自律神経(交感・副交感)の仕組みと乱れる生活例、簡単な対策まとめ

天秤イメージ 予防・未病治
自律神経は交感神経と副交感神経から成り立ち、随時必要に応じて両者がバランスをとって優位に働くことで、私たちの体の機能が保たれています。循環、消化、呼吸、排泄など、私たちが無意識で行っているものの多くは自律神経がコントロールしているため、自律神経の乱れは様々な「どうしようもない」不調を呼ぶ原因になります。
季節の変わり目などに自律神経の乱れなく、快適に過ごせるよう、日々の規則正しい生活リズムや運動などの養生が重要になります。

 

季節の変わり目や何かと忙しい新年度、年度末など、患者さんの口からも「体が変化についていけず、自律神経がおかしくなった」なんて聞くことがあります。

「自律神経が乱れる」、「自律神経失調症」など、何となく聞いたことがある方は多いはずですが、実際のところ、自律神経とはどういうもので、なぜ乱れてしまうのでしょうか。

自律神経の仕組みを知り、「乱れにくい生活」を目指しましょう。

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自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立つ

無意識下で体を支える自律神経

「肘を曲げる」といった筋肉の運動などとは違い、心臓の動きや呼吸、消化など、僕たちの意識では動かしたり止めたりできないものを操っているのが、自律神経です。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つのことを言います。それぞれの働きを簡単にまとめると下表のようになります。

自律神経の機能
交感神経 副交感神経
心拍数 増加 減少
気管支 拡張 収縮
消化 抑制 活発
膀胱直腸 貯蔵 排泄
筋肉 緊張  弛緩
血管 収縮

交感神経が優位に働いているのが、緊張している時、運動している時です。一方、リラックスしている時は副交感神経が優位になっています。

それぞれ少し細かく見ていきましょう。

「闘争」と「逃走」は交感神経が優位な状態

自律神経の不調を抱える人からしたら、「交感神経が優位に働いている」のは良いイメージがないかもしれません。深呼吸やリラックス、穏やかな気持ちの反対で、交感神経は、活動的な時に優位になります。

「戦闘モード」の体の状態と考えるとイメージしやすく、

  • 眠くない
  • お腹が空かない
  • 神経質になる
  • 呼吸促進
  • 心臓バクバク
  • ストレス

緊張している時や、初恋の時、と表現することもあります。

僕たちは交感神経について学ぶ時に、よく「闘争」と「逃走」の時に交感神経が優位だと習いました。闘う時、もしくは身の危険を察知して逃げる時に、お腹が空いたり、眠くなったりしませんよね。

リラックスしているのは副交感神経が優位な状態

副交感神経は、リラックスしている時に優位に働いています。温泉に入って「あ〜」とうめき声が漏れる時、布団に入ってうとうとしている時のイメージです。

  • 眠い
  • お腹が空く
  • ヘラヘラできる
  • 呼吸ゆっくり
  • 心臓もゆっくり
  • リラックス

ずっとこんな感じだと良いのに、って状態ですよね。しかし、これはこれで体にとってのストレスが皆無なわけではありません。心も体も緩みすぎ、それではいざという時に困ります。

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「自律神経の乱れ」は交感神経と副交感神経の切り替え不良

「自律神経が乱れる」という場合、上述した交感神経と副交感神経の働きが悪くなったことを指します。

交感神経が優位に働きすぎている場合

現代人に多いと言われる交感神経が過敏なタイプは、体が常に「戦闘モード」になっています。過緊張や過労、ストレスなどが蓄積することによって交感神経が優位な状態が続いてしまいます。

実際に現れる症状として多いのが、不眠症、食欲不振・消化不良、便秘、冷え性、慢性痛の憎悪などがあります。交感神経が優位なため、睡眠や消化がうまく行えず、末端の血流も悪い状態が続きます。そのため、冷えや、痛みに敏感になるといった特徴も現れます。

また、交感神経優位が続くと体の免疫力が低下することもわかっています。流行病にかかりやすくなったり、持病が悪化したりします。

副交感神経が優位に働きすぎている場合

リラックスを促す副交感神経ですが、優位に働きすぎても問題はあります。体がだるい、倦怠感が強い、強い眠気があるなどの症状は副交感神経が優位に働きすぎているサインにもなります。

実際に現れる症状としては、花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の悪化、肥満傾向、うつ状態などがあります。特に夜間に悪化する喘息や皮膚のかゆみなどは、睡眠時に副交感神経が優位になることがきっかけです。

必要に応じた交感神経・副交感神経の切り替えができていない場合

交感神経・副交感神経どちらかに偏った症状の他にも、「仕事中なのに猛烈に眠い」、「逆に夜に目が覚めてしまう」といった、交感神経と副交感神経の逆転現象をよく耳にすると思います。

必要に応じた交感神経・副交感神経の切り替わりができていない場合も、自律神経の乱れがあると考えられます。本来は自分で意識しなくても切り替わるはずの自律神経ですが、日々の生活によってその切り替わりがうまくいかなくなります。そのため、「お風呂に入ってリラックス」や「睡眠前にストレッチ」など、自律神経の切り替わりのスイッチを習慣化することを勧めます。

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自律神経の乱れは1日で起こらず、1日で治らず

自律神経は、例えばダイエットや筋トレのように、「痩せたいから週に3日運動を継続したら痩せた」と言うようにはいかず、日常生活の中で、僕たちの意識にのぼらないレベルで働いているものです。

