「古傷が痛む」は体の不調のサイン。古傷と五臓の対応から完治を目指そう

古傷 予防・未病治

「雨の日には昔痛めた膝が痛む」や、「疲れると以前骨折した部位が痛む」といったように、今は治ったと言われても、条件が重なると不思議と痛みが起こることがあります。

レントゲンなどの検査で異常がなくても、確かにそこに「痛み」や「不調」が存在する、東洋医学ではそうした痛みも治療が必要だと考えます。また、そうした痛みは体からくるサインであるとも考えます。

今回は、そういった「古傷」について、東洋医学の考え方などをまとめていきます。

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体はずっと「古傷を治すために」働いている

東洋医学では、最近の外傷だけでなく、過去に経験したことのある骨折や捻挫、手術の既往、出血を伴う症状などについて細かく確認します。

そういった過去の外傷は、画像診断や目で見た判断で治ったと思えても、実際に体の中では治っていないことが多くあります。そして、そんな古傷を治すべく体は常にそこに気を遣っています。

目で見える「治った」だけでは信じられない

骨折や手術だと、お医者さんから「治りましたよ」と言われたところで完治だと考える人が大半です。骨や皮膚の癒合は、もちろん一つの治癒の指標でしょうが、それが「完治」と言えるとは限りません。

  • 疲れると古傷が痛む・疼く。
  • 何となく古傷のあたりが気になる。
  • 雨の日になると古傷が痛む・疼く。
  • お酒を飲むと古傷が痛む。

こうした状況によって現れる痛みや違和感がある場合、その部位が完治しているとは言い難いです。

骨折や手術など、体にとっては大きな出来事です。そうした過去に起こった出来事でも、それを治すべく体の中の気血や、五臓六腑は常に働いていることがあります。

結果、気血が他の部分に足りなくなったり、五臓六腑が疲れたりして、違う不調として現れることがあります。そのため東洋医学の治療では、既往歴(過去の怪我や手術の有無など)を細かく確認し、そうした古傷の治療も含め、今ある症状の治療を行います。

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古傷の種類と治癒に働く五臓の目安

五臓と体の部位の対応を確認

五臓には、それぞれ対応する体のパーツがあります。

  • 肝:「筋」をつかさどる。
  • 心:「脈」をつかさどる。
  • 脾:「肌肉」をつかさどる。
  • 肺:「表皮」をつかさどる。
  • 腎:「骨」をつかさどる。

五臓の対応する部位を踏まえると、骨折をするとその治癒に五臓の腎が働くことがわかります。つまり、五臓の対応する部位から、何か問題があった時により消耗する五臓を判断することもできます。

例えば、「最近足腰が重く痛み、耳鳴りもするようになってきた」という患者さんがいた場合、足腰の痛み、耳鳴りから五臓の腎の不調を疑います。過労がないか、性交渉の過多じゃないか、加齢によるものか、そうした「腎を消耗する原因」の中に、「過去に骨折をしていないか」を確認する必要があります。

古傷の種類と五臓の対応の例

  • 肝:筋や靭帯の損傷の既往の確認。
  • 心:大きな出血を伴う怪我などの既往の確認。
  • 脾:手術や火傷、擦り傷などの既往の確認。
  • 肺:手術や火傷、擦り傷などの既往の確認。
  • 腎:骨折や成長痛などの既往の確認。

一例ですが、外傷など怪我がある場合には、対応する部位ごとに五臓が働き、その治癒にあたります。そして、その負傷を治すべく、見た目で治っていてもまだ五臓は働いているかもしれません。

過去に大きな手術をした経験などがあると、皮膚や筋肉、時には骨を切り、それをまたつなぎ合わせた記憶が体には残ります。それは、見た目で綺麗にくっついていても、手術をしていない皮膚や筋肉と全く同じに戻ることはありません。常に、それを元どおりに戻そうと体は働いてしまいます。

古傷の痛みはあくまで体からのメッセージ

「雨の日に古傷が痛む」という経験のある人は少なくありません。痛むのが過去に骨折したところであれば、五臓の腎の働きが低下しています。捻挫や筋損傷であれば、肝や脾の働きが低下しています。

実際に訪れる患者さんで、「古傷が痛むから治療をしてくれ」という人は少ないです。そうではなく、まず第一に「今、悩んでいる不調があって、それを治して欲しい」という大きな訴えがあります。その治療の過程で「そういえば古傷が痛むことがある」といった場合に、その部位の治療をします。

 

傷の治癒の具合は五臓の働きを知る指標になる

ここからは少し発展編として、傷の治癒の具合から自分の体の状態を知ることができます。

例えば、転んで膝小僧を擦りむいてしまったり、家事で手先を切ってしまったりしてできた傷が、いつまでも治らないことがありませんか?

それは、気血が足りなかったり、五臓六腑の働きが低く、傷を治す力がない現れである場合があります。傷の治りが遅い人は、体を見直す良いきっかけになるかもしれません。

新しい傷も、古傷も、今ある体が治す

骨折や手術だけでなく、傷の大小かかわらず、私たちは年齢を重ねるごとにある程度の傷を負い、体を消耗して生きています。それを自身の回復力で治癒しています。そのために、適切な食事や睡眠、運動で、治癒にあたる気血や五臓六腑の働きを整える必要があります。

古傷の痛みは、こうした「それまでの消耗」が「回復力」を上回った結果現れるサインです。少し立ち止まって、日々の生活の見直しの良いきっかけにしてみてください。

 

おわりに

今回は東洋医学の五臓六腑と、古傷についてまとめてみました。

  • 「治った」と言われた古傷や手術の痕でも、本当には治っていないこともある
  • 古傷があると、そこを治すために気血や五臓六腑が余計に働いている
  • 気血や五臓六腑が古傷の治癒に働きすぎて、他の不調につながることもある
  • 新しく怪我をしたら、その傷の治りのスピードをチェック。なかなか治らない傷は、体の疲れの現れ

大昔の怪我でも、起こったのは同じ自分の体です。それを治すのも、自分の体です。古傷の痛みは、わかりやすい体からのメッセージ。しっかり受信して、対応していきましょう。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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