腰痛もちの腹筋・背筋は種類を選ばないと逆効果。コルセットの役割の腹横筋も忘れずに。

腹直筋 体幹

デスクワークで腰が痛い、最近お腹がたるんできた、何か運動を始めよう。

外見に関わる「腹筋」、鍛えると言ったらどのような運動が思い浮かびますか?

最近では、様々な体幹トレーニングが周知されてきましたが、体を起こすような腹筋が一般的ですよね。今回は、上半身を起こすタイプの腹筋の効果と、それによって起こりうる弊害・副作用をまとめていきます。また、腰痛持ちの場合に腰への負担が少なく行えるような腹筋もあわせて紹介します。

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シックスパックの腹筋は万能じゃない

スポーツ選手やモデルさんの、板チョコのように6つに割れた腹筋、とても魅力的に見えます。体の前側の筋肉は外見にも関わるためか、特に皆さん鍛えがちです。

しかし、そうして偏ってトレーニングをして、腰痛や他の症状につながる人も多くいます。

シックスパック=腹直筋が浮き上がっている状態

腹直筋

誰もが憧れるお腹のシックスパックは、「腹直筋」と言う筋肉が形作ります。腹直筋の構造や機能をまとめると、下記の通りです。

【腹直筋】

  • 起始:第5〜7肋軟骨、剣状突起
  • 停止:恥骨結合
  • 機能:体幹の前屈

起始と停止は、筋肉が付着する部位を表します。腹直筋の働きは、体幹の前屈(体を丸める)です。そのため、体を起こして丸めるような腹筋運動で鍛えることができます。

シックスパックが浮き上がる条件

腰痛の話から少し脱線します。

シックスパック=腹直筋、腹直筋をとにかく鍛えてお腹を割ろう! と考えがちですが、ただ鍛えるだけではシックスパックにはなりません。

  • 腹直筋を鍛える
  • お腹周りの脂肪を落とす

当たり前ですが、脂肪がある状態で腹直筋をどれだけ鍛えても、シックスパックは浮き上がってきません。反対にお腹周りの脂肪がなければ、腹直筋が表層に出てくるので、腹筋が割れているように見えます。

「とにかくお腹を割りたい」と、一所懸命に起き上がる腹筋のみにこだわり、腹直筋のみが偏って固くなってしまう人が多くいます。ただシックスパックを浮き上がらせたいのであれば、脂肪を落とす運動も合わせて取り入れましょう。

腰痛にかたい腹筋は逆効果

シックスパックが現れるほど腹筋を鍛えても、下記のようなデメリットもあります。何事もバランス、ということを改めて認識します。

  • 姿勢が悪くなる
  • 肋骨の動きがかたくなる
  • 呼吸が浅くなる

一つ一つ見てみましょう。

姿勢が悪くなる

シックスパックの腹直筋は、体を丸める(体幹前屈)働きを持つ筋肉です。体の前側に縦長に伸び、体幹前屈の力が強いため、偏って鍛えてしまうと背中は丸まりがちになります。

デスクワークなどで姿勢が崩れ、腹筋が縮んでいるのも良くない状態です。座り仕事が多い昨今、腹直筋はただでさえ縮んでかたまり、姿勢を崩す原因になっています。

起き上がるやり方で腹直筋を鍛える前に、少し体を反らして、腹直筋など体の前面を伸ばすストレッチを取り入れても良いかも知れません。

肋骨の動きが制限され、呼吸も浅くなる

シックスパックの腹直筋は肋骨の下に付着するため、腹直筋の力が強まり過ぎれば、肋骨の動きが小さくなります。

肋骨の特徴と合わせて考えると、

  • 中に肺が収まっているため、呼吸も浅くなる
  • 背骨(脊椎)全体の動きがかたくなる
  • 背骨のかたさから、肩の動きにも影響する

腹筋が割れてカチカチ、なんてテレビでよく褒められますよね。しかし、肋骨の動きは背骨や肩甲骨の動きにも影響があります。

筋肉の機能的には、割れていても割れていなくても、背骨や肩甲骨の動きを邪魔しない柔らかい筋肉が理想的です。

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「腰痛もちは、腹筋と背筋バランス良く」 と言われる理由

特に腰痛持ちの人は、腹筋と背筋のバランスについて聞いたことがあると思います。

  • 起き上がる腹筋
  • 反り上がる背筋

単純に、片方だけ偏って鍛えてしまえば、体の前後のバランスは崩れるからです。特に鍛えやすく、見栄えにも直結する腹直筋ばかり鍛えれば、前側の筋肉の緊張は高まります。

前項にまとめたように、体を丸めるように働く腹直筋だけを鍛えると、姿勢は崩れていきます。

背骨だけで骨格を形成するお腹周り

腹部

特に、体幹の中でもお腹周りは肋骨がなく、背骨と筋肉だけで体を支え、中の内臓を保護しています。

画像のように、お腹周りはぐるっと筋肉の働きだけで支えなければなりません。前後左右、それぞれの筋肉のバランスが大切なことがわかります。

この空間をしっかりと支えるサポートをするのが、コルセットです。

腰痛もちが鍛えておきたい、コルセットの働きを持つ「腹横筋」

腹横筋

肋骨がなく構造的に弱くなるお腹周りを、コルセットのように保護する筋肉があります。それが「腹横筋(ふくおうきん)」です。

腰痛の人がコルセットを巻くように、腹横筋がしっかりと働くと、腰の痛みは和らぎます。これは、腹部に適切な圧が加わり、腰回りの安定性が増すからです。

【腹横筋】

  • 起始:第7〜12肋軟骨、腰筋膜、鼠径靱帯、腸骨稜
  • 停止:剣状突起、恥骨、白線
  • 機能:腹腔内圧を高める

腹横筋は、腰の方からお腹の前側まで、ぐるっと囲う筋肉だとわかります。また、繊維の方向が横なので、ウエストを締めるように収縮します。

腹横筋のトレーニング方法

腹横筋はドローインというトレーニングで鍛えることができます。お腹をしぼるように凹ませると、腹横筋のトレーニングになります。

ドローインの方法について、簡単なものをご紹介します。

  1. 仰向けに寝て、膝を立てる
  2. 息を吐きながら、お腹を凹ませていく
  3. 限界まで凹ませる

これが腹横筋のトレーニングの基本です。慣れてきたら、立ってやったり、座ってやったりと、バリエーションを増やしてみてください。

注意点として、息を吐いていく際に体を丸めないこと、骨盤を倒さないことの2点あります。どちらも、姿勢が崩れてしまい、腹直筋など他の筋肉にも力が入ってしまいます。

おわりに

体を鍛えるって、細かくみていくと複雑なところもあり、良かれと思ってやっていたことが逆に体のバランスを崩していることもあります。

腹直筋と腹横筋、どちらも同じ腹筋ですが、働きは大きく異なります。筋が入ったり、ボコボコしたり、見栄えの良い筋肉を鍛えるのも大切ですが、天然のコルセットである腹横筋も重要です。機能的に欠かせない部分のトレーニングも、忘れずに行いましょう。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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