【百会】頭頂部・頭のてっぺんにある経穴(ツボ)の紹介

百会の詳細イメージ 361+α

今回は、【百会(ひゃくえ)】というツボについて、場所や、刺激することで期待できる効果などをまとめていきます。

「頭のてっぺんを押すと、下痢になる」なんて、聞いたことがありませんか? 頭のてっぺんに百会のツボがあります。

真偽やその理由はわかりませんが、治療の一環で百会を刺激すると、「下痢になる」と恐れられることもあります。

そんな百会について、ツボの特徴などをまとめていきます。

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百会(ひゃくえ)の位置と所属経絡

百会というツボの位置や、所属している経絡についてご紹介します。

百会の位置

頭部、前正中線上、前髪際の後方5寸。

新版経絡経穴概論

百会は頭のてっぺんにあるツボです。両耳を縦に折り曲げて、そのてっぺんを結んだ中点(頭頂)にあります。

つむじと同じ場所にある人もいますし、違う場所にある人もいます。人それぞれです。

百会の所属経絡と特徴

百会は督脈に所属するツボです。督脈はお尻から始まり、背中の正中線状(背骨の上)を流れ、頭をまわって歯茎まで伸びる経絡です。督脈は体の全ての陽を統率しているため、「陽脈の海」とも呼ばれます。

  • 頭頂部にある

百会というツボは、頭頂部にあります。皮膚の下には帽状腱膜という薄い組織があり、すぐに頭蓋骨に至ります。おでこにある前頭筋と、後頭部の後頭筋をつなぐのが帽状腱膜です。

百会に鍼を刺しても、数ミリで頭蓋骨にあたります。しかし、帽状腱膜への刺激は入り、前頭筋・後頭筋どちらにも刺激を届けることができます。

  • 交会穴

百会は複数の経絡が交わる「交会穴(こうえけつ)」です。百会の「百」は経脈の数が多いこと、「会」はその気血が集まるところという意味があります。

  • 大泉門とは異なる

子どもが産まれてから調べて知りましたが、乳児の頭部にある大泉門は、成長と共にふさがり「顖会(しんえ)」というツボになります。「顖」という文字に「泉門」という意味があるようです。

顖会は百会より3寸おでこよりにあるツボです。

生まれたばかりの赤ちゃんは骨の継ぎ目部分のすき間(大泉門)が空いています。分娩時にはこのすきま部分を利用して骨と骨が重なり合い、頭のサイズを小さくして狭い産道を通ります。(参考:母子衛生教育会
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百会のツボの治療効果まとめ

百会を刺激することで期待できる効果についてまとめます。

脳疾患に

百会はその位置上、頭蓋骨を通して脳疾患にも効果があると言われています。

  • 脳血管障害
  • 血圧の異常
  • 神経症
  • 精神疾患
  • 健忘

参考書や古典には脳疾患全般に効果があると記載されています。

私の経験では、百会を用いるのは下記の症状が一般的ではないかと考えます。

  • 過緊張による不眠
  • 自律神経の失調
  • 抑うつ傾向
  • 頭痛

帽状腱膜への刺激により、頭部全体の緊張が緩みます。頭部の締め付け感や、ピリピリと表面が痛むような症状によく用いるツボです。

鼻の疾患に

鼻炎や、止まらないでダラダラ流れる鼻水、鼻づまりには、特に百会のお灸が効果的です。

自分で刺激する場合、お灸は難しいので押圧でも十分効果が期待できます。

肛門疾患・内臓下垂に

「頭のてっぺんを押すと下痢になる」と言われますが、実際の百会の治療効果としては、下記のような症状を改善します。

  • 脱肛

実は子どもの頃から言っていた「下痢になる」とは反対に、痔や脱肛などを「引き上げる」働きがあります。内臓下垂などの臓器の位置の変調にも効果的です。

経験治療ですが、私は下痢や軟便の患者さんには百会を刺激することが多いです。

皮膚の引き上げに

おまけのような効果ですが、美容鍼などでは百会をはじめ頭皮にも鍼をうちます。

私たちの体には常に重量がかかり、寝ている時以外は常に皮膚が下に下に引っ張られている状態です。この時に支点になっているのが、頭頂部の百会です。

百会を刺激することで、百会を支点に垂れ下がっていた全身の皮膚が戻ろうとします。結果、シワやたるみも上に引き上げられ、美容効果につながります。

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百会とあわせて刺激したいツボ

百会とあわせて刺激しやすいツボとして、奇穴である四神総(ししんそう)をご紹介します。

奇穴とは、十四正経(任・督・肝・心・脾・肺・腎・心包・胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)に属さないツボを言います。

四神聡(ししんそう)

頭部、百会を中心に前後左右それぞれ1寸の部に4穴を取る。

新版経絡経穴概論

百会を囲むようにとった4つのツボをまとめて四神聡(ししんそう)と言います。

  • 百会と一緒に刺激しやすい

頭のてっぺんにある百会を押すついでに、その周りも押してみましょう。響くように圧痛がある場所があれば、長めに刺激してみてください。

  • 頭痛やめまいに

四神聡も百会と同じように、頭痛やめまいの症状を改善します。頭がしめつけられるような痛み(慢性的なもの)があれば、百会と四神聡を押してみましょう。

  • 精神疾患にも

百会と同じく、四神聡は抑うつ傾向などの精神疾患にも効果的です。

四神聡は奇穴なので、所属経絡や臓腑がありません。症状に対して効果があり、よく用いられる経験穴(けいけんけつ)です。

 

おわりに

今回は頭のてっぺんにある百会というツボをご紹介しました。百会、四神聡共に頭周りの症状の改善や、下垂症状(痔・脱肛・内臓下垂など)にも効果があります。

よく言う「頭のてっぺんを押すと下痢になる」という迷信とは反対の効果があるので、ご紹介してみました。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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