過緊張による噛みしめや食いしばりによる影響と噛む筋肉をほぐすツボなどの対策

マウスピース 頭・首
歯を噛み締めたり、食いしばる癖がある場合、ストレスなどによる過緊張の状態が考えられます。覚醒下ではパソコンやスマートフォンの使用中や、睡眠時には無意識に噛み締めてしまう傾向にあり、重症になると歯が欠ける・ひび割れることもあります。対処法として有名なマウスピースも、あくまで歯を守るための手段であり、噛み締めや食いしばりを改善するわけではありません。ストレスの改善や、口を大きく開けるストレッチなどを取り入れて、顎周りの緊張を緩めていきましょう。

 

突然ですが、皆さん口を開けてみてください。

 

指の幅3本分、開きましたか?

指3本分開かなかった場合、顎関節症の恐れもあります。やっと開いて3本分…という人は、顎関節症予備軍かもしれません。

今回は、そんな顎関節症につながる【噛みしめ・食いしばり】についてまとめていきます。噛みしめや食いしばりが原因で、頭痛や顎の痛みなどの不調を起こす人が多いです。また、行き過ぎれば顎関節症につながります。

噛みしめや食いしばりの多くは、ストレスを感じる時、スマートフォンやパソコンをじっと見ている時に、知らぬ間に起こっています。

ひどくなる前に、意識して口を大きく開く時間を作りましょう。

指3本分、口が開かなかった人は、下記の記事をご参照ください。

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噛みしめ・食いしばりによる症状

代表的なトラブル

不定愁訴と言われる症状の多くは、噛みしめや食いしばりが原因と言われます。全てがそうだとは言い切れませんが、確かに顎周りの緊張をほぐすと改善する症状は、下記の項目があげられます。

  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 肩こり
  • 歯のトラブル

特に睡眠時の噛みしめ・食いしばりによって、起床時からこれらの不調に悩まされる人が多いです。

また、こうした顎周りの緊張と関連がある不調の他にも、噛みしめや食いしばりが関与する不調があります。これは私が治療で実感した内容ですので、全員がそうだとは言い切れません。

  • 唾液量の低下
  • 消化不良  など

顎は食事を噛み砕く、消化の第一関門と言えます。噛みしめや食いしばりで顎周りの過緊張があると、「噛む」ことが必要な食事の際にその効果を発揮できなくなります。

唾液量の低下も

噛みしめや食いしばりによる顎周りの過緊張は、近くにある唾液腺の働きを低下させると考えられます。

  • 咽頭炎(喉の痛み)
  • 逆流性食道炎
  • 誤嚥
  • 肌や粘膜の乾燥

そのため、上記のような唾液量の低下による症状も、噛みしめや食いしばりが原因かもしれません。食事中には唾液量が少なく誤嚥につながることもあります。他にも、口内の乾燥からくる呼吸器の疾患や、歯のトラブルにつながります。

顎周りの緊張を緩めることで、これらの症状がまとめて緩解する場合もあります。

唾液の働きの確認

唾液は耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つの唾液腺から分泌されています。

自律神経の働き(副交感神経)によって分泌されるので、緊張して口の中が乾いた経験がある人もいるかもしれません。この分泌が、顎周りの筋肉の緊張でも低下してしまいます。

唾液の働きとして、下記の項目があります。

  • 消化を助ける
    • 酵素によって初期消化を行う
    • 唾液はアルカリ性で、胃酸とのバランスをとる
  • 湿潤
    • 口内を乾燥から守る
  • 清浄
    • 唾液によって初期の虫歯の再石灰化が起こる
  • 抗菌
    • 口内の細菌の繁殖を防ぐ

顎周りの緊張によって唾液量が減れば、これらの働きが得られなくなります。結果、呼吸器や消化器の不調にもつながります。

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噛みしめ・食いしばりの原因

では、噛みしめや食いしばりの原因を考えていきましょう。

まずは、実際に「噛む」筋肉の確認です。睡眠中や無意識のうちに、これらの筋肉に過剰に力が入った結果、噛みしめは起こります。

噛む筋肉の確認

咬筋(こうきん)

文字通り咬む(噛む)ための筋肉です。下顎骨を上に引き上げます。

側頭筋(そくとうきん)

側頭部にある側頭筋も、噛むための筋肉です。下顎骨を上・後方に引き上げます。

内側翼突筋(ないそくよくとつきん)

内側翼突筋は、下顎骨(顎の骨)の内側にあります。下顎骨を引き上げる働きの他、左右に動かす働きがあります。歯ぎしりなんかは、内側翼突筋の緊張もあります。

外側翼突筋(がいそくよくとつきん)

