風邪の症状にあわせて経穴(ツボ)を使い分け、早期回復を目指そう

風邪のツボ 選穴・配穴

今回は、風邪をひいた時に現れる症状ごとに、効果的な経穴(ツボ)をまとめます。

東洋医学において、一言に「風邪(かぜ)」と言っても、出ている症状によって体の内部の状態は異なると考えます。

  • 寒気を感じる風邪の超初期
  • 発熱やのどの腫れが起きる頃
  • 一般的な「風邪をひいた」状態

上記のように、風邪の症状の進行度にあわせて、必要な治療や養生、用いるツボは異なります。今回は、こうした細かな症状に対して、どのようにツボを選んでいくかを紹介します。

スポンサーリンク

風邪の症状ごとにツボを考える

寒気がある風邪の初期に有効なツボ

ゾクゾクっと体が冷えた感じがし、寒気がある場合は、風邪の超初期だと考えられます。この時期には、体を温める効果のある【大椎】のツボを温めましょう。

大椎(だいつい)

大椎は背部の、首と背中の境目にあるツボです。手に伸びる3本の陽の経絡が大椎で交差することからも、大椎に体を温める働きがあることがわかります。

また、大椎は自律神経の働きを整え、体温調整の機能を整える働きがあります。ゾクっときたら、大椎の辺りを温かいシャワーやドライヤーなどで温めましょう。厳密に1点を大椎のツボと捉えず、広く背中を温めると簡単ですし、効果も大きく変わりません。

発熱、のどや鼻の痛みがある風邪に有効なツボ

熱が上がったり、のどや鼻など粘膜が痛くなるような風邪の症状には、【魚際】や【曲池】のツボを刺激しましょう。どちらのツボも、熱を冷まし、炎症を抑える効果があります。

魚際(ぎょさい)

魚際は肺の経絡の熱・炎症を抑える働きのあるツボです。解熱剤のように無理やり熱を抑えるのではなく、魚際を刺激することで肺の働きを整い、自然に近い解熱が起こります。

また、のどの腫れや痛み、鼻粘膜の痛みなどの炎症にも、魚際のツボは効果的です。手にあるツボなので、グリグリと押圧して刺激を与えましょう。

曲池(きょくち)

曲池も魚際と同じように、体の熱・炎症を抑える効果があるツボです。曲池は肺ではなく大腸に所属するツボで、解熱・炎症を抑える効果以外にも、腸内環境を整える働きがあります。

風邪をひいた時に、お腹の調子も悪くなる(便秘・下痢など)人は、曲池のツボを刺激して腸内環境を整えましょう。曲池はグリグリと押圧する刺激も、温灸で温める刺激もどちらもオススメです。

鼻水、鼻づまりに有効なツボ

たらたらと流れる鼻水、反対に息苦しい鼻づまりなど、鼻の症状には【印堂】や【迎香】、【風池】のツボを刺激しましょう。

印堂(いんどう)

印堂は鼻の不調を改善する特効穴です。印堂のツボを刺激しながら、鼻呼吸を繰り返してみましょう。少しずつ鼻水・鼻づまり症状が改善されます。

印堂のツボは顔にあるので、自分で温灸するのは難しいです。ぐっと押し込むように押圧をして、重く響く角度で持続して刺激しましょう。

迎香(げいこう)

迎香は鼻の両脇にあり、直接的に鼻を刺激することができるツボです。迎香のツボも印堂と同様、刺激をしながら鼻呼吸を繰り返してみてください。

迎香もぐっと押圧して刺激をしましょう。

風池(ふうち)

風池は後頭部にあるツボです。後頭部から鼻の方向に押圧することで、頭の奥から鼻にかけてズンと響きます。風池のツボは刺激する角度に応じて、目、鼻、のどなど対象を変えることができます。

「風」の字がつくだけあり、風池のツボは鼻の症状だけでなく、風邪の諸症状に広く効果的です。仰向けで横になり、後頭部を持ち上げるように風池のあたりを押圧して刺激しましょう。

スポンサーリンク

長引く咳に有効なツボ

咳が長引き止まらないでいると、どんどん体力を消耗してしまいます。【尺沢】や【太淵】のツボを刺激して、咳を抑えましょう。

尺沢(しゃくたく)

尺沢は肺の働きを整える効果の高いツボです。特に風邪の後期になかなか治りきらない咳などの改善に効果的です。咳が長引くと体力を消耗してしまうため、ますます風邪が治りにくくなります。肺の働きを整え、咳を抑えましょう。

太淵(たいえん)

太淵も尺沢と同様、咳を止める効果の高いツボです。太淵も肺の働きを整える効果が高くあります。

膻中(だんちゅう)

膻中は胸の真ん中にあるツボです。激しく咳を繰り返すと、胸部にも力が入り、気管支や肺への負担が大きくなります。膻中のツボを温めることで、こうした負担を緩和し、呼吸をサポートします。

膻中のツボは時間のある時に、温灸や温かいシャワーをあてて温めましょう。

痰絡み、粘りのある鼻水に有効なツボ

痰が絡み、咳が湿っぽい場合や、鼻水に粘りがある場合、余分な水分である湿痰が凝集しています。こうした痰を取り除く効果のある【豊隆】のツボを刺激し、水分の排出をサポートしましょう。

豊隆(ほうりゅう)

豊隆は体の余分な水分である「湿痰」を除去する「去痰」の効果の高いツボです。のどに痰が絡み、咳が湿っぽい場合や、鼻水が多い場合など、豊隆のツボを刺激し、痰を排出するサポートをしましょう。

おわりに

今回は風邪をひいた時に起こる症状別にツボを紹介しました。熱、のど、鼻、咳、一つ一つの症状に対して、薬を処方される時にも、解熱剤、抗炎症剤、咳止め、といった具合に用意されます。薬がこうした症状を一つずつ押さえ込むのとは違い、東洋医学の治療では、そうした症状は全て肺の働きを整えることで改善されていきます。

風邪の際に起こる諸症状は、体が悪いもの(邪)と戦っているサインです。ツボを刺激してその戦いをサポートし、風邪をひく前よりも元気な状態になるよう、体を整えていきましょう。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

コメント