向かう血管や神経の多くは仙骨の付近を通って下に伸びています。また、仙骨の孔から出る神経もあります。

婦人科疾患の多くは冷えが原因で発症・悪化します。八髎穴を温めて、骨盤から足にかけての温かさを保ちましょう。

三陰交(さんいんこう)

下腿内側、脛骨内縁の後際、内果の上方3寸。

新版経絡経穴概論

三陰交はすねの骨の内側、内くるぶしの上3寸のところの骨際にあります。

3寸は指の幅4本分くらいの長さです。
  • 婦人科疾患の特効穴

三陰交も、帰来と同じく「婦人科疾患の特効穴」として欠かせないツボです。足の太陰脾経に属するツボで、肝・脾・腎の経絡が三陰交で交わります。3つのどの臓も、生殖器や月経に関わる臓です。三陰交を刺激することで、臓を通して不調を改善します。

  • 下半身の冷えに

三陰交を温めることは、特に下半身の冷えに効果的です。三陰交の属する脾は冷えに弱い臓器です。足元が冷えてしまうと、全身の冷えにつながり、さらに末端の冷えは進行します。しっかりと三陰交を温めることで、下半身の熱が保たれ、体全体の暖かさが保たれます。

三陰交の刺激は注意が必要な場合もありますので、参考にしてください。

 

おわりに

今回は婦人科疾患の特効穴の1つである帰来というツボについてまとめてみました。下腹部にあるため、骨盤内を直接的に温めることで、女性の多くの悩みを改善するツボです。もちろん男性にも、泌尿器疾患を改善するツボでもあるので覚えておいて損のないツボです。

痛みを感じやすい部位でもあるので、強さに注意しながら刺激してみてください。

 

大丈夫、大丈夫。

鍼灸指圧治療院あたしんち

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