入眠困難・中途覚醒などの不眠症に対する東洋医学の考えと対処法

不眠症イメージ 治療

今回は、体の不調全てに関係してくる【不眠・睡眠障害】についてまとめていきます。

ただ眠ることができないだけでなく、途中で目が覚めたり、朝早くに目覚めてしまったりするのも、不眠の一部と考えられます。

睡眠は体を回復させるためにも、欠かせない生活の一部です。不眠を改善するような東洋医学的なアイディアやツボもご紹介します。

枕や布団にこだわる前に、体をしっかりと整えて、質の高い睡眠を目指しましょう。

スポンサーリンク

不眠・睡眠障害について

「しっかり寝ているつもりだけど、言われてみれば睡眠の質が高いかはわからない」

そんな人は、自分が不眠かどうなかをチェックしてみてください。睡眠障害の型と、夢と睡眠の関係をおさらいします。

睡眠障害の4つの型

一般的に、不眠には4つの型があると言われます。

  • 入眠障害:寝つきが悪いタイプ。横になってから睡眠までに時間がかかる。
  • 中途覚醒:寝ても途中で目が覚めてしまう。
  • 早朝覚醒:起きようと思っている時間より早く目が覚めてしまう。
  • 熟眠障害:いくら寝ても寝足りない。眠りが浅く熟睡感がない。

ある程度まとまった時間しっかりと眠ることができ、起きた時にスッキリとしている状態が、睡眠の理想です。そんな睡眠がとれていない場合、不眠傾向にあると言えます。

レム睡眠とノンレム睡眠

  • レム睡眠:浅い睡眠で、夢をみているからか急速な眼球運動を伴います。
  • ノンレム睡眠:深い睡眠で、夢はあまりみません。

睡眠中は、このレム睡眠とノンレム睡眠が、90分ごとに入れ替わります。夢を多くみて何度も起きてしまう人や、早くに目が覚めてしまう人は、レム睡眠とノンレム睡眠のリズムが乱れているかもしれません。

不眠の原因として考えられるもの

自律神経(交感神経・副交感神経)の乱れ

不眠の原因として一番知られているのが、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスの問題です。

活動をつかさどる交感神経と、休息をつかさどる副交感神経ですが、

  • 夜に交感神経の働きが過剰で抑えられない
  • 夜に副交感神経優位に体が働かない

などの要因で不眠につながります。

現代はストレス、パソコンやスマートフォンの液晶など、交感神経が優位に働きやすい環境です。睡眠時に交感神経がおさまらず、副交感神経優位にならないことで睡眠の質は低下してしまいます。

東洋医学的な不眠の考え方

東洋医学的に、不眠につながるのは五臓の心・肝・脾の3つです。これら3つの臓は、火(熱、陽)の性質を持ちやすく、頭を覚醒に傾けてしまいます。そして、残りの臓である肺や腎が、それらの火(熱、陽)を抑える役割です。結局五臓のバランスが大切だと言えます。

【心火】心の火が強くなった状態

覚醒時の精神活動や、意識の統括は五臓の心の役割です。そのため心の不調によって、夜間にも意識を沈ませることができないと、不眠につながります。

心の関わる不眠は、特に「多夢」が特徴的であり、夢を多く見て目が覚めることが多いです。

また、心の五液は汗です。寝ていてじっとりと寝汗をかく時(「盗汗(とうかん)」)は、心の働きが乱れている可能性が高いです。

【肝火】肝の火が強くなった状態

五臓の肝は血(陰液)を貯蔵する働きを持ちます。肝の不調で血がためれないと、その血を栄養にしている心の不調につながります。このように、肝と心は助け合う(相生)関係にあるため、肝の不調も不眠につながります。

また、血は陰陽で分類すると陰に属します。体内の陰成分である血が十分ためられていないと、体の陽を抑えることができません。血の不足である血虚によって不眠が起こることもあるほど、血と睡眠は深い関係があります。

