手首に起こる腱鞘炎の原因と対策、鍼灸治療で用いるツボのまとめ

手首の腱鞘イメージ 肩・上肢

この記事では、手首に起こる【腱鞘炎(けんしょうえん)】の原因となる構造や動き、腱鞘炎対策のストレッチから鍼灸治療で用いる経穴(ツボ)についてまとめていきます。

「手の使いすぎによって起こる」とわかってはいるものの、お仕事のパソコン作業やお子さんの抱っこなどで腱鞘炎になる人が多くいます。こうした日々の負担を完全になくすことは難しいからこそ、しっかりと対策をして痛みを和らげましょう。

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腱鞘の構造と炎症が起きる原因

「腱鞘炎」という言葉は知っていても、実際にどういう機序で炎症や痛みが起こっているのかを知らない人は多くいます。まずはこうした構造から、炎症が起こる原因を確認します。

腱鞘炎の「腱鞘」は腱をガイドするトンネル

「腱鞘炎」の「腱鞘」とは、「腱(けん)」の「鞘(さや)」の字の通り、腱を覆うトンネルのような構造です。

手首の腱鞘イメージ

画像の青色部分が、手首の掌側の腱鞘の一部です。腱鞘という構造自体、手首だけでなく、足首にもあります。

指の筋肉の例

手指や足指の筋肉は、骨に付着する腱が細く長いことが特長です。こうした腱をぶれることなく、滑らかに動かすようにガイドするのが、腱鞘という構造の役割です。

腱鞘と腱の過度な摩擦が炎症を起こす

腱の動きをサポートする腱鞘ですが、腱が過度に動くことで摩擦が生じ、炎症を起こします。これが、腱鞘炎です。

こうした腱と腱鞘の過度な摩擦により、腱・腱鞘が肥厚してしまうと、滑らかな関節の動きが損なわれてしまいます。これが、ばね指(弾発指)と呼ばれる症状です。

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腱鞘炎の対策や治療

腱鞘炎の予防は、第一に「安静」です。当然ですが、腱と腱鞘の摩擦を少なくすることが、一番の予防法であり、治療法でもあります。

しかし、お仕事や家事などでそうは言ってもいられないのが現実です。ストレチやツボ押しなどで、痛みを和らげていきましょう。

整形外科での治療

腱鞘炎になって整形外科を受診した場合も、やはり第一に安静を伝えられます。他にも、投薬(痛み止めなど)、腱鞘へのステロイド注射があり、最終的には手術による対応もあります。しかし、腱鞘炎の治療で手術を受けるほどの人は多くありません。多くの場合、湿布を処方され、安静にしている他ありません。痛みがある手首の腱鞘部分にアイシングをするのも効果的です。

ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」日本整形外科学会より

腱鞘炎に対するストレッチ

腱鞘炎において、実際に炎症が起き罹患しているのは腱鞘部分です。しかし、その腱鞘を通る腱・筋のストレッチをすることで、痛みが和らぐことが多くあります。

イメージとして、特定の狭い範囲での筋肉・腱の動きによって腱鞘炎のリスクが上がります。そのため、可動域いっぱい手首を動かすことで、一部の腱・腱鞘への負担を減らし、全体に分散します。

手首の内側(掌側)が痛む腱鞘炎の場合

ゴルフ肘ストレッチ

手首の内側(掌側)が痛む場合、前腕の屈筋群の腱鞘炎です。前腕屈筋群は手首を掌の方向に曲げる(掌屈する)働きがある筋肉なので、反対に(甲側に)曲げるとストレッチをすることができます。

手首の外側(甲側)が痛む腱鞘炎の場合

テニス肘ストレッチ

手首の外側(甲側)が痛む場合、前腕の伸筋群の腱鞘炎です。前腕伸筋群は手首を甲の方向に曲げる(背屈する)働きがある筋肉なので、反対に(掌側に)曲げるとストレッチをすることができます。

腱鞘炎へのお灸と経穴(ツボ)

鍼灸治療では、腱鞘炎のような炎症部分にもお灸治療をします。熱を持っている部分に熱を加えるというと、痛みが増すように思う人が多くいますが、お灸には炎症を抑える効果もあります。

手首の内側(掌側)の腱鞘炎に用いる経穴(ツボ)

掌側の腱鞘炎の治療に用いるツボを紹介します。

大陵(だいりょう)

大陵ツボ

大陵は手首の掌側のシワの、ちょうど真ん中のあたりにあるツボです。指を握り込んでグーを作った時に、浮き出る腱(長掌筋腱と橈側手根屈筋腱)の間にあります。

内関(ないかん)

内関ツボ

内関は前腕(肘から手首)の掌側、指を握り込んでグーを作った時に浮き出る腱の間にあります。手首のシワの大陵のツボから、少し(2寸)肘寄りです。

手首の外側(甲側)の腱鞘炎に用いる経穴(ツボ)

掌側の腱鞘炎の治療に用いるツボを紹介します。

陽池(ようち)

陽池ツボ

陽池は手首の甲側にあるツボです。小指側に尺骨の端があり、その手首寄りの脇に陽池のツボはあります。

手三里(てさんり)

手三里イメージ

手三里は肘の外側から少し下(手首寄り)にあります。

おわりに

腱鞘炎のような、いわゆる生活の中での使いすぎ・過負荷によって起こる症状は、長引き慢性化することが多々あります。特に、仕事や家事など、やめるわけにいかないものが原因で起こり、痛みを抱えながらも日々を過ごさなければなりません。少しでも負担を減らしつつ、痛みを緩和するケアをしていきましょう。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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