「血」とは何か|働きや成り立ちと「血」の虚実「血虚」と「血瘀」【東洋医学の基礎】

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東洋医学のイメージ 在宅医療

東洋医学における「血(けつ)」の働きは、西洋医学のものと大きく違いはありません。飲み食いしたものから「血」が作られ、体内の血管を流れ、体の各器官を栄養しています。
「血」の特徴としては、「気」の働きによって成り立つ部分が大きいこと、出血以外にも「血」を消耗する場合があること、などが東洋医学ならではの解釈になります。

東洋医学における「血」の働きや成り立ち

「血」の働き

  • 栄養の運搬、組織を栄養する
  • 組織を潤す
  • 精神を安定させる

「血」は血脈を営気*とともに流れ、各組織を栄養したり、潤いを与えたりしています。
また、血には精神を落ち着かせ、安定させる働きもあります。

営気*:気の一種で、体を栄養する気。

「血」の成り立ち

  • 気化作用により「血」が作られる
  • 推動作用により「血」が循環する
  • 固摂作用により「血」が漏れない

「血」の生成・循環には気の働きが不可欠です。飲み食いしたものから栄養を取り出し、それを「血」に変え、運び、各所で漏れないようにとどめておく、どの工程でも気が働いています。

気の働きについて

血と五臓の関係

血は気の働きだけでなく、五臓の働きによって生成、循環しています。

  • 五臓の脾:飲食物から血を生成する
  • 五臓の心:血を循環させる
  • 五臓の肝:血を貯めておく

それぞれのシーンで気の働き、五臓の働きが正常でないと、血の成り立ちもうまくいかず、病気や不調の原因となってしまいます。

血の失調である「血虚」と「血瘀」

「血の巡りが悪い」という表現は、東洋医学でも西洋医学でも耳にしたことがあると思います。東洋医学では、「血」が不足している状態を「血虚(けっきょ)」、「血」が停滞している状態を「血瘀(けつお)」と呼び、それぞれに問題があります。

血の不足による「血虚」と血の停滞による「血瘀」

「血虚」について

  • 顔色が蒼白
  • めまい、立ちくらみ
  • 手足の冷え、しびれ
  • 爪や髪がもろくなる
  • 眼精疲労

東洋医学において、上記のような症状がある場合、血の不足である血虚が考えられます。特に髪の毛や爪は体内の血の状態を知る良い指標になり重視されています。

「血瘀」について

  • 血の色が暗い・血塊が混じる
  • 顔色が青紫で血色が悪い
  • 刺すような痛みがある
  • 同じ部位が長期にわたって痛む
  • 夜間に痛むことが多い
  • 触られたくない

東洋医学において、血の巡りが悪い状態を「血瘀」や「瘀血」と言います。本来は栄養を運び終え、組織から不用物を回収した血は再循環して戻っていかなければなりません。そうした不用物の多い血が停滞し、悪さをしている状態が血瘀です。

「血虚」や「血瘀」の原因や対策

血虚の原因

  • 血の単純な不足
  • 血の生成不足
  • 血の消耗が激しい
  • 血の貯蔵の乱れ・漏れ

血虚の場合、血が作られていないか、消耗しているか、貯められていないかの3つが大きな原因となります。五臓や気の働きが十分でないと、血をうまく作ることも、循環させることもできません。また、しっかりと食事をとっていないと、血を作る材料がないため、血虚に陥ることがあります。

血瘀の原因

  • 気や五臓の働きの乱れ
  • 寒熱
  • 痰濁

血瘀は血の流れの停滞です。気や五臓の働きが低下し、血をうまく流すことができなくなると血瘀につながります。また、体が冷えすぎたり、熱くなりすぎたりして血のめぐりが悪くなることもあります。痰濁は今でいうコレステロールのようなものです。

血虚を改善する対策

  • バランスの良い食事
  • 血の消耗を避ける
  • 夜更かしを避ける
  • 目を休める

血虚の対策で大切なのは、血の消耗を避け、適切な食事で血を補うことです。特に女性の月経のように実際に出血を伴う場合は注意が必要です。また、東洋医学においては夜更かしや目の使いすぎも血を消耗すると考えます。

血瘀を改善する対策

  • 五臓や気の働きの正常化
  • 寒熱のバランス
  • 適切な飲食

血瘀の対策として、「適切な生活習慣」と考えることが1番適切です。体を極端に熱く・冷たくせず、飲食の節制を心がけることで、血のめぐりは改善します。

血虚に効果的な「足三里」のツボ

足三里のツボは、胃腸の消化・吸収を促し、気や血の生成を活発にします。
膝のお皿の骨から、指の幅4本分下がったあたりの、すね側にあるツボです。

血瘀に効果的な「三陰交」のツボ

三陰交のツボは五臓の脾や肝に働きかけ、血の不調を改善する特効穴です。婦人科疾患や月経の問題にも効果があり重宝されます。
内くるぶしから指4本分あがった、すねの骨の内側にあるツボです。

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