【股割りと開脚の違い】股関節の柔軟性と機能を高める股割りについて

股割りと開脚の違いイメージ 股関節・下肢

今回は、「股割り」と「開脚」の違いについて考えていきます。

お相撲さんがするのが股割りで、ストレッチでするのが開脚でしょうか。それとも、どちらも同じ意味で、表現の仕方が違うだけでしょうか。

私が挑戦しているのは、「股割り」です。その上で特に意識しているのが、「骨盤を立てたまま開脚していくこと」です。股割りとは、「腰椎(背骨の腰の部分)の生理的前弯と骨盤の前傾を固定したまま、開脚していく」ことだと考えています。

要約すると、

  • 開脚:全部脱力。筋肉をストレッチ(伸張)した行先。
  • 股割り:一部脱力。股関節の可動域拡大と機能向上の行先。

少しややこしくなりますが、お付き合いお願いします。

予備知識

鍼灸師・按摩マッサージ指圧師という「体のプロ」である職業柄、「股割り(開脚180度)くらいできるようにしてみたい」という思いがありました。

2016年頃に股割りに挑戦して以来、少しずつですが180度に近づいています。しかし、自分でやってみて「○○日で誰でも開脚180度になる」というアドバイスはできないと実感しました。

私の股割りチャレンジを通して、

  • 自分の体を観察し、年単位の体の変化をゆっくり楽しむ。
  • 無理のない範囲でケアをする。
  • 股割りを通して痛みの少ない体を手に入れる。

そんな風に一緒にチャレンジをする人が増えたら嬉しいです。

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「股割り」と「開脚」の違い

ただの言葉の違いなようで、実は大きく違う、「股割り」と「開脚」。それぞれの特徴をまとめつつ、違いを確認していきましょう。

開脚=股関節の柔軟性

「180度開脚」というと、ベターっと脚が広がり、おでこ、胸、お腹がぺったりとつくイメージがあります。もちろん、それでも十分すごいことですが、あえて開脚と股割りを区別して考えています。

開脚は、股関節や太ももの筋肉の柔軟性を追求した結果、得られるものです。そのため、

  • 毎日ストレッチしなければならない。
  • 元々体がかたいから続かない。
  • そもそも、開脚できても何のメリットもない。

上記のような、「痛いし、続かないのに、開脚できても少し自慢できるくらい」といったイメージを持つ人が多い印象です。当然、股関節から脚にかけての柔軟性が高まれば、慢性的な腰痛や膝痛などは予防・改善できます。それでも、「毎日やるの?」というところに行き着いてしまい、続かずにドロップアウトする人が多いです。

股割り=股関節の柔軟性+機能

開脚と股割りをわけて考えると、「180度開かなくても、股割りは可能」だと言えます。反対に、「180度開脚していても、股割りできていない」場合もあります。

あくまで概念的な話ですが、鍵となるのは「股関節の機能」にあると考えられ、ここに両者の大きな違いがあります。

腰椎の生理的前弯と骨盤前傾を維持する股割り

股割りの大原則として、「腰椎の生理的前弯と骨盤の前傾を保ったまま開脚」をしていく必要があります。

腰椎イメージ

腰椎の生理的前弯と、骨盤の中間位から前傾は、私たちの体(骨構造・筋構造)に負荷の少ない状態です。

その状態を維持したまま開脚していくためには、体幹部を固定するための筋力、股関節や下肢の柔軟性、そして開脚角度を広げていくための股関節の筋力も必要になります。

股割りによるメリット

「180度開かなくても、股割りは可能」と先述したのは、「腰椎の生理的前弯と骨盤前傾」を保ったまま、股関節から下肢を自由に動かすことができれば、それが股割りによって得られるメリットだと考えられるからです。

要約すると、下記の通りです。

  • 体に負担の少ない姿勢を維持したまま(腰椎生理的前弯+骨盤前傾〜中間位)
  • 脚を自由自在に動かせる(股関節以下の自由な動き)

そのため、検索すると出てくるようなメリットにつながります。

  • 競技レベル(パフォーマンス向上)。疲れにくい(一般レベル)
  • 怪我の予防。
  • 美脚・美尻。
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四股踏みに見る股割りの重要性

