東洋医学・鍼灸治療の考え方と治療の流れのご紹介

古典イメージ 治療

私たち鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師が、皆さんの不調に対して何を考えて、どのように治療をするのか、その基本的なことをまとめてみます。

  • 鍼灸治療を受けたいけど、どんなことをする?
  • 普通のマッサージとの違いはどんなものがある?
  • 鍼灸治療を受けてみたいけど、何も知らないと不安

そんな人は特に、読んでもらうと鍼灸・あマ指治療のことを少し理解していただけます。

スポンサーリンク

万病に通じる東洋医学や鍼灸による治療

東洋医学や鍼灸って、いきなりはとっつきにくいですよね?

鍼灸師である私もそう思います。今も治療をしていて、「こんなことも治せるんだね!」と、驚かれることがあります。

それくらい、東洋医学や鍼灸の世界は一般的には馴染みのない世界です。

それなのに、ある一定の層からは絶大の信頼があり、「絶対に鍼灸が良い」という熱意ある人もいるほどです。また、国家資格であることからも、信頼性は高く、医師の中にもその効果を認めている人もいます。

私も、治療を重ねてきた今、何となく鍼灸のすごさを実感してきています。

いわゆる、肩こりや腰痛だけでなく、難病指定されている病気の治療や、後遺症改善も、そもそもの体質を改善することも可能だと感じます。

そうした難病の治療や、体質改善、症状の完治・根治に関して、東洋医学の考えは特に強みになります。

スポンサーリンク

悩める症状の性質から【虚実】を確認する

まず、今悩んでいる症状の性質を確認します。

症状の性質と虚実
急性期=実証 慢性期=虚証
発症 急に悪化 徐々に悪化
性質  ズキズキ、鋭い痛み  シクシク、重鈍い痛み
増悪 疲れに関係ない  疲れると悪化
刺激  押すと痛い  押すと気持ち良い

現れる痛みやしびれのような、筋肉や関節、神経の問題だけでなく、耳鳴りや眼精疲労、不眠、下痢などの、不定愁訴に近いものまで、悩んでいる症状の現れ方、性質を詳しく確認します。

東洋医学では上表の、急性期にあたる症状が多い場合を「実証」、慢性期にあたる症状が多い場合を「虚証」と捉えます。

実証は体内の「何か」が多い、過多な状態を指し、虚証は反対に「何か」が少なく、足りていない状態を指すことが多いです。

体内の何が虚・実の状態なのかを確認する

何となく自分の症状が、「虚」寄りなのか「実」寄りなのかわかったところで、いったい体の中の何が「虚」、「実」で、症状が起こっているのかを確認します。

虚実が関わる体内のエッセンスとして、下記の項目があります。

  • 気(き)
  • 血(けつ)
  • 津液(しんえき)=水分
  • 精(せい)
  • 陰陽(いんよう)

気の虚実(過不足)による症状

まずは体を動かすエネルギーである「気」の虚実(過不足)によって代表的に見られる症状を確認してみます。

気の不足【気虚】の特徴

下記の症状が、気虚の場合に現れる特徴的な症状です。

  • 疲れやすい
  • すぐに横になりたくなる、常に眠い
  • 倦怠感・無力感が強い
  • すぐに息切れする

気の過多である【気滞】の特徴

下記の症状が、気滞の場合に現れる特徴的な症状です。

  • お腹や脇、胸の張り
  • 膨満感
  • オナラやげっぷが多い
  • イライラしやすい

血の虚実(過不足)による症状

体を栄養し、潤す働きの「血」の虚実(過不足)によって起こる、代表的な症状を確認します。

血の不足【血虚】の特徴

下記の症状が、血虚の場合に現れる特徴的な症状です。

  • 貧血傾向にある
  • 血色が悪い
  • 冷えを感じる
  • しびれ、筋肉がつることがある
  • 爪の変形がある

血の実【血瘀】による症状

下記の症状が、血瘀の場合に現れる特徴的な症状です。

  • ずっと同じ場所が痛む、気になる(固定痛)
  • 刺すように痛むことがある(刺痛)
  • 夜間に症状が増強する(夜間痛)
  • 顔色が悪い、内出血が起こりやすい
  • 月経血に血塊が混ざる

