東洋医学における風邪の特徴と症状、予防や対策についてまとめる

治療

今回は、東洋医学における「風邪(かぜ)」について、その考え方や対策をまとめます。

東洋医学では、風邪を(ふうじゃ)と読みます。風の邪が体に入り込むことで、いわゆる風邪(かぜ)を発症します。また、特徴として風の邪は熱や湿など他の邪をひきつれて侵入します。それが、風邪(かぜ)をひいた時に起こる発熱や痰につながります。

漢方やツボによる治療も、どのような邪に対して行うかを明確にすることでより効果が高まります。

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東洋医学における風邪

「風邪(ふうじゃ)」の特徴

東洋医学では、病気の原因の中に「外因(がいいん)」というものがあり、下記の6つの邪を「外因六邪(がいいんろくじゃ)」と言います。

  • 風邪(=かぜ)
  • 寒邪(=さむさ)
  • 暑邪(=あつさ)
  • 湿邪(=湿度)
  • 燥邪(=乾燥)
  • 火邪(=熱)

これは、周りの環境や、季節、時間などが関係して起こる病の種類と捉えてください。

ちなみにここでは、「風邪」と書いて、「ふうじゃ」と読みます。この風邪が体に入り込むと、頭痛、鼻づまり、のどの痛みなど、体の上の部分の症状が現れます。

また、風邪はその性質として、下記の2つの特徴を持ちます。

  • 他の「邪」を引き込む
  • 移動する

そのため、痰や咳が出る「燥邪」、発熱を起こす「火邪」など、私たちのよく知る風邪の症状が現れます。また、発熱によって関節が痛くなったり、痛む場所が変わるのも風邪の特徴です。これを風邪の「遊走性(ゆうそうせい)と言います。

風邪のタイプを東洋医学的に分析

西洋医学的にみると、「風邪(かぜ)」という一つの症状ですが、東洋医学的にはさらに細かく4つに分類し、それぞれ養生の仕方も異なります。

風邪の進行具合や、その時に出ている症状に合わせて、適切な対策をとることで、風邪からの回復を早めることができます。

「風邪」+「熱邪」タイプの風邪

  • 発熱やのどの炎症による痛み
  • 鼻水や痰、尿が黄色い
  • 口が乾く

上記のような症状の場合は、体内の熱を冷まし、炎症を鎮めてやる必要があります。食養生としては、グレープフルーツのような柑橘類、大根や冬瓜など、涼性の食材を選んで食べるようにしてください。

▶︎涼性の食材、その他食材の持つ特性についてまとめた記事へ

「風邪」+「燥邪」タイプの風邪

  • 長引く咳、空咳
  • 痰がからむ
  • 口やのどの乾燥

上記のような症状の場合、「燥邪」が体内に侵入してしまい、体の水分が消耗され乾いてしまっています。体内も外も、潤してあげること、加湿してあげることが大切です。食材としては梨、はちみつ、銀杏、大根などの「湿潤」の働きが強い食材がおすすめです。

「風邪」+「寒邪」タイプの風邪

  • 悪寒、寒気
  • 頭痛
  • 節々の痛み
  • 水っぽい鼻水、鼻づまり

いわゆる風邪の初期の初期、寒気がして体がぶるぶるっと震える頃から、ひき始めにかけてです。この頃は、体を暖かくして、ゆっくりと休むことで本格的な風邪症状に移行するのをおさえるよう心がけましょう。

食養生としては、温性か熱性の食材、生姜、ネギ、ニンニク、シナモンがオススメです。

▶︎温性・熱性の食材、その他食材の持つ特性についてまとめた記事へ

「風邪」+「湿邪」タイプの風邪

  • 吐き気、食欲不振などの消化器症状
  • 下痢
  • 鼻水、痰

このタイプの症状は、まず体の余分な「湿」を取り除いてやることが大切です。食材としては、しそ、生姜、みょうが、せり、梅干しなどがオススメです。

▶︎体の余分な水分である「湿痰」についてまとめた記事へ

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東洋医学における風邪の対策

衛気を高め風邪を予防する

私たちの体に存在する気の働きとして、「衛気(えき)」というものがあります。衛気とは体の表面をバリアするように覆い、風邪などの外邪から身を守る働きを言います。

衛気の働きを十分に得るには、体内に気が満ちていて、滞りなく巡っていることが大切です。正しい食事や睡眠が風邪を予防するのは、そうした習慣によって体内の気を整えることができるからです。

そうした衛気は、五臓の肺の「宣発(せんぱつ)」という働きによって成り立ちます。風邪をひきやすい体質の人は、肺の働きを整え、衛気をうまく張りめぐらせることで体質改善ができます。

「ゴホン」と言ったら龍角散

テレビコマーシャルで御馴染みの龍角散ですが、個人的には下記の症状に効果的で重宝しています。

  • 鼻とのどの間の炎症
  • 鼻水や痰
  • 声がかれる
  • 湿っぽい咳

発熱や体のだるさなどを改善する効果はないものの、龍角散は風邪の予防に効果的だと実感します。病院に行く時間がとれず、なんとか症状を緩和したい時には、薬局で手に入る龍角散もオススメです。

「風邪には葛根湯」は間違いの場合も

「風邪をひきそうだったから、葛根湯を飲んだ」という話をよく聞きます。しかし、どの風邪症状にも葛根湯が有効なわけではありません。

先述した風邪の東洋医学的な4タイプの中では、葛根湯が有効なのは「風寒タイプ」です。風邪の超初期で、少し寒気がするくらいの時には葛根湯を服用すると良いとされます。

しかし、例えば「風熱タイプ」のように、熱が出てしまっている状態では、葛根湯はかえって体に良くない薬となります。葛根湯は基本的には体の熱を上げる働きのある漢方です。ご自身の症状にあわせた服用が重要なので、簡単に手に入る漢方ですが、専門家の指示のもと服用しましょう。

▶︎葛根湯についてまとめた記事はこちら

風邪の症状を改善する経穴(ツボ)

風邪の症状ごとに、効果的なツボをまとめました。内容を簡単にピックアップしてご紹介します。

  • 寒気がある風邪の初期:【大椎】
  • 発熱、のどや鼻の痛みがある炎症症状:【魚際】、【曲池】
  • 鼻水、鼻づまり:【印堂】、【迎香】、【風池】
  • 咳:【尺沢】、【太淵】、【膻中】
  • 痰の絡み:【豊隆】

こうしたツボへの刺激は、五臓の肺の働きを整えることで、風邪の諸症状を緩和する働きがあります。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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