顎関節症の症状や原因と、治療の際に指導するセルフケアのまとめ

顎関節イメージ 頭・首
顎関節症の状態においては、開口障害やクリック音を始めとする不調が起こります。特に噛み合わせの悪い人、噛み締めや食いしばりの癖がある人は顎関節症になるリスクが高く、食事や会話においても不便が生じてしまいます。顎関節症に対しては「口を開ける」運動が最適なリハビリと考えられています。さらに、下顎骨や顎関節と首・舌にまたがる筋肉を刺激することで、より効果的に顎関節周りの緊張を緩め、症状を緩和します。

 

噛みしめや食いしばりについて以前まとめたので、今回はその発展として【顎関節症】についてまとめていきます。

顎関節症まで症状が進行してしまうと、顎周りの痛みや口を開けられないなどの不調につながります。また、顎関節症の治療で「口を開ける訓練を」と指導されますが、痛みで口を開けることすら難しいこともあります。

ここでは、実際に治療をした際にお話ししたことや、セルフケアのポイントなどを中心にまとめていきます。

顎関節の仕組みや、関係する筋肉の働きなどは「噛みしめや食いしばり」に関する記事にまとめておきましたので、ご参照ください。

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顎関節症の症状

顎関節症の代表的な症状をご紹介します。

「顎関節症かな?」と感じるような症状がある場合は、

  • 歯科
  • 口腔外科

どちらかの医療機関に受診することをお勧めします。

顎の痛み

口を開け閉めするたびに、耳の前や下から顎にかけて痛みが起こります。左右の顎の片側だけ痛む場合も、両側が痛む場合もあります。

顎関節の関節構造の異常により、炎症が起きているかもしれません。

開口障害

口を最大限に開いた時に、指の幅3本分が縦に入らなければ、開口障害だと言われます。

顎関節の関節構造の異常で開かない場合と、顎関節を動かす筋肉の拘縮がある場合があります。

口の開閉による音

口を開け閉めする時に、顎周りで音がなる場合も、顎関節症の恐れがあります。

具体的に何が音の原因かは様々です。かたくなった筋肉を無理やり動かす音や、関節構造の異常による音などが考えられます。

 

顎関節症の原因

顎関節症の原因は、大きく3つ考えられます。

  • 口を閉める方向への過剰な緊張
  • 関節構造の異常(外傷など)
  • 歯の問題

それぞれ詳しくみていきます。

噛みしめや食いしばり

ストレスや過緊張、過度な集中時に起こる噛みしめや食いしばりは顎関節症の原因の一つです。

噛みしめ、食いしばりに関しては作成した記事がありますので、改めてご参照ください。

歯ぎしり

歯ぎしりは、噛みしめや食いしばりの延長で起こります。基本的には無意識に行ってしまうため、対策が難しいですね。

強く噛みしめる力に加え、下顎骨(顎の骨)を左右に動かすため、顎周りへの負担はとても大きくなります。また、歯への影響も大きく、歯にヒビが入ることもあるようです。

歯並びやかみ合わせ

歯並びの悪さや、それによる噛み合わせの悪さも顎関節症の原因になります。物を噛む際に歯並びが悪いと、顎関節にズレが生じやすいためです。

また、歯列矯正の前後で顎関節症になった患者さんもいました。歯並びが悪いと悪いで体は適応していたのに、矯正したためにかえってズレたのかもしれません。この辺りは、歯科との相談が必要です。

外傷

単純に顎をぶつけたり、ムチウチ症の延長で顎関節症になったりするケースもあります。顎関節の脱臼など、重度の外傷の場合はすぐに口腔外科にいきましょう。

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顎関節症の対策や治療

顎関節症に対するセルフケアの方法やリハビリ方法などをご紹介します。

マウスピース

顎関節症になり、睡眠時に噛みしめや食いしばりが強い人は、マウスピースを作りますよね。

マウスピースはあくまで歯を守るために着けるものであって、顎関節症の治療にはなりません。並行して顎関節の可動域に関するリハビリを行いましょう。

口を開く、動かす

顎関節症で口が開きにくいとは思いますが、閉じたまま安静にして治るものでもありません。開くところまでは積極的に開くようにしましょう。また、開いたところで下顎を前後に動かしたり、左右に動かしてみてください。

顎関節の動きに関わる筋肉が、口を閉めるように緊張したままかたくなっています。リハビリだと考えて、少しずつ動きの幅を広げていきましょう。

顎関節に関わるツボ

口を閉じる働きのある筋肉やツボについては、噛みしめや食いしばりについてまとめた記事をご覧ください。

口を閉じる筋肉を咀嚼(そしゃく)筋群といい、咀嚼筋の上にもツボがあります。

  • 咬筋
  • 側頭筋
  • 内側翼突筋
  • 外側翼突筋

これらの筋肉と、ツボについては下記のリンクをみてみてください。

顎関節に関わる筋肉とツボについて

 

重度の顎関節症の場合

重度の顎関節症では、指1本分も口が開かないケースもあります。そこまで可動域が低下している場合に、「口を開く」リハビリの効果はそこまで期待できません。

まずは顎関節周りを、「口を開く」前の段階まで回復させなければなりません。口がほとんど開かない患者さんにアドバイスした内容をご紹介します。

舌を動かし、舌骨筋群を刺激してみる

口の中で、大きく舌を動かしてみてください。そして、口をできる限り開け、舌を出せるだけ出してみてください。

舌の動きも、顎の動きと関係があります。舌の可動域が上がると、顎関節が少しずつ動くようになり、口が開くようになります。

首には頚椎の他に、前側に舌骨という骨があります。

この舌骨と舌や下顎骨をつなぐように筋肉がついていて、これらの筋肉を舌骨筋群と呼びます。舌を動かし、この舌骨筋群の可動域から広げていきましょう。

舌骨筋群の中には、下顎骨を下に引き下げる働きのある筋肉もあります。下顎骨が下に下がるということは、口を開くということですからね。

顎は開かず、首のストレッチをしてみる

頭を前後・左右に倒してみてください。

顎関節症の人の場合、頭を倒すように動かすと首に痛みがあったり、かたくて十分に倒れなかったりします。特に、前後の可動域が狭まる人が多い印象です。まずは首回りの緊張をとるよう、前後・左右に頭を倒してストレッチをしましょう。

頭を後ろに倒すと、舌骨筋群を含む首の前側の筋肉が伸びます。また、口の開閉は頚椎(首の骨)の動きを伴います。

試しに、

  • 頭を後ろに倒した状態
  • 頭を前に倒した状態
  • 頭を左に倒した状態
  • 頭を右に倒した状態
  • 左を向いた状態
  • 右を向いた状態

それぞれの状態で、口を開け閉めしてみてください。

口の開きに違いがありませんか?

それだけ、頭の位置と顎の動きには関係があります。まずは口を開きやすい角度で動かし、他の角度でも同じように動かせるようにしましょう。

 

おわりに

噛みしめや食いしばりの延長として、顎関節症についてまとめてみました。顎関節症の悩ましい点は、顎関節を動かすリハビリが必要なのに、痛みや可動域の狭さのせいで難しいところです。

まずは痛みが少なく動かせる舌や首周りの緊張をとり、動かしていくことで、顎関節の動きも改善していきます。

重度の顎関節症の場合、鍼灸治療によって顎関節の深い位置にある筋肉に刺激を入れて改善することもあります。早期治療、継続したリハビリをオススメします。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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