津液の虚実(過不足)による症状

体内の水分の総称である「津液」の過不足によって現れる、代表的な症状を確認します。

津液の虚(乾燥)による症状

津液の虚は、シンプルに体内の水分の不足と捉えて大丈夫です。

  • 皮膚の乾燥
  • のどの乾き
  • 髪の毛のパサつき

津液の過多【湿痰】による症状

湿痰の場合に現れる症状は、下記の項目があります。

  • むくみ
  • 鼻水、痰
  • 下痢
  • 体の重だるさ

精の(過)不足による症状

精は生命力の源でもあるため、有り余って病になることは、あまりありません。そのため、不足している場合に起こる症状のみ紹介します。

精の不足【精不足】による症状

下記の症状が、精不足の場合に現れる特徴的な症状です。

  • 老化現象
  • 泌尿・生殖器の問題
  • 骨や歯が弱い
  • 髪の毛が弱い
  • 耳が遠い

陰陽の虚実(過不足)による症状

体内の陰陽のバランスが崩れることで起こる代表的な症状を確認します。体内の陰陽は、お互いがバランスをとりあって盛衰を繰り返しています。

陰の不足・陽の実によって起こる症状

  • 熱、ほてり
  • 不眠
  • 寝汗(陰虚)
  • 痩せ体質

陽の不足・陰の実

  • 冷え
  • 顔色が青白い
  • 鼻水や尿が透明

気血水精・陰陽の虚実が起こる原因を五臓六腑の働きから確認する

体内の気・血・津液・精を、過不足(虚実)なく巡らせているのが、五臓六腑です。つまり、五臓六腑の働きが低下することで、気・血・津液・精のバランスが乱れます。

その結果として、病気や疾患が現れてしまいます。どの臓腑の問題なのか、確認してみましょう。

肝の不調で見られる代表的な症状

  • イライラ、情緒の乱れ
  • 胸の張り、のどのつかえ(梅核気)
  • 眼精疲労、かすみ目
  • 爪の変形
  • 筋肉のつり、しびれ

上記の症状が見られる場合、肝の働きの低下が考えられます。

心の不調で見られる代表的な症状

  • 動悸・不整脈
  • 動揺しやすい
  • 物忘れが多い
  • 不眠傾向
  • 夢を多く見る

上記の症状が見られる場合、心の働きの低下が考えられます。

脾の不調で見られる代表的な症状

  • 食欲不振
  • 消化不良、下痢など消化器症状
  • 食後のお腹の張り
  • 内出血しやすい体質
  • むくみやすい

上記の症状が見られる場合、脾の働きの低下が考えられます。

肺の不調で見られる代表的な症状

  • 風邪をひきやすい
  • 喘息・鼻炎持ち
  • 呼吸が浅い
  • 皮膚が弱い

上記の症状が見られる場合、肺の働きの低下が考えられます。

腎の不調で見られる代表的な症状

  • 成長不良、老化現象
  • 泌尿器・生殖器の症状
  • 耳が遠い
  • 歯や骨、髪の毛が弱い
  • 不眠傾向

上記の症状が見られる場合、腎の働きの低下が考えられます。

スポンサーリンク

総合判定の例-東洋医学・鍼灸治療の考え④-

ここまでで、

  1. 「虚」か「実」か
  2. 「気」「血」「津液」「精」どれの虚実か
  3. 五臓六腑の、何の問題で虚実が起こっているか

といった流れでみてきました。

例えば頭痛や肩こりでも、痛む場所や痛み方で、治療の方法は大きく異なります。

ざっくりとその流れを追うと、

  1. 頭がズキズキ痛む。
  2. イライラすると頭痛が悪化する気がする。
  3. そういえば最近、短気だと言われることが増えた。

となると、「実・気滞・肝の不調」と推測することができます。推測した結果に合わせて、気を巡らせる治療や五臓の肝を治療していくのが、鍼灸治療の基本になります。

このように、出ている症状だけでなく、その原因と、そうなる体質にもアプローチしていくのが東洋医学や鍼灸の治療法です。

完治・根治に向けて

鍼灸治療によって、魔法のように一回で治る。そんなことは、ほとんどありません。

これまでの生活習慣はもちろん、必要であればご家族の体質まで確認しながら治療を行います。そして、生活習慣の改善や、動きの改善をしていく先に完治・根治が見えてきます。

鍼灸治療は、そのサポートに過ぎません。

 

しかし、先ほど例にあげた頭痛のような症状、いつもなら、何となくやり過ごしていませんか?

市販の頭痛薬でごまかしていませんか?

それは、出ている症状に蓋をして、見えないフリをしているだけです。そのままでは、治らないどころか、もっとひどい症状が現れるかもしれません。

他の症状も同じです。

だから、私たちのような、違った視点から治療を行う立場があります。痛みや症状は、体の奥底からのメッセージです。

しっかりと向き合う、そのお手伝いをさせていただきます。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

コメント