セルフでできる肩甲骨はがしと立甲。肩こりから解放される体を目指そう

肩甲骨と立甲イメージ 肩・上肢
肩甲骨は自由度の高い骨で、肋骨からはがれるように浮き上がる構造になっています。しかし姿勢の崩れ肩甲骨に付着する筋肉のコリ・柔軟性の低下により、肩甲骨の自由度は低下し、「肩が上がらない」、「肩を動かすと痛い」という症状につながります。
ここでは、特に肩甲骨の可動域に関わる前鋸筋や小胸筋の仕組みを確認し、一人で「肩甲骨はがし」ができる体を目指します。また、肩甲骨が浮き上がる感覚をつかむ「立甲」のストレッチ・トレーニングもあわせてご紹介します。

 

肩こりや首周りのコリ、不調がある人は、【肩甲骨はがし】という言葉に魅力を覚えたことがありませんか?

整体やリラクゼーションの店頭に「肩甲骨はがし」ののぼりを見たことがある人もいるでしょう。

肩甲骨は背中の肋骨に沿うようにある薄い骨で、主に筋肉で胴体とつながっています。また、腕の骨(上腕骨)と胴体をつなぎ、動きをサポートする役割もあります。そのため、肩甲骨の動きが悪くなると(肩甲骨はがしができないと)、色々な不調が出ると言われています。

マッサージや整体のお店に頼るのも良いですが、肩甲骨はがしはセルフでも可能です。肩甲骨周りの筋肉の仕組みと、セルフ肩甲骨はがしとも言える「立甲」についてご紹介します。

スポンサーリンク

肩甲骨はがしについて

肩甲骨はがしとは、肩甲骨が胴体から離れるようなマッサージの手技や、ストレッチを指します。肩甲骨には、様々な方向から筋肉が付着しています。それらの筋肉がかたい状態では、肩甲骨ははがれません

つまり、肩甲骨はがしができるということは、肩周りの筋肉が柔らかい証拠でもあります

▶︎肩関節の仕組み・肩甲上腕リズムを詳しくまとめた記事へ

肩甲骨の仕組みを確認

そもそも、肩甲骨は薄い構造の骨で、肋骨の上を沿うように動きます。言ってしまえば、元々はがれているはずの骨なんです。

しかし関節構造としては、鎖骨や上腕骨との連結があります。

つまり、肩甲骨周りの筋肉だけでなく、鎖骨や上腕骨の筋肉のかたさも、肩甲骨の動き(はがれやすさ)には関係あります

肩甲骨の理想の動きと肩の不調

肩関節の理想の動きを、「甲腕一致」と言います。甲腕一致とは、肩甲骨と上腕骨の動きが一致している様子を指します。

元々、腕をあげる時には、上腕骨と共に肩甲骨も連動しています。「肩甲上腕リズム」と言われ、肩甲骨と上腕骨は1:2の割合で動きます

肩甲上腕リズムイラスト

つまり、

  • 腕を横に90度挙げた時は、肩甲骨30度+上腕骨60度
  • 真上に挙げたときは、肩甲骨60度+上腕骨120度

という計算になります。

こうして連動することで、肩関節の可動域は保たれます。

肩甲骨の周りの筋肉がかたまり、動きが悪くなると、こうした理想の連動がなくなってしまいます。すると、特定の筋肉の負担が増え、痛みにつながります。四十肩や五十肩は、その典型とも言えます。

スポンサーリンク

肩甲骨がはがれなくなる原因

肩の可動域に肩甲骨の連動が必要ということはわかりました。ここからは、肩甲骨の周りの筋肉がかたくなる原因や、肩甲骨がはがれにくくなる原因を考えていきます。

肩甲骨周りの筋肉のかたさ

肩甲骨周りの筋肉はたくさんあり、どれも程よく柔らかく、しっかり収縮するのが理想です。

ここでは特に、私が「肩甲骨の動きを取り戻す」施術の際に重視する筋肉をいくつかご紹介します。

小胸筋(しょうきょうきん)

青塗りしてあるのが小胸筋

「肩甲骨」と言っているのに、胸の前側の筋肉である小胸筋をピックアップしました。

小胸筋は肩甲骨の烏口突起と呼ばれる部位と肋骨をつなぐ筋肉です。この筋肉が縮んでかたくなると、肩甲骨は肋骨側(前方)に引きつけられます。結果、肩甲骨はがしのような肩甲骨の可動域は得られず、動きもかたくなります。

