血の不足である貧血・血虚体質を改善する経穴(ツボ)

血虚を改善するツボまとめ 気血水精

この記事では、血(けつ)の不足である「血虚(けっきょ)」を改善する経穴(ツボ)を紹介します。

◆血虚のおさらい◆
血虚の特徴的な症状
:顔色が青白い、めまい、立ちくらみ、冷えなど。

血虚の原因:血の不足。
▶︎「血虚」について詳しくはこちらへ

東洋医学における血虚では、一般的な貧血と似たような症状が起こります。他にも、爪や髪の毛、筋肉も血によって栄養されています。また、眼精疲労や眼のかすみなどの眼の不調や、睡眠に関わる障害も血虚が影響して起こることがあります。

鍼灸治療で血を補う場合、下記の2点を重視します。

  • 血を蓄える力を高める。
  • 飲食物から血を生成する力を高める。

血は主に食事によって補われます。生活リズムが崩れ臓腑の働きが低下すると、質の良い食事をとっても血をうまく生成することができず、血虚につながることもあります。食べたものをしっかりと血に変えるためにも、臓腑の働きを整えるツボを刺激しましょう。

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貧血・血虚を改善する経穴(ツボ)

鍼灸治療で用いる、血虚を改善するツボを紹介します。血の不調の一つである血虚を改善するのに、重要な点をまとめると下記の通りです。

  • 血の正常な運行には肝・心・脾が関わる。
  • 飲食物を消化・吸収し栄養を抜き取り、気の働きで血に変える。

これらの働きを踏まえ、ツボを確認していきましょう。

血海(けっかい)

血海は五臓の脾に属するツボです。飲食物の消化・吸収を助け、血の生成を高めます。五臓の脾には、血を脈(血管)から漏らさないようにする「統血(とうけつ)」という働きがあります。

  • 食欲の低下、消化不良など栄養摂取の問題がある。
  • 食べても太らない体質、瘦せ型。
  • すぐに内出血や鼻血などがある。

上記の特徴がある場合、脾の働きの低下によって血虚に陥っています。血海を刺激して、脾の働きを整え、貧血や血虚体質を改善しましょう。

三陰交(さんいんこう)

三陰交も血海と同様、脾に属するツボです。そのため、消化吸収を助け、脾の統血の働きを高める効果が期待できます。

他にも、三陰交はその名の通り、肝・腎・脾の3つの経絡が交わるツボです。脾だけでなく、五臓の肝は特に血を貯蔵する「蔵血(ぞうけつ)」という働きをもつ臓器です。また、血を滞りなく巡らせるのも肝の働きの一つです。

  • 下半身に冷えがある。
  • 月経時に貧血が強い。
  • 爪や髪の毛が弱い、もろい。

上記の体質に該当する血虚・貧血体質の人は、三陰交を温めるように刺激してみましょう。三陰交を刺激することで、血に関わる重要な臓器である脾と肝のどちらにも働きかけることができます。

足三里(あしさんり)

足三里は胃に属するツボです。飲食物の消化・吸収の統括は脾が行いますが、実際に消化活動を行うのは胃の役割です。足三里のツボは胃の消化の働きをサポートし、栄養の吸収を高め、気血を充実させる効果があります。

  • もともと元気がない(気虚体質)。
  • 食事をしっかりと食べられない。

足三里は気の不足である「気虚(ききょ)」にも効果的なツボです。血は気の働きを受けて生成され、巡っているため、足三里を刺激することで、気も血も補い、血虚が改善されます。

気海(きかい)

気海は下腹部にあるツボです。血は気の働きを受けて生成、循環していることから、「血海(けっかい)」のツボだけでなく、やはり「気海」のツボも重要です。

下腹部にある気海や関元(かんげん)のツボのあたりは「丹田(たんでん)」と呼ばれ、スポーツや武道などで意識をする部位です。私たちの体に溜め込まれた「精(せい)」という生命力の源は、丹田のあたりから「気」に変わり、全身を巡ります。気海のツボを刺激して、気を充実させましょう。その気は血となり、体を循環して潤し、血虚が改善していきます。

太渓(たいけい)

太渓は五臓の腎に属するツボです。気海のツボが「精→気(→血)」と、体内の物質が変化して現れるツボだと紹介した、きっかけの「精」に関わる臓器が、五臓の腎です。

良い食事を食べること、消化・吸収すること、それを気に変えること、これら全て、土台となる生命力に溢れていないと実現できません。そうした生命力を両親から引き継ぎ、食事などで補うことで私たちの生命は保てています。この生命力にあたる「精」を貯蔵するのが五臓の腎の働きであり、太渓は腎の働きを高めるツボです。

精を貯蔵・補充する働きが直接的に血虚や貧血を改善するわけではありませんが、長期的な体質改善として、腎の働きを整える治療は不可欠です。

膈兪(かくゆ)

膈兪は膀胱に属するツボで、一見すると血とは無関係に思えます。しかし、膈兪には「血会(けつえ)」というツボの特性があり、「血虚などの血に関する不調がよく現れる反応点、そして血の不調を改善する特効穴」という特徴があります。

膈兪は背中にあるので、ふとした時に一人で刺激するには難しいツボです。ゆっくりと時間が取れる時に、温灸などしてもらいましょう。

膻中(だんちゅう)

膻中は心包という、五臓の心を助ける東洋医学の世界特有の六つ目の臓器です。心は実際に血を循環させるポンプの役割を担います。

  • 手足の冷えが強い。
  • めまいや立ちくらみがある。

血は心から強く送り出されることで、心の熱を末端まで届ける働きもあります。手足が冷えてしまう貧血・血虚の場合、心の働きの低下が関係します。また、めまいや立ちくらみなどは、五臓の脾の働きの低下と、心の働きの低下が関与し、血を頭部にまで届けることができずに起こります。

膻中には「気会(きえ)」というツボの特性もあり、「気に関する不調がよく現れる反応点、そして気の不調を改善する特効穴」という特徴があります。前項で触れた膈兪のツボが「血会」なので、あわせて膻中も刺激すると効果的です。

おわりに

血の不足である血虚、貧血体質の場合に効果的な、血を補う働きのあるツボを紹介しました。貧血・血虚には多くの臓腑の働きが関与するため、自分の体質や生活をしっかりと観察し、原因を見極める必要があります。

  • 血を貯めることができない。
  • 血を生成することができない。
  • 血が漏れてしまう。
  • 気(材料)が足りない。

自分の体質にあうツボを刺激して、体質改善を目指しましょう。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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