【中脘】胃痛・消化不良など胃の不調を広く改善する経穴(ツボ)の紹介

中脘ツボ 361+α

今回は、【中脘(ちゅうかん)】というツボについて、場所や、刺激することで期待できる効果などをまとめていきます。

中脘はみぞおちとおへその間くらいにあり、胃の不調を改善するツボです。特に、冷たいものの食べ過ぎ・飲み過ぎが原因で体の不調を起こしている場合に、中脘を温めると全身の調子が整います。

中脘は胃の不調一切を治療するとも言われます。食べ過ぎ・飲み過ぎなどが気になるシーズンの前に、中脘のツボを確認しておきましょう。

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中脘(ちゅうかん)の位置と所属経絡

中脘というツボの位置や、所属する経絡の特徴を確認していきます。

中脘の位置

上腹部、前正中線上、臍中央の上方4寸。

新版経絡経穴概論

中脘はお腹の正中線上、おへその上にあるツボです。おへそとみぞおちのちょうど真ん中くらいです。おへその上方4寸なので、指の幅3本分上の、さらに3本分上あたりにあります。

指の幅3本で2寸、指の幅3本×2回で4寸です。

中脘の所属経絡と特徴

中脘は任脈に所属するツボです。任脈は体の前面の正中線上を通る経絡です。任脈は体の全ての陰を統率するため、「陰脈の海」とも呼ばれます。

  • 胃の募穴

中脘は胃に関する重要なツボです。構造的にもちょうど胃のあるあたりの、体表にあるツボです。

中脘に加えて「足三里(あしさんり)」というツボも刺激すると、胃の不調をより効果的に改善することができます。こうした組み合わせは鍼灸治療の手法の一つで、募穴と合穴をあわせた「募合(ぼごう)配穴」と言います。

募穴は「特に臓腑の経気が集まるところ」という特徴があり、対象臓腑の近くにあります。
  • 腑会(ふえ)

中脘は胃の募穴としてのツボの特性のほか、「腑会(ふえ)」としての特徴も持ちます。

中脘は六腑の取りまとめとして、各腑に気血や栄養を分配します。そのため、腑の病には中脘を刺激するのが効果的とされています。

ツボには様々な特徴があり、特に人体を構成する8つのパーツ(臓・腑・筋・骨・髄・脈・気・血)の取りまとめを「八会穴(はちえけつ)」と言います。
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中脘のツボの治療効果まとめ

中脘を刺激することで期待できる効果をご紹介します。中脘はお腹にあるツボなので押圧もできますが、温灸のような温める刺激をオススメします。

胃の全ての不調に

中脘は胃の全ての不調に効果的とされるツボです。

  • 胃のムカつき、不快感
  • 胃もたれ
  • 消化不良
  • 食欲の異常
  • げっぷ
  • 吐き気  など

他にも飲み過ぎや食べ過ぎによる胃の疲れや、冷たいものの飲食による胃の痛みにも効果があります。

鍼灸治療の際にも、胃腸の調子を確認するために中脘の辺りを押圧するように触診します。胃腸の疲れや不調があると、中脘のあたりの張りが強く、軽く押すだけでも痛みがあります。

消化・吸収に

中脘は飲食物の通り道である六腑を統括する腑会のツボです。消化・吸収に関わる不調には中脘を組み合わせて調整します。

胃のトラブルだけでなく、小腸・大腸の不調にも効果が期待できます。便秘や下痢などには、大腸に関するツボだけでなく、中脘もあわせて用います。

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中脘とあわせて刺激したいツボ

胃の不調に働きかける中脘とあわせて刺激をすることで、より効果的なツボをご紹介します。

足三里(あしさんり)

下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方3寸。

新版経絡経穴概論

足三里はすねの骨の外側、膝のお皿の3寸下にあるツボです。

膝を軽く曲げた時、膝のお皿の骨の下、外側にできるくぼみに「犢鼻(とくび)」というツボがあります。足三里は、そこから3寸(指の幅4本分)下にあります。
  • 四総穴

体に作用するツボを四つに分類すると、合谷・列欠・足三里・委中があります。その中でも、足三里は肚腹(おなか)に効くツボと考えられています。

中脘を刺激することで、対象(胃)を直接的に刺激できます。さらに足三里を刺激することで、援護射撃のように経絡を通じて臓腑に刺激を届けることができます。

  • 足三里は亢進、中脘は鎮静

ラットに対する研究で、中脘(腹部)と足三里(下腿)への刺激が胃の運動にどのような反応を起こすかを調べたものがあります。

その結果、下記の通りの反応が起こったようです。

  • 足三里 → 胃の運動亢進
  • 中脘 → 胃の運動鎮静

つまり、足への刺激では胃の運動が活発になり、お腹への刺激では胃の運動が抑えられることになります。

例えば、食欲の亢進や、逆流性食道炎などの炎症、口臭やげっぷなど、東洋医学的にみたところの熱症状においては、胃の運動は過活動状況です。足三里には、胃の働きを(亢進/鎮静問わず)整える働きがありますが、ラットの研究を考慮すれば、足三里のみ刺激をして胃の運動を活性化してしまうと、逆効果になる恐れもあります。

胃の運動が活発なことによる症状がある場合には、あわせて中脘も刺激するようにしてみてください。

参考:高橋徳「鍼の胃運動に及ぼす影響と作用機序」

ちなみに、胃の運動が過剰に活発な状態を、東洋医学では「胃熱(いねつ)」と言います。

おわりに

今回は胃の調子を整える中脘についてまとめてみました。中脘は胃の不調が現れる診察点であるとともに、治療にも用いるツボです。

各シーズン、付き合いで続く飲み過ぎ、食べ過ぎで胃腸の疲れを感じた時には、特に刺激してみてください。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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