【復溜】特性を活かして腎精不足を解消する経穴(ツボ)の紹介

復溜イメージ 経穴(ツボ)
復溜は足の少陰腎経に所属し、内くるぶしの少し上の方にある経穴(ツボ)です。復溜は腎精不足によって起こる、発育不良や老化現象を改善する効果の高いツボです。復溜のツボの特性を、五臓の「母と子」の関係性などを踏まえて確認していきます。

 

今回は、【復溜(ふくりゅう)】というツボについて、場所や、刺激することで期待できる効果などをまとめていきます。

復溜というツボについて、聞いたことがある人はあまり多くないと思います。復溜は腎に属するツボで、特に腎の虚・腎精不足によって起こる症状を改善してくれます。

ツボの役割などもあわせて、復溜について掘り下げていきましょう。

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復溜(ふくりゅう)の位置と所属経絡

復溜というツボの位置や、所属している経絡についてご紹介します。

復溜の位置

下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸。

新版経絡経穴概論

復溜はふくらはぎの内側にあるツボです。内くるぶしから2寸膝寄りに上がったところの、アキレス腱にかかるところにあります。

2寸は指の幅3本分の長さです。内くるぶしから指3本分のところに復溜はあります。

復溜の所属経絡と特徴

復溜は足の少陰腎経に所属するツボです。腎経は足の裏から始まり、踵や内くるぶしのそばを通りながら胸部まで伸びる経絡です。

  • 陰陽の源

太渓の所属する腎は「陰陽の根本」と言われる臓器です。

陽なる力は活動力や熱を、陰なる力は鎮静や冷えといった方向づけを行い、体のバランスを保っています。

腎の働きが乱れると、この陰陽のバランスも崩れ様々な症状が現れます。

  • 腎経の経金穴

復溜については、この内容に触れたくて記事にしたところもあります。

復溜は腎経の中でも「経金穴(けいきんけつ)」という特徴を持ちます。

経金穴について詳しく説明するとややこしいので、簡単に。五行(木・火・土・金・水)の水にあたる腎の中にも、さらに五行があります。腎の経絡の中の、金に対応するのが復溜というツボになります。

以前の記事で、鍼灸治療の際に「五行の母・子を考慮した治療」についてまとめたことがあります。その考えを含め、腎の治療を考えてみましょう。

木→火→土→金→水→木→火…という五行の循環のうち、手前を母、後を子とします。

例)木が火を生み、土を作る。火にとって、木が親で、土が子。

これを五臓の腎で考えると、

肝(木)→心(火)→脾(土)→肺(金)→腎(水)→肝(火)→心(火)…という五臓の腎の場合、腎の母は「肺・金」となります。

五臓の不調のうち、特に「虚(不足)」による不調には、母にあたる臓を補うと治療効果が高くなります。このことから、腎の虚による不調には、母にあたる「肺」と「金」を補う治療をします。

腎の経絡の中で「金」に該当するツボが、復溜です。そのため、腎精不足のような虚の症状を治療するには、復溜への刺激がオススメとなります。

  • 「溜」という漢字が良いよね

経金穴などと難しい話になりましたが、簡単な話もご紹介します。

僕が鍼灸治療を教わった先生は、腎の治療に復溜を常用していました。別記事で紹介した、腎経の中でも重要なツボである「太渓(たいけい)」より、復溜を多用していた印象です。

先生になぜ太渓でなく復溜を使うのかを尋ねたところ、

「”溜”っていう漢字が良いじゃない、腎は(五行の)水だし」

とおっしゃっていました。

ぼくたち鍼灸師は理論的にも、感覚的にも、ツボの特徴を吟味して組み合わせています。

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「腎精を補う特効穴」ー復溜の治療効果

復溜を刺激することで期待できる効果をご紹介します。復溜はふくらはぎの内側にあるので、刺激しやすいツボです。個人的には、温めるような温熱刺激を与えることをオススメします。

腎精を補う

復溜への刺激は、腎精を補い、腎精不足による症状を改善します。腎精不足によって起こる症状を下にまとめます。これらの症状を改善するのに、復溜は効果的です。

  • 加齢に伴う症状

五臓の腎には、生命力の源である「精」を貯蔵しておく働きがあります。私たちが活動する時に、この精を気や血に変えています。

精は、加齢に応じて減少していきます。一定年齢をこえると、飲食による補充も追いつかなくなり、生命力は低下していきます。その結果、様々な症状が老化現象として現れます。

耳が遠くなる、髪の毛が抜ける・白髪が増える、骨が弱くなる、歯が抜ける、足腰が弱くなる、など
  • 発育、成長の問題

生まれてから成長していく段階において精が不足して起こる症状もあります。こちらは腎精の消耗や減少というより、飲食による生成が追いついていない場合もあります。

発育不良、夜尿症、成長痛、アレルギー体質、など
  • 泌尿器、生殖器の問題

東洋医学の腎にも泌尿器に関わる働きがあります。また、生命力を後世に伝える働きとして、精を蔵する腎が生殖器をつかさどります。

尿漏れなど排尿障害、膀胱炎、ED(インポテンツ)、生理不順、不妊、など
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復溜とあわせて刺激したいツボ

復溜とあわせて刺激をすると、より効果的なツボをご紹介します。

太渓(たいけい)

足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部。

新版経絡経穴概論

太渓は内くるぶしとアキレス腱の間にあるツボです。

太渓は復溜と同じく腎に属する重要なツボです。また、後述する「腎兪」のツボもあわせることで、より治療効果を高めることができます。

復溜の近くにあるツボなので、一緒に温めてみてください。

腎兪(じんゆ)

腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分。

新版経絡経穴概論

腎兪は腰椎(腰の背骨)の両脇にあるツボです。浮肋という12番目の肋骨の下あたりにあります。間違えて浮肋を押し込まないように気をつけましょう。

腎兪も読んで字のごとく、腎に関わる重要なツボです。太渓との組み合わせにより治療効果が高まります。

実際に腎臓を触ることはできませんが、ツボの位置的にも腎臓のある辺りに腎兪はあります。

 

おわりに

今回は鍼灸治療のアイディアの紹介も含め、復溜というツボについてまとめてみました。単に「良いツボ」だからというだけでなく、その中でも「どう良いか」、「何に良いか」を考慮して、ツボを使い分けています。

それを抜きにしても復溜は刺激しやすく、良いツボです。疲れを感じた時に、少し刺激してみてください。

 

大丈夫、大丈夫。

鍼灸指圧治療院あたしんち

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