肝だけでみると、ストレスで肝に熱がたまることで不眠につながります。イライラ、ムカムカして気がおさまらない、そんな不眠は肝が原因です。

脾の働きの低下

脾の五志は「思」にあたり、思い悩みすぎて眠れない場合は、脾の働きの低下が考えられます。

脾は飲食物から血を作る働きがあります。脾の働きが低下し、うまく血を作ることができないと、心を栄養する血が不足します。結果的に、心の働きも低下し、不眠につながります。

スポンサーリンク

不眠を改善する東洋医学の養生法

肝・心・脾の3つの臓の対策の他、肺と腎の働きも不眠に関係してきます。それぞれの臓の関係もあわせて紹介します。

五臓の肝と心の火を抑える

熱を持ちやすく、炎上性の上にあげる性質を持つ五臓の肝と心の火(熱)を冷ますことが大切です。

特に、ストレスを感じやすい人や、日中動かずに体の熱を発散できない人は、体内に余分な熱がこもりやすい傾向にあります。

東洋医学における体の熱に関する記事はこちら

 

脾の働きを整える

不眠の他に消化に関する不調もある場合や、物事を考えすぎたり悩みすぎたりする場合、脾の働きが低下していて、それが原因で不眠になっているのかもしれません。

脾は消化に関わる臓器のため、食生活の見直しも必要になります。

東洋医学における五臓の脾の働きと養生のまとめ

血の消耗を避ける

体の血を消耗すると、陰陽のバランスが崩れて不眠につながります。

血の不足である血虚は、

  • 一般的な貧血
  • 目の酷使
  • 月経
  • 出産や授乳

などが原因で起こります。

血の不足である「血虚」の症状や養生はこちら

腎と肺の働きを高める

腎は「陰陽の根本」と言われ、体の陰陽のバランスをとっている臓器です。また、腎は加齢や過労によって働きが低下しやすい臓器です。腎の働きを高めることで、体の陰の力は高まり、陽とのバランスをとります。

また、五行の分類で腎は水に属し、心の火を鎮火する働きがあります。逆に腎の不調は、心の火を抑えられず、不眠につながります。

また肺には、下に降ろす「粛降」という働きがあります。これは、吸い込んだ空気を体内に取り込む働きだと言われます。しかし、陰陽では陰に、上下では下に傾ける働きもあると考えられます(個人的見解)。

「深呼吸をして、リラックス」というのも、

  • 深く呼吸をすることで肺の働きが高まることと
  • 吸った空気が腎まで下りて届き、腎も栄養される

といったように、昂ぶる気持ちを抑えるのに深呼吸をするのも納得がいきます。

不眠症に効果があり熟睡を促すツボ

不眠症、睡眠障害を改善するツボをまとめました。内容をピックアップして紹介します。

  • 失眠:不眠症、睡眠障害の特効穴。
  • 内関:自律神経の調整。五臓の心の働きを整える。
  • 膻中:同じく心の働きを整え、気を整える。
  • 太衝:ストレスなど情緒の乱れを整え、気の巡りを改善する。
  • 太渓:五臓の腎の働きを整え、体を鎮め眠りやすくする。
  • 三陰交:血の生成を助け、体に陰を補充する。

おわりに

不眠についてまとめると、下記の通りです。

  • 寝汗・多夢のある不眠は心の養生が必要。
  • ストレス・目の疲れがある不眠は肝の養生が必要。
  • 不眠の他に消化器の不調がある場合、脾の養生が必要。
  • 加齢・過労による不眠は「陰」の補充が必要。

最終的には、五臓のバランス、ひいては日頃の生活の見直しが大切になるのは言わずもがなですね。

睡眠薬など睡眠導入剤を処方されている人は、薬に慣れてしまい、どんどん強い薬になると聞きます。薬に頼る前に、薬を受け入れる体の方も整えていきましょう。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

コメント