そのため、小さなストレス、日々の不摂生の積み重ねによって、急に症状が現れることもあります。

日常生活の中で自律神経の乱れを引き起こす原因を考えると、下記の項目があります。

  • ストレス
  • 不規則な食事
  • 夜更かし
  • 嗜好品(酒、タバコ、コーヒーなど)
  • スマホやPCの明かり

自律神経が乱れる生活例【交感神経優位】

「デスクワーク(PC)で前日に残業をして、帰宅して寝るまでに撮りためた録画を観た。シャワーを浴びて、ベッドに寝そべってスマホをいじり、寝落ち。翌朝、眠い目をこすりながらエナジードリンクを飲んで出勤」

ぴったりと一致せずとも、似たような生活を送った経験がある人は多いでしょう。そして、こうして明文化すると「ここが良くない」とわかるのに、普段気にせずやってしまっていることが、よくない習慣だと言えます。

特にパソコンやテレビ、スマートフォンなどの液晶は交感神経を優位に働かせることで有名です。疲労を感じて休みたい時にもそうしたもので興奮状態になってしまい、自律神経が乱れる原因となってしまいます。

自律神経が乱れる生活例【副交感神経優位】

「今日は仕事が休みなので朝寝坊。起きたのは午前11時頃で、朝昼兼ねた軽食、再び横になってテレビをみる。いつの間にか寝てしまっていて夕方に。たまの休みなんだからと、体を動かすことなくダラダラと過ごすようにしている。」

よくある「寝すぎてだるい」という状態に近く、リラックス・休養も過ぎれば自律神経の乱れを呼び、不調の原因になります。

自律神経の乱れを東洋医学的に考える

自律神経について、東洋医学ではどのように考えるかは別の記事にまとめました。

東洋医学において、「自律神経」という概念自体はあまり考慮しません。自律神経がコントロールしている働きは、五臓六腑のそれぞれの働きによって成り立ちます。

しかし、自律神経の働きに一番近いものが、五臓の肝です。

五臓の肝には、気の巡りをつかさどる「疏泄(そせつ)」という働きがあります。ストレスや過労などによって、肝が消耗すると、疏泄の働きが機能しなくなり、気の巡りが滞ります。結果、自律神経失調に近い症状が現れます。

自律神経の乱れ・症状

気の働きの低下

五臓の肝の働きの低下

東洋医学では、自律神経失調としてその時出ている症状を止めるだけでなく、気についての治療、根本にある五臓の肝の治療を行い、症状を改善します。

▶︎東洋医学における五臓の肝と自律神経との関係まとめへ

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自律神経のバランスを整える一般的な方法

太陽の動きに合わせた活動

太陽の光を感知すると、セロトニンとメラトニンというホルモンが分泌されます。セロトニンはストレスを軽減する作用のある幸せホルモンで、脳を覚醒させます。一方、メラトニンは日光を感知してから10時間〜14時間後くらいに分泌され、眠気を促進します。

私たちの体は日中、特に朝に起きて、しっかり太陽光を浴びることで目が覚め、夜に眠くなるようにできています。規則正しい生活が必要なのは、こうした体の仕組みからも証明されています。

規則正しい食生活

内臓にも時間感覚があると言われています。食事のリズムが乱れたり、朝昼晩のどこかの食事を抜いたりすると、消化、吸収のリズムも崩れます。

また、お酒やコーヒーなどの嗜好品、味の濃いものばかりを摂取すると自律神経は乱れます。あくまで、たまに、楽しむ程度がおすすめです。

リフレッシュする適度な運動

自律神経が乱れて体に症状が現れることもあれば、体の不調が自律神経の乱れを呼ぶこともあります。

ストレッチやヨガなどの全身運動がすすめられるのは、

  • 体全体をしっかり動かせること
  • 深呼吸を意識できること

など普段の生活にない動きをできるからです。

ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動も、体の血液循環にも良いし、気分のリフレッシュにも良い運動です。少し違った環境で、体全身を使って楽しめる運動を見つけられると理想的です。

ストレスの少ない生活を心がける

これが一番難しい点ですが、鍼灸や指圧治療をしていて、心と体は密接につながっていると感じることが多くあります。

  • 痛みに敏感
  • 細かいことが気になる
  • 落ち込むことが多い
  • 悩むくせがある

元々の性格も関係ありますが、こうした性格にさらに外からのストレスが加わると、顕著に不調が現れることがあります。

何かがあっても動じない精神力を身につけるとなると大変ですが、何かがあっても切り替えられる運動や食べ物など、自分の好きなものがあるとサポートになります。イライラしたり、どうしようもなく疲れた時くらい、好きなものを食べ、好きな人と過ごし、好きなことをする時間も必要です。

 

おわりに

自律神経由来の症状は、十人十色、様々な症状、憎悪寛解、治癒再発を辿りますが、必ず良くなります。

また、「これも自律神経なの?」という症状まで広く関わることもあれば、「この症状を自律神経のせいにするなんて」という診断を受けている方もお見受けします。

「気の持ちよう」と言うのは簡単ですが、自律神経由来の症状は、治ってみたら「何であんなに悩んでいたんだろう」と思うほど。

運動でも、食事でも、読書などの趣味でも、バランスが整う何かに出会えることを心から願います。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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