テレビや雑誌などで、「四股踏み」が足腰を鍛え、健康に良いと取り上げられることが多くなりました。基本的には四股踏みも同様、「腰椎の生理的前弯と骨盤の前傾」を維持した状態で行うと効果的です。

四股踏みのベースは相撲の立ち会い

「はっけよい、のこった」と仕切られ、お相撲さんが勢い良く動き出す様は圧巻です。立ち会いのあの姿勢に、股割りや四股踏みの成果が凝縮されています。

相撲の立ち会いの瞬間、爆発的なエネルギーを生み出すのは股関節です。深くしゃがみこんだ四股の状態から、股関節の大きな筋肉を収縮させて力を発揮します。この時、股割りができていないと股関節の機能を使いきれません。日々の股割りの稽古のおかげで、しゃがみ込んでから立ち上がるまでの速さ、力強さ、そして立ち上がる角度の自由さなどを獲得しています。

お相撲さん

お相撲さん(千代の富士関)の四股のイメージ。

股割りが不十分では、立ち上がりに遅れをとってしまう他、ぶつかった時にも股関節を使って踏ん張ることができません。ぶつかる瞬間も腰椎の生理的前弯と骨盤前傾を保つことで、股関節から体幹部にかけての筋力が十分に発揮され、大きな力を生み出しています。

お相撲さんの画像をみても、これだけ脚を開き、深くしゃがみこむ四股を踏んでいても、腰椎の生理的前弯と骨盤前傾は維持されています。美しささえ覚えます。

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股割りは脚を開く前に腰を立てる

股割りに挑戦する上で、最初に意識することは、骨盤の中間位から前傾を保つ「立腰(りつよう)」だと考えています。

どんなに脚を開けても、四股踏みを頑張っても、骨盤が後傾してしまい、腰椎が後弯していては効果が半減してしまいます。反対に、腰椎の生理的前弯と骨盤前傾を保ったまま開脚できていれば、開脚の角度は気にしなくても良いと言えるほどです。

最初は脚が曲がっていても大丈夫

骨盤後傾イメージ

【NG】骨盤が後傾し、腰椎が後弯してしまう

体がかたかったり、姿勢が悪かったりすると、床に座った時点で腰椎の生理的前弯がなくなり、骨盤が後傾してしまう人もいます。まずは自分が「腰椎前弯+骨盤前傾」を維持できる場所を見つけましょう。

骨盤前傾イメージ

【OK】骨盤を前傾させ、腰椎の生理的前弯を維持する

その時に、膝は曲がっていても問題ありません。あくまで、座った状態で「腰椎前弯+骨盤前傾」を維持することが大切です。

後ろから股割りイメージ

脚を曲げての股割りを後ろからみてみます

我ながら、まだまだかたいし左右のバランスもよろしくありませんね(写真を撮って気付きました)。だいぶ脚は開くようになってきたのですが、これでは良い股割りにはなりません。お恥ずかしいです。反省。

横から股割り

横からみたイメージ

横から見ると、腰椎から骨盤にかけてのラインがきれいです。この状態を維持したまま、脚を開き、体を前に倒していくのが股割りです。

このまま脚を伸ばして少し体を前に倒すと、下の画像のようになります。

股割りイメージ

腰椎生理的前弯+骨盤前傾での開脚

(自分で)指摘したいポイントがいくつかありますが、今回は「腰椎の生理的前弯と骨盤前傾」にフォーカスしたいので、スルーでお願いします。

今回の確認

  • 開脚と股割りは別物と考えて良さそう。
  • 股割り=腰椎の生理的前弯+骨盤前傾+開脚。
  • 股割りの感覚をつかむことで、体に少ない負担で大きな力を発揮できるようになる。
  • 脚を開くより、腰椎を後弯させないこと・骨盤を後傾させないこと。

脚を開くうんぬんの前に意識してほしい部分が、股割りの肝になる部分です。感覚をつかむまでが大変ですが、股割りに挑戦することで日頃の姿勢を意識し、それが股割りにも良い効果を生む良い循環につながります。

▶︎椅子に座って行う股割りの練習方法はこちらへ

▶︎バランスボールを使った股割り練習はこちらへ

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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