前鋸筋(ぜんきょきん)

青塗りしてあるのが前鋸筋

またまた、肩甲骨がはがれるのとは関係なさそうな位置の筋肉です。しかし前鋸筋も小胸筋と同様、肩甲骨から肋骨に伸びる筋肉です。縮んでかたくなれば、肩甲骨を肋骨側に引き寄せる働きがあります

実は、多くの場合で小胸筋と前鋸筋を緩めれば、肩甲骨はがしができます。肩甲骨の動きに関係しそうな、肩甲骨と背骨の間にある筋肉(僧帽筋や菱形筋など)のかたさは、そこまで関係がない印象です。

▶︎セラバンド・チューブを使った前鋸筋トレーニングはこちらへ

猫背などの姿勢不良

姿勢不良、特に猫背のように背中が丸まると、肩甲骨と肋骨の隙間が狭まってしまいます。また姿勢が崩れると、先ほどの小胸筋や前鋸筋は、肩甲骨を肋骨に引きつけるようにかたまってしまいます。

結果的に肩甲骨は、

  • 肋骨にはりつき、固定されるように
  • かつ、外側(側面寄り)に

かたまり、可動域はどんどん狭まってしまいます。姿勢が崩れると、それぞれの筋肉が理想の収縮ができずに、動きが悪くなります。姿勢を良く、と言われるのも納得です。

スポンサーリンク

セルフ肩甲骨はがしと立甲

マッサージに行って肩甲骨はがしをしてもらうのも良いですが、自分でできるに越したことはありません。

ここでは、肩甲骨の可動域を狭める原因筋のほぐし方と、セルフでできるストレッチのようなものをご紹介します

小胸筋と前鋸筋を柔らかくしよう

前項でご紹介したように、肩甲骨を肋骨に引きつけるように働く小胸筋と前鋸筋を柔らかくしましょう

小胸筋は大胸筋の下にある筋肉なので、自分でマッサージするには少し工夫が必要です。胸の表面には大胸筋があるので、その下を、肋骨に這うように進むと小胸筋はあります。

小胸筋のマッサージをボディナビゲーションより引用

前鋸筋は、脇の下にある筋肉です。脇の下の辺りで、肩甲骨の外側縁から肋骨の方に伸びている筋肉なので、肋骨を撫でるようにマッサージをしてみてください。

前鋸筋のマッサージをボディナビゲーションより引用

どちらも刺激量に注意して、優しく押圧してみてください。

立甲(りっこう)ストレッチ・トレーニング

画像のような状態を「肩甲骨を立てるようにする」ことから、「立甲」と言います。肩周りの筋肉が柔らかいと、画像のように肩甲骨を立たせることができます。つまり、自分自身で肩甲骨はがしができます。

立甲の仕組みを簡単にご紹介

床から伝わる力(床反力)を、肩甲骨まで真っ直ぐ伝えることで、肩甲骨が肋骨からはがれるように浮いてきます。

最初は掌ではなく、肘をついての立甲からやってみてください。床を肘で押すのではなく、脱力して床に押されるイメージです。

立甲のためには、上記の小胸筋や前鋸筋の柔らかさ意外にも、肩甲骨周りの筋肉全体の柔らかさが必要になります。しかし、立甲ができてしまえば、これ自体が小胸筋や前鋸筋のストレッチにもなります。2つとも伸ばしにくい筋肉なので、立甲できるようになることで、肩甲骨周りの筋肉の柔らかさを維持できます。

▶︎「立甲」について少し詳しくまとめた記事はこちらへ

 

おわりに

マッサージや整体で肩甲骨はがしをしてもらっても、すぐに肩こりが戻って、肩甲骨の可動域も狭くなってしまう。そんな人は、自分でも肩甲骨をはがせるようになると、肩がこりにくい体になります。

デスクワークやスマートフォンなど、現代は何かと手先の細かい作業が多い上、長時間同じ姿勢でいることが多いため、首肩周りの症状はつきものです。なるべく、自分の体は自分で緩めていけるよう、「セルフ肩甲骨はがし」を目指してみてください。

▶︎肩甲骨を立たせる「立甲」だけでなく、腰を立たせる「立腰」も大切です。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

コメント