今回はセルフケアの方法の一つとして、「ドライヤー灸」を紹介します。
読んで字の通り、ドライヤーを使ってツボを温めることで、温灸をすえるのと同じような効果が期待できます。火を使う温灸とは違い、安全、簡単に行うことができるため、日常的なセルフケアに取り入れやすい方法です。
目次
ドライヤー灸の方法
ドライヤー灸のおおまかな流れをご紹介します。後に繰り返しますが、安全・手軽であっても、火傷のリスクはあります。注意して行いましょう。
一般的なドライヤーでOK
温風の出るドライヤーであれば何でも大丈夫です。風量が強い必要もありません。
ツボにドライヤーで温風を当てるだけ
お好みのツボに、ドライヤーの温風を当てます。ツボの位置は厳密に考えず、だいたいのところでも問題ありません。(画像では「太渓」というツボを刺激しています)
最初は弱めの温風か、少し距離を離した位置から温風を当てましょう。物足りなかったり、温風の刺激に慣れてきたら、ドライヤーを少し近づけて刺激量を調整しましょう。くれぐれも、火傷に注意してください。
1回1〜2分程度でOK
1つのツボに対して、だいたい1〜2分程度の刺激で十分効果が得られます。1〜2分ずっと温風を当て続けるのも良し、感覚に合わせて温風を近くで当てたり遠ざけたりして調整するのも良しです。
長い時間温風を当てれば効果的というわけではありません。
冷えが強い場合などは、温風を当てる部位を少しずらしたり、次項「ドライヤー灸の応用」で紹介する10円玉を用いる方法などを試してみてください。
ドライヤー灸の応用
ツボの位置に10円玉を置き、ドライヤーで温風を当てます。10円玉は熱伝導率が高い銅で出てきているため、温風の熱を持続的にツボに伝えることができます。
これであれば、ツボへのピンポイントな刺激にもなります。ドライヤーの温風で周囲を温めつつ、ツボにも点の温熱刺激を与えることができます。
ドライヤー灸のメリット
- 火を使わなくて済む。
- 準備も片付けも不要。
- ツボの1点だけでなく、周囲を面で広く温められる。
ドライヤー灸のメリットは、何より火を使わずに体を温めることができる点です。ライターや灸を用意することなく、燃えカスの処理も不要です。煙も出ないため、換気をする必要もありません。
お風呂あがりに髪の毛を乾かす時に、気になるツボに少しドライヤー灸をする、それだけで良い手軽さがあります。養生やセルフケアというと、安全面や手軽さがないと日々の生活に取り入れることをためらいがちです。ドライヤー灸なら、簡単に、安全にツボを温めることができます。
ドライヤー灸の注意点
- 火傷に注意する。
- 皮膚の乾燥や肌荒れがある場合は注意する。
当然ですが、ドライヤーの温風であっても火傷のリスクはあります。また、肌が敏感な場合や、乾燥、肌荒れがある人は注意が必要です。そうした場合は、衣服の上から温風を当てたり、当て布を1枚隔てて試してみてください。
おわりに
今回はセルフケアの一つの方法として、ドライヤー灸を紹介しました。ドライヤーの温風をツボに当てることで、温灸と同等の効果を期待することができます。
安全、手軽な方法ですが、当然刺激量が過ぎれば火傷のリスクもあります。温風の強さやドライヤーを当てる距離などを調整し、セルフケアの質を高めてみてください。
鍼灸指圧治療院あたしんち
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