奇穴(きけつ)と言われる経穴(ツボ)と場所のまとめ

経穴のイメージ 経穴(ツボ)

経絡には所属していない「奇穴(きけつ)」といわれる経穴(ツボ)についてまとめていきます。

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奇穴の特徴

奇穴全体に共通する特徴

奇穴の特徴として、下記の点が挙げられます。

  • 経絡(任脈・督脈・六臓六腑)に所属しない。
  • 特定の疾患に対する高い治療効果がある。

正経に属するツボは、治療をする際に下記のような流れが一般的です。

  1. 正経のツボ刺激
  2. ツボが所属する臓腑が反応
  3. 治癒反応

一方、奇穴においては臓腑に働きかけるものもありますが、より直接的に治癒反応を起こすイメージがあります。

  1. 奇穴のツボ刺激
  2. 治癒反応

まさに、「症状を治すためのツボ」として受け継がれてきたもの、という印象です。

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奇穴に分類される経穴(ツボ)一覧

奇穴に分類される経穴(ツボ)と、その使用感(私個人の)についてまとめます。

頭頚部にある奇穴のツボ

四神聡(ししんそう)

頭部、百会(督脈のツボ)を中心に前後左右それぞれ1寸の部に4穴を取る。

頭痛やめまい、精神的な不調に効果的なツボです。

印堂(いんどう)

顔面部、神庭(督脈のツボ)の下方、眉間中央陥凹部に取る。

花粉症や鼻炎など、鼻の疾患に用いると効果的なツボです。

魚腰(ぎょよう)

顔面部、瞳孔の直上、正視させて、眉毛の中央の陥中に取る。

眼精疲労に効果的なツボです。

太陽(たいよう)

顔面部、眉毛の外端と外眼角の中央から後方1寸の陥凹部に取る。

側頭部(こめかみ)の頭痛や眼精疲労に効果的なツボです。

球後(きゅうご)

顔面部、外眼角と内眼角を結んで、外方から4分の1の垂線上で、眼窩下縁に取る。

眼精疲労に効果的なツボです。

牽正(けんせい)

顔面部、下関(胃経のツボ)から下方に引いた垂線と、耳垂下縁を通る水平線との交点に取る。

顔面神経麻痺や顎関節の異常に用いることの多いツボです。

夾承漿(きょうしょうしょう)

顔面部、承漿(任脈のツボ)の外方1寸に取る。

牽正と同じく、顔面神経麻痺や顎関節の不調に用います。

翳明(えいめい)

頚部、乳様突起の下縁、翳風(三焦経のツボ)の後方約1寸に取る。

顔面神経麻痺やめまい、耳鳴りや難聴にも効果的なツボです。

 

胸腹部にある奇穴のツボ

子宮(しきゅう)

下腹部、臍下4寸。中極(任脈のツボ)の外方3寸に取る。

婦人科疾患や泌尿器疾患に効果的なツボです。

 

背部にある奇穴のツボ

定喘(ていぜん)

上背部、第7頚椎・第1胸椎棘突起間、外方5分に取る。

風邪や喘息による咳、体の冷えに効果的なツボです。

巨闕兪(こけつゆ)

上背部、後正中線上、第4・第5胸椎棘突起間に取る。

心疾患・呼吸器疾患に効果的なツボです。

接脊(せっせき)

腰部、後正中線上、第12胸椎・第1腰椎棘突起間に取る。

小児の消化器疾患(下痢、便秘など)に用いるツボです。

痞根(ひこん)

腰部、第1・第2腰椎棘突起間、外方3寸5分に取る。

胃炎や腸炎、鼓腸に効果的とされるツボです。

下極兪(げきょくゆ)

腰部、第3・第4腰椎棘突起間に取る。

腰痛、下腹部の冷え、生殖器疾患に効果的とされるツボです。

腰眼(ようがん)

腰部、第4・第5腰椎棘突起間、外方3寸5分に取る。

腰痛、生殖器疾患に効果的なツボです。

十七椎(じゅうななつい)

腰部、第5腰椎棘突起と正中仙骨稜との間に取る。

月経痛、腰痛などに効果的なツボです。

夾脊(きょうせき)

背部、第1胸椎棘突起から第5腰椎棘突起までで、それぞれの棘突起下縁と同じ高さで、後正中線の外方5分に取る。

特に自律神経の働きを整えたいときに刺激をするツボです。

四華(しか)

