腸内環境を整えて下痢・軟便を改善する経穴(ツボ)

下痢や軟便のツボまとめ 選穴・配穴

今回は下痢や軟便を改善し、便通を正常にする経穴(ツボ)を紹介します。

下痢や軟便は、便秘と比べ「出るだけマシ」と考えがちですが、腸の状態が良いとは言えません。水分の過剰、冷えなど、下痢や軟便になる原因を東洋医学的に考え、それに合ったツボを刺激しましょう。

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下痢・軟便を改善するツボ

下痢や軟便を改善するために、東洋医学では下記の点を重視します。

  • 五臓の脾の働きを整える。
  • 六腑の大腸の働きを整える。
  • 五臓の腎の働きを整える。
  • 上に引き上げる力をサポートする。

五臓の脾を整える

胃、小腸、大腸など、消化器全般の働きを統括しているのは五臓の脾です。脾の働きが低下することで、消化器全般の働きが低下してしまい、下痢や軟便などの症状につながります。

元々胃腸が弱い、体がむくみやすい体質で下痢や軟便がある場合は、脾の働きを整えることで、下痢、軟便を改善することができます。

三陰交(さんいんこう)

三陰交は脾に属するツボです。胃腸が弱い人の体質改善や、冷えからくる下痢・軟便の改善にオススメなツボです。腎の項で後述する明け方の下痢「五更泄瀉」も、脾と腎の冷えによって起こります。

三陰交は特に下半身を強く温める働きもあります。消化器の弱い人、冷えに弱い人には欠かせないツボです。

陰陵泉(いんりょうせん)

陰陵泉も脾に属するツボです。陰陵泉は特に体の水分代謝を調整し、余分な水分を排泄する効果の高いツボです。

下痢や軟便は体の余分な水分である「湿痰(しつたん)」が原因となることもあります。本来は大腸内で便から水を再吸収していますが、体に水分が多いと、便の水を再吸収せずに排泄します。結果、下痢や軟便のように水分が多い便になります。

足三里(あしさんり)

足三里のツボは五臓の脾、六腑の胃の働きを整えることで、消化器全般の不調を改善します。良い便を形成し排泄するためには、始まりは口から食道、終わりは肛門までの消化器全体の働きが十分なことが理想です。

足三里はこうした消化器全体の調子を整え、飲食を支える働きを助けるツボです。

六腑の大腸を整える

当然ながら、下痢や軟便の原因は大腸の働きの低下にもあります。大腸の働きが低下していて、便が形成できない場合や、水分の再吸収ができない場合に下痢や軟便は起こります。

天枢(てんすう)

天枢は大腸の募穴(ぼけつ)という特徴を持ちます。これは、大腸の反応が天枢のツボによく現れ、また天枢を刺激することで大腸に働きかけることができる、という特徴です。

水分の摂りすぎによって起こる下痢や軟便の場合、天枢のあたりを押すと張りがあり、腸が膨れているような感触があります。お腹を温めてその水をとばす(蒸発させる)イメージで、温灸をすると効果的です。

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五臓の腎を整える

五臓の腎は「二陰(尿道、肛門)が竅(あな)」であり、腎の状態が泌尿器や消化器にも影響することがあります。特に明け方に起こる下痢を、「五更泄瀉(ごこうせっしゃ)」と呼び、これは腎の陽が低下することで体が冷えて起こります。

太渓(たいけい)

五更泄瀉の原因は冷えです。本来は朝に食事をとることで胃腸が動き、便通があります。しかし、冷えによって消化器の働きが低下し、さらに腎の働きも低下することで、肛門(二陰)をしめておくことができず下痢をしてしまいます。

太渓のツボを温めることで、腎の陽を補い、体を温めましょう。

次髎(じりょう)

次髎は腰の仙骨という骨にあるツボです。次髎のツボを温めるというより、仙骨全体を温めるイメージで問題ありません。仙骨にある次髎のツボのあたりを温めることで、骨盤の中に収まる大腸にも熱が届き、冷えからくる下痢や軟便を改善します。

上に引き上げる力をサポートする

鍼灸治療では、下痢や軟便などの下に向かう症状を、体の上の方を刺激することで引き止める方法があります。

百会(ひゃくえ)

昔、「頭のてっぺん(つむじ)を刺激すると下痢になる」と言いませんでしたか?

本当の効果としては逆で、頭のてっぺんにある百会のツボには、下痢や軟便を止める働きがあります。百会には「上にあげる」働きがあり、即効性も期待できます。ツンと痛みが響くくらい刺激しましょう。

乳幼児の場合、頭蓋骨が完全に形成されていないため、頭部への刺激を避ける目的もあって「つむじを押すと下痢になる」と言い伝えられたのかもしれません。

おわりに

今回は下痢や軟便を改善するツボについてまとめました。主に水分の過剰、冷えが下痢や軟便の直接の原因となりますが、東洋医学では「どこが冷えているか」にも着目します。

下痢や軟便の場合、便秘よりも軽視され、腸内環境を見直す意識は高くありません。しかし、下痢や軟便時にも、腸内環境は乱れていると考えられます。排便があるから良しと考えずに、便の状態を確認してみてください。

▶︎便秘を改善するツボはこちらへ

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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