顎の筋肉の緊張を和らげ、顎関節症を改善する経穴(ツボ)

顎関節症のツボ 選穴・配穴

今回は「顎関節症」を改善する経穴(ツボ)についてまとめていきます。

顎関節症は、顎の痛み、口が大きく開かない(開口障害)、口の開閉音(クリック音)などを代表症状する顎の不調です。重症になると、口がほとんど開かず食事を摂るのも難しくなってしまいます。

顎関節症の改善のためには、「口を開く練習」程度のリハビリを行うしかありません。しかし、痛みが強い場合や、重度の顎関節症の場合、ただ口を開くのも重労働であり、大きな負担となります。顎関節症を改善する手助けとして、顎周りの筋肉の緊張を和らげるツボをまとめていきます。

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顎の筋肉の緊張をとり、顎関節症を改善するツボ

顎関節症を改善するツボについて、2点を中心に紹介していきます。

  • 顎周りにあるツボ
  • 手足にあるツボ

顎関節と関わる顎周りの筋肉を刺激するだけでなく、経絡や筋肉のつながりを考慮して、手足にあるツボを刺激しましょう。

上関(じょうかん)

上関のツボ

頭部、頬骨弓中央の上際陥凹部。

上関のツボは、顎関節を動かす筋肉のうち、側頭筋の上にあります。頬骨の上あたりを押さえながら、口を開閉してみてください。開閉に合わせて筋肉が動くところが、上関のツボです。

そのまま押圧して刺激を入れるのも良いですが、押圧を続けたまま口の開閉を続けるのも効果的です。

下関(げかん)

下関のツボ

顔面部、頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部。

下関のツボは、上関のツボと頬骨を挟んで反対側にあるツボです。

下関のツボは、口を閉じている状態では凹み、口を開くと下顎骨の一部が出てくるため膨隆する部位にあります。頬骨に沿って下側を刺激しつつ、口を開閉していくと見つけることができます。顎関節症が進行していると、口を閉じている時の凹み具合や、口を開けた時の膨隆具合で左右に差があります。

頬車(きょうしゃ)

頬車のツボ

顔面部、下顎角の前上方1横指(中指)。

頬車のツボは、頬にある咬筋の上にあります。顎のエラと呼ばれるあたりから少し頬の内側に寄ると、グッと噛みしめた時に膨隆する部分があります。その膨隆する筋肉が咬筋で、その上に頬車のツボはあります。

頬車は肉肉しく、押圧すると筋肉を捉えた時のジンと響く感じが得られやすいツボです。頬車のツボも、軽く押圧しながら口を開閉すると、左右差やかたさがわかりやすい特徴があります。

耳門(じもん)、聴宮(ちょうきゅう)、聴会(ちょうえ)

耳の孔の前に縦に並ぶ、耳門、聴宮、聴会のツボも、顎関節症の改善に効果的です。耳珠(じじゅ)の前を縦になぞりながら、口を開閉して顎関節を動かしてみてください。顎関節の動きに合わせて、耳珠の前が凹んだり、膨隆したりします。顎関節はこのあたりで関節構造を形成しているため、耳珠の前側にある耳門、聴宮、聴会のツボが顎関節症の改善に効果的になります。

  • 耳門(じもん)

顔面部、耳珠上の切痕と下顎骨の関節突起の間、陥凹部。

耳門のツボは耳珠の上側にあります。耳門のツボは口の開閉で凹んだり、膨隆したりはしませんが、顎関節の構造に刺激を入れることはできます。

  • 聴宮(ちょうきゅう)

顔面部、耳珠中央の前縁と下顎骨関節突起の間の陥凹部。

口を開くと、顎関節の動きにあわせて少し凹むところに、聴宮のツボがあります。口を開けた状態、閉じた状態、どちらの状態でも刺激をしてみましょう。

  • 聴会(ちょうえ)

顔面部、珠間切痕と下顎骨関節突起の間、陥凹部。

聴会のツボは、口を開くと大きく凹むところにあります。口を大きく開いていくと、耳たぶの前側が大きく凹んでいきます。聴会も凹みの左右差がわかりやすいツボです。

合谷(ごうこく)

合谷のツボは四総穴(しそうけつ)という特性から、頭部・顔面部に起こる不調を広く改善する効果が認められています。また、合谷のツボが所属する大腸の経絡は、手から始まり、合谷などを通過し、頬を通って鼻の横に終わります。合谷への刺激は、こうした経絡の通り道(流注)にも影響を与え、顎関節症などの症状を改善します。

足三里(あしさんり)

足三里のツボは胃の経絡に属しています。胃経の経絡は顔から始まり、顎を通り、体の前側を足に向かって伸び、その途中に足三里のツボがあります。先に紹介した下関や頬車のツボも胃経に属しています。

足三里を刺激することで、その刺激は胃経の経絡が伸びる範囲にまで広がります。また、飲食物の消化を行う胃という点で考えれば、顎関節を動かし咀嚼をする動作も胃の運動の延長と捉えることができます。足三里など胃経のツボの刺激が、噛み合わせや顎関節症の改善に効果的なことも多くあります。

おわりに

今回は顎関節症を改善するツボについてまとめてみました。顎関節症のリハビリは、可動域の低下や痛みが強いと難しく、症状が長期化してしまいがちです。顎関節の動きを取り戻すよう、顎周りの筋肉にあるツボだけでなく、手足のツボも刺激して、顎関節症の早期改善を目指しましょう。紹介したどのツボも、軽く押圧刺激を与えつつ、口を開閉して、顎関節を動かすとより効果的です。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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