外側翼突筋は、側頭筋の下にあります。下顎骨を引き上げる働きの他、前に引き出す働きもあります。

噛む筋肉の支配神経

咬筋、側頭筋、内側・外側翼突筋の4つの「噛む」筋肉は、どれも脳神経の一つ、三叉神経(さんさしんけい)の指令で動いています。

ストレスや過緊張などで、脳神経は興奮してしまいます。すると、無意識下に三叉神経の興奮も起きてしまい、噛むための筋肉が働いてしまいます。この結果、噛みしめや食いしばりが起こるのではないかとも考えています。

原因はストレスが有力

噛みしめや食いしばりの原因となる筋肉に、過剰に力が入ってしまう。上述したように、大元の原因となるのは、脳を興奮させてしまうようなストレスではないかと考えています。

過剰なストレスが自律神経を乱れさせることはご存知かもしれません。しかし、ストレスは脳神経にも影響を与えることがあります。脳神経の支配する器官と、その不調を簡単にまとめてみます。

  • ⅰ嗅神経:嗅覚異常
  • ⅱ視神経:目の疲れ
  • ⅲ動眼神経:目の疲れ
  • ⅳ滑車神経:目の疲れ
  • ⅴ三叉神経:噛みしめ
  • ⅵ外転神経:目の疲れ
  • ⅶ顔面神経:顔面神経麻痺
  • ⅷ内耳神経:難聴
  • ⅸ舌咽神経:味覚異常
  • ⅹ迷走神経:内臓疾患
  • ⅺ副神経:首肩のこり
  • ⅻ舌下神経:舌の動き

どれも、何となく心当たりがあったり、イメージしやすかったりしませんか?

こうしてまとめると、視力・眼球運動をつかさどる神経が多いことがわかります。目の使い過ぎがストレスにつながる理由も何となく納得できます。

ストレスは良くない、誰もがわかっていますが、本当に良くないんです。

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噛みしめ・食いしばりの対策

実際に患者さんがしている対策のほかに、私がオススメする対策などをまとめていきます。

マウスピース

睡眠時に噛みしめや食いしばりが強い人は、マウスピースを作ることが多いと思います。就寝時に取り付けるものを、「ナイトガード」というらしいです。

マウスピースをはめれば、確かに噛みしめや食いしばりによる歯への負担は軽減するかもしれません。しかし、マウスピースによって噛みしめや食いしばりがなくなるわけではありません。

マウスピースはあくまで歯に対する対症療法の一つであり、噛みしめや食いしばり自体を改善するものではありません。

ストレス解消を

根本的な原因となるストレスを解消するのが、噛みしめや食いしばりを改善する一番の方法です。

液晶モニターを見過ぎない

スマートフォンやパソコンなどの液晶画面を見続けるのも、噛みしめや食いしばりを増悪させてしまいます。

こうした端末から出ているブルーライトは、強いエネルギーを持つ光です。こうした光を見続けるせいで、神経の興奮を抑えることができずに、過緊張から噛みしめや食いしばりにつながります。

口を大きく開ける習慣を

噛みしめや食いしばりがある人は、顎を閉じる方向への力が過剰になっています。これがある一定を超えると、顎を閉じる筋肉が拘縮を起こし、顎関節症になります。

口を大きく開くことは、顎周りの筋肉のストレッチにもなりす。気付いた時は、「指3本分」を目安に、口を開くようにしましょう。

顎関節に関わるツボ

最後に、セルフでマッサージができるツボやエリアをご紹介します。

聴会(ちょうえ)

耳の穴の前側、口を開くと深くくぼむところにあるツボです。

上関(じょうかん)

こめかみの骨(頬骨弓)の上にあるツボです。

下関(げかん)

こめかみの骨(頬骨弓)の下にあり、口を閉めていると凹んでいるツボです。口を開くと下顎骨が動いて凹みがなくなります。

頬車(きょうしゃ)

下顎骨(顎の骨)のエラの少し内側にあるツボで、咬筋を刺激します。

側頭部全体のマッサージ

側頭部には、足の少陽胆経の経絡が流れています。この辺りは、1点のツボというより、開く全体をマッサージしてみてください。

うまく刺激が入ると、マッサージをしてすぐに唾液が出てくるのがわかる人もいます。もちろん、持続的に分泌が向上する方が良いので、少しずつを毎日試してみてください。

 

おわりに

食の変化や、生活環境の変化によって、顎周りの筋肉が弱まり、可動域も狭くなります。

噛みしめや食いしばりは、顎周りの筋肉の「つり」だと言っても良いかもしれません。足がつった時に、急いで伸ばすようにストレッチをしますよね。顎周りの筋肉も、噛みしめや食いしばりが起こった時は、大きく広げてストレッチをしてみてください。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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