  1. 患者を直立させ、長い細紐の中央部を大椎(督脈のツボ)にあてて頚にかけ、紐の両端をそろえて前胸部に垂らし、鳩尾(任脈のツボ)の部で切断する。
  2. この紐の中央部を甲状軟骨の上にあてて背部に回し、下端をそろえて脊柱上にあたるところに仮点を取る。
  3. この仮点に、別の短い紐で、患者の口を閉じさせ一方の口角から斜上方に鼻中隔直下を経て、他方の口角に至る長さを取り、
  4. その中央部を前記の仮点にあてて上下の両端に2穴、左右の両端に2穴、計4穴を取る。

ツボの取り方が複雑なので、あえてこのツボを用いようとは思えないレベルです。呼吸器・心疾患に効果的とされます。

患門(かんもん)

  1. 患者を直立させ、長い紐の一端を足の第1指に当て、しっかりと踏ませて紐を足底から足根部中央を経て上方に伸ばし、下腿後面正中を上行させて委中(膀胱経のツボ)に至ってこれを切る。
  2. この紐の一端を鼻尖にあて、頭頚部および背部の正中線に沿って後方に垂らし、その下端があたる脊柱上に仮点を取る。
  3. 別に短い紐で、患者の口を閉じさせ一方の口角から斜上方に鼻中隔直下を経て、他方の口角に至る長さを取り、
  4. その中央部を前記の仮点にあてて、左右水平に伸ばして、両端にあたるところに2穴を取る。

患門のツボも、あえてこのツボを治療中に選ぶほどの効果があるかは不明なほど、複雑なツボの取り方です。呼吸器疾患や心疾患に効果的とされています。

 

上肢(腕や手)にある奇穴のツボ

肩内陵(けんないりょう)

上肢を下垂し、腋窩横紋前端と肩髃(大腸経のツボ)との中点に取る。

四十肩・五十肩の特効穴と言われます。肩や腕の不調に広く効果的です。

腰痛点(ようつうてん)

手背、第2・第3および第4・第5中手骨底間の陥凹部の2点に取る。

ぎっくり腰のような急性期の腰痛から、慢性的な腰痛まで広く効果的です。ツボが手にあるため、手の腱鞘炎などにも効果的です。

落枕(らくちん)

手背、第2・第3中手指節関節の間の近位陥凹部に取る。

寝違えの特効穴です。

八邪(はちじゃ)

手背、手を軽く握り、各中手指節関節の間の背側に取る。

歯の痛みや頭痛に効果的とされるツボです。

四縫(しほう)

示指・中指・薬指・小指の掌側で、近位指節間関節横紋の中央に取る。

小児の疳の虫に効果的なツボです。

十宣(じゅっせん)

両手十指の各先端中央に取る。

救急穴として、失神や癲癇発作、脳卒中などの極初期の処置として用いるツボです。

 

下肢(脚・足)にある奇穴のツボ

鶴頂(かくちょう)

膝関節部、膝蓋骨底上際中央の陥凹部に取る。

膝の痛みや下肢のしびれ・麻痺に効果的なツボです。大腿四頭筋の緊張を緩め、膝関節にかかる負担を和らげることができます。

内膝眼(ないしつがん)

膝前面、膝蓋靱帯内方の陥凹部に取る。

膝の関節裂隙にあたる部位なので、刺激には注意が必要です。膝関節の不調に効果的とされます。

胆嚢点(たんのうてん)

陽陵泉(胆経のツボ)の下約1寸に取る。

胆嚢炎や胆石、その他胆経の流注である胸脇部の痛みに効果的です。

闌尾(らんび)

足三里(胃経のツボ)の下約2寸に取る。

急性虫垂炎の痛みを和らげると言われています。もちろん、虫垂炎そのものが治癒するわけではありませんので、病院へ行きましょう。

八風(はっぷう)

足背、各中足指節関節の間に取る。

足の痛み、特に捻挫の急性期処置として八風のツボを刺激すると、炎症・腫れが軽度で済みます。

裏内庭(うらないてい)

足底部、第2中足指節関節のやや後方に取る。

食中毒や食あたりの特効穴です。

失眠(しつみん)

足底部、踵の中央に取る。

下肢の冷えや、不眠症・睡眠障害に効果的なツボです。

 

参考:新版経絡経穴概論

鍼灸指圧治療院あたしんち

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