「水を1日2リットル飲むと良い」は正解なのか。各専門医の見解と個人的見解

水イメージ 予防・未病治
「水を1日2リットル飲むと体に良い」と言われますが、万人にとってそれが正解とは限りません。日中の活動量や、それに応じた発汗量など、人によって水分代謝は大きく異なります。「水ならたくさん飲んでも汗や尿として出ていくから大丈夫」と考えがちですが、必要以上の水分を摂取すると、東洋医学的には「湿痰」という状態になり、健康的とは言えません。しかし、アスリートや日々の活動量が多い人の中には、確かに水分摂取が足りない人が多くいます。大切なのは、自分の活動量から必要な水分摂取量を把握し、自分の体にあった水分摂取を心がけることです。

 

「1日に水を2リットル飲むと、美容にもダイエットにも効果的」という健康に関する意見が、いつからか話題になり、次第に定着してしまった印象です。

私たちの体のおよそ60%は水分でできていると言われるため、水分摂取は確かに重要です。夏の発汗量が多い時期などは、血液もドロドロになりやすく、それがきっかけで循環器系の疾患が多く発生すると言われます。

では、本当に水をたくさん摂取することで、より健康的な体になるのでしょうか?

東洋医学においては、体内に過剰な水分が蓄積した状態を「湿痰(しつたん)」と言い、不調の原因の一つになると考えられています。

それぞれの専門家の意見を目にしたので、簡単にご紹介しつつ、「適切な水分摂取」に向けたアドバイスを考えてみます。

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「筋肉が柔らかい人は水分をたくさん摂っている」スポーツトレーナーの方の見解

私はどうしても東洋医学寄りなので、西洋医学寄りのこうした考えは新鮮で、勉強のきっかけになってとても助かります。

該当する記事を大まかにまとめると、

  • 筋肉が柔らかい人は積極的に水分を摂っている。
  • 筋肉は75%〜80%の水分を含むことができ、保水率が高い。
  • アスリートであれば、運動時を除いて2リットルから2.5リットルの水分摂取を推奨。

ご自身の海外でのトレーナー活動なども通して、日本人の水分摂取の少なさなどを指摘しています。確かに、昔から「水を飲むな」と言われて走らされた記憶があります。

「水を飲むようになって変わった!」の声も多数

「筋肉の柔らかさ」というと、ストレッチなどの運動によって得るイメージが強かったため、水分摂取が重要と考える人は少なかったようです。実際に積極的に水分摂取を行う「水チャレ」なるものを行った人の感想を挙げてみます。

水チャレ感想

水チャレ感想

水チャレ感想

  • 目覚めが良い。
  • 便通が改善した。
  • 乾燥肌が改善した。
  • 頻尿になった。

上記のような変化を感じ取った人が多いようです。また、実際に「足がつらなくなった」、「筋肉が柔らかい気がする」といった意見もチラホラ見受けられます。

意識して水分を摂らないと、1日に1リットルも飲まない人もいるようです。尿や汗だけでなく、呼吸などからも体から水分が出ていってしまいます。もともと水分摂取が少ない人ほど、体の変化は大きく現れるでしょう。

▶︎該当するブログはこちら

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「余分な水分はむくみやダルさの原因に」漢方医先生の見解

漢方医の先生は特に、「健康に良いって聞いたから水を2リットル飲んでいる」という患者さんを多く診ているのでしょう。確かに水をたくさん飲んでいて不調を抱えている患者さんは多くいます。

では、水をたくさん飲むことで、体にどのような負担がかかるのかを考えていきましょう。

過剰な水分は湿痰となり、五臓の脾を消耗する

東洋医学では、体の水分代謝をつかさどるのは五臓の脾です。脾は他にも、飲食物の消化・吸収をつかさどります。

自分の許容量を超えた水分は、体に蓄積していき「湿痰(しつたん)」となり、五臓の脾を消耗してしまいます。結果、先ほどの櫻井先生のtweetにあるような体の不調につながります。

  • 浮腫み → 処理しきれない水分の停滞。
  • だるさ → 湿痰は重濁・粘滞の特徴を持つ。
  • 食欲不振 → 脾の消化・吸収をつかさどる働きの低下。
  • めまい → 平衡感覚に起こる痰濁。

人によって、脾の「水をさばく」能力には違いがあります。そのため、他の人が水を2リットル飲んで健康になっても、それが自分に当てはまるとは言えません。

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鍼灸師・あマ指師である私の水分摂取に関する見解

の意見だけ取り上げて色々述べて、自分の見解がないのはいかがなものかと思いますので、ここからは鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師である私の見解をまとめます。

そもそも人それぞれ体格が違うので、水分摂取量は人それぞれになる

筋肉の保水率が高いものの、その筋肉がどれくらいあるかも人によって違います。運動を積極的に行う人、運動をしない人で筋肉量が違えば、必然的に摂取すべき水分量も違うことになります。

ご自身の体格や筋肉の量、運動量に応じた水分摂取量がある、という理解が必要です。

当然、活動量が違うので、活動量にあった水分摂取が必要

アスリートトレーナー奥村さんも、「アスリートに向けた水分摂取」を記事にしています。あくまで日常的に競技に励んでいるアスリートに向けての見解なので、一般の人を対象に「水を2リットル飲め」とは言っていません。

毎日部活動などでトレーニングをしている人と、休日だけちょこっと走る人では、活動量も違えば、必要な水分の量も違うといえます。大切なのは、自分の活動量にあった水分摂取量を知ることです。

食事の内容もチェックした上での水分摂取が必要

例えば主食であるお米にも、水分が含まれています。また、朝昼晩の毎食に汁物を食べれば、それも立派な水分摂取だと言えます。そうした食事内容も踏まえた上で、その他の時間に摂る水分量を考えていくべきです。

また、「水を飲むことで満腹感を得て、食事の量が減る」場合もあります。一時の効果として、体重が減ったり、便通が良くなることがありますが、長期的に見ると体に良い影響ばかりとは言い切れません。

結論:自分の水分代謝を観察し、自分にあった水分摂取を

  • 水分を多く摂って便通が良くなったとは言え、軟便・下痢気味であれば、それは水分過剰のサイン。
  • 体が重い、だるいと感じることが多くなったら、水分が停滞している。
  • 「水ならいくら飲んでも、汗や尿として出るだけ」という考えは危険。

特にこうした水分摂取の話題において、「必要以上の水は自然に出て行く」と考えがちです。しかし、東洋医学では水分の摂り過ぎによって湿痰という状態に陥り、いわば不健康な状態に近くなります。

水だけでなく、何事も過ぎたるは及ばざるが如しと言え、考えなしにたくさん摂れば良いわけではありません。自分の体を日々観察し、その日、その時に合わせた生活をこころがけることが、本当の養生と言えます。

 

鍼灸指圧治療院